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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十二章 オルレアンのラ・ピュセル

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12.17 軍議と最後通牒(2)

 ジャンヌは、クジノ邸の別の部屋で宰相夫人とともにいた。

 アンブロワーズ・ド・ロレ卿がジャンヌを迎えに行ったとき、クジノ宰相はジャンヌに「サン・ローラン・デ・オルジェリルの陣営を明日攻撃する予定だ」と告げた。


 ジャンヌは何かが隠されていると直感した。

 もともと鋭い感覚を持っていたうえ、これまで何もかも隠されていたのだから、まだ何かが隠されているのではないかと疑うのは当然だった。


 この不信感は、ジャンヌを苛立たせた。

 彼らは、ジャンヌが秘密を守れないと思っているのだろうか?

 彼女は辛辣に言った。


「あなたたちが何を結論づけ、何を命じたのか教えてください。私はそれよりもずっと大きな秘密を守ることができます」[1032]


 ジャンヌは座ることを拒み、部屋の中を行ったり来たり歩き回った。


 オルレアンの私生児卿は、ジャンヌに真実を告げて怒らせることを避けるのが賢明だと考えた。彼は誰かを責めることなく、ジャンヌをなだめた。


「ジャンヌ、怒らないで。一度にすべてを話すのは不可能だ。クジノ宰相が言ったことは結論であり、命じられたことだ。しかし、もし向こう側(川の対岸、ラ・ソローニュのイングランド軍)が、サンローランの大要塞と、町の近くに駐屯しているイングランド兵を助けに来る場合は、我々のうち何人かが川を渡って向こう側(レ・オーギュスタンとレ・トゥーレルの兵)にできる限りのことをすると決めた。この決定は、私たちにとって良いことで有益だと考えている」


 それを聞いて、ジャンヌは「満足した」と答え、「それで良いと思う。決定した方法で実行してよろしい」と述べた。[1033]


 この経緯から、軍議の秘密は守られなかった(結局、ジャンヌに伝えられた)ことがわかる。

 そして、貴族たちは決定したことを実行できなかった——、少なくとも決定した「方法」では実行できなかったことも。



 昇天祭の日、ジャンヌは最後となるイングランド宛の和平のメッセージを送った。パスケレル修道士の手で、次の言葉を口述筆記させた。


「フランス王国に権利を持たないイングランドの者たちよ。

 天の王は、私ことジャンヌ・ラ・ピュセルを通じて、

 あなたたちに砦を離れて祖国に戻るよう命じる。

 あなたたちが従わないなら、

 私は人々の記憶に永遠に残るほどの騒ぎを起こすだろう。

 これは、私があなたたちに三度目にして最後に書き送る手紙である。

 私はもう二度とあなたたちに手紙を書くことはない。


 署名:ジーザス・マリア。ジャンヌ・ラ・ピュセル」


 そして、この下には追記がある。


「もっと丁寧にあなたたちに送るべきだった。

 しかし、あなたたちは私の使者ギュイエンヌを拘束している。

 もしあなたたちが私のもとに彼を返してくれるなら、

 サン・ルー砦で捕らえられたイングランド兵を何人か返す。

 彼らは全員死んだわけではない」[1034]


 ジャンヌは、ラ・ベル・クロワ(オルレアンの大橋に設置されたシンボル「美しい十字架」)のところへ行き、矢を取り、手紙を紐で結び付けた。その矢文を、弓兵にイングランド軍に向けて射るように命じる、「読んで! これはメッセージだから」と叫んだ。


 イングランド兵は矢を受け取り、矢文をほどき、手紙を読むと叫んだ。


「これはアルマニャック派の娼婦からのメッセージだ」


 それを聞いて、ジャンヌ目に涙を浮かべて泣き出した。

 しかしその直後、ジャンヌは聖人たちを見た。

 聖人たちは神について語りかけ、ジャンヌは慰められた。


「私は神からメッセージを受け取りました」


 ジャンヌは嬉しそうに言った。[1035]


**


 オルレアンの私生児卿は、みずからジャンヌの使者を返すように要求し、もし返さなければ、イングランド兵が捕虜交換の交渉のために派遣した使者を拘束すると脅した。彼はさらに「捕虜を処刑にする」とまで言ったと伝わっている。


 しかし、ジャンヌの使者アンブルヴィルは帰ってこなかった。[1036]


(※)『上巻・第十二章 オルレアンのラ・ピュセル』完結。

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