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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十二章 オルレアンのラ・ピュセル

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112/151

12.16 軍議と最後通牒(1)

 その夜、宿舎に戻ったジャンヌは従軍司祭に、「明日は昇天節だから甲冑を身に付けず、戦いを控えて祭日を守ろう」と告げた。


 さらに「告解を済ませるまでは、何人たりとも町を離れたり、攻撃したり、突撃することを考えてはならない」と命じ、「罪のせいで、神が兵士たちを敗北させてしまう恐れがあるため、淫らな女が後についていかないように注意しなければならない」と付け加えた。[1026]


 必要とあれば、ジャンヌ自身が、いかがわしい悪女や冒涜者に関する命令が厳守されるよう見張った。ジャンヌは従軍している女性たちを何度も追い払い、むやみに誓いを立てたり冒涜したりする兵士を叱責した。


 ある日、広場である騎士が誓いを立て、神の名をみだりに口にした。

 ジャンヌはそれを聞くと、彼の喉をつかんで叫んだ。


「ああ、騎士さま! 主人である神の名をみだりに口にするなんて、よくもそんなことができますね? 神の名において、私がここから立ち去る前にその言葉を取り消しなさい」


 ちょうどその時、通りを歩いていたある市民の妻がこの光景を目撃した。

 女性の目には、偉大な貴族に見えるこの男は、聖女の叱責を謙虚に受け止めて、悔い改めを表明していた。[1027]



 昇天祭の翌日、隊長たちはローズ通りにあるオルレアン宰相クジノの邸宅で軍議を開いた。[1028]

 クジノ宰相のほか、オルレアンの私生児卿、ゴークール卿、ジル・ド・レ卿、グラヴィル卿、ラ・イル隊長、アンブロワーズ・ド・ロレ卿、その他数人が出席した。


 翌日、包囲軍の主要拠点であるレ・トゥーレルを攻撃することが決定した。


 それまでの間、サン・ローラン・デ・オルジェリルの陣営にいるイングランド軍を牽制する必要があった。


 前日、タルボットは援軍を率いてサン・ローランを出発したが、西から東へと町を大きく回りこむ道のり辿らざるを得なかったため、サン・ルーに間に合わなかった。これによって、敵はロワール川上流の支配権を失ったが、下流は依然として確保していた。


 フランス軍がイル・オ・トワル(中洲)を経由してロワール川を渡るのと同じくらい早く、敵軍もまたサン・ローランとサン・プリヴェ[1029]の間で川を渡ることができる。イングランド軍がル・ポルテローに集結する可能性があった。


 フランス軍はこれを阻止し、可能であれば、レ・オーギュスタンとレ・トゥーレルの守備隊をサン・ローラン・デ・オルジェリル(タルボットがいる陣営・本陣)から引き離さなければならない。


 この目的のため、オルレアン市民とコミューン、つまり村の人々が、マントとたきぎとはしごを使って、サン・ローランの陣営を偽装攻撃を仕掛けることが決定された。


 その間に、貴族たちはイル・オ・トワル(中洲)を経由してロワール川を渡り、イングランド軍が放棄したサン・ジャン・ル・ブランの監視下にあるル・ポルテローに上陸し、レ・オーギュスタン砦を攻撃する。そこを占領したら、レ・トゥーレルの砦を攻撃する。[1030]


 こうして、市民による攻撃と貴族による攻撃を同時におこなう。

 ひとつは本物、もうひとつは偽装攻撃。どちらも有益な戦闘だが、騎士にふさわしく栄光に満ちているのはひとつだけだ。


 計画がこのように練られたとき、一部の隊長が、乙女を呼んで決定事項を伝えるのがよいと考えた。[1031] 実際、前日の戦いで、ジャンヌは非常にうまくやっていたため、もはや彼女を遠ざける必要はなかった。


 だが、別の隊長は、レ・トゥーレルに関して計画されていることを彼女に伝えるのは軽率だと考えた。なぜなら、この計画は秘密にしておくことが重要であり、聖なる乙女が庶民の友人たちにこのことを話すのではないかと懸念されたからである。


 最終的に、ジャンヌは市民たちのリーダーであるため、オルレアンの民兵に関わる決定事項は知らせるべきだが、市民に安全に伝えることができない事柄は伏せておくべきだという結論に達した。


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