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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十二章 オルレアンのラ・ピュセル

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12.6 オルレアン到着1日目

 4月29日の金曜日、暗闇の中、ジャンヌはブルゴーニュ門からオルレアンに入城した。全身に甲冑をまとい、白馬にまたがっていた。[952] 白馬は、神の使者や大天使の乗り物といわれている。[953]


 オルレアンの私生児卿は、ジャンヌを右側に配置した。

 ジャンヌの前には、2人の天使がフルール・ド・リスを持つ絵が描かれた軍旗(standard)と、受胎告知の絵が描かれた小さいペノン旗(pennon)が掲げられていた。


 その後ろに、ブサック元帥、ギー・ド・カイイ、ジャンヌの兄弟ジャンとピエール、ジャン・ド・メス、ベルトラン・ド・プーランジ、ジャン・ドーロン、そしてシェシーでジャンヌを迎えた領主、その他の隊長、兵士、市民たちが続いた。[954]


 オルレアンの人々は、まるで神自身が降りてきたかのように心から喜び、手に手に松明を掲げながらジャンヌの周りに押し寄せた。[955]


 町の人たちは大きな困窮に苦しみ、もう救いは来ないのではないかと恐れていた。

 しかし今、彼らはことごとく勇気づけられ、この乙女に宿る神の力によって、すでに包囲が解かれたように感じていた。


 彼らは愛情と尊敬の念をもってジャンヌを見た。男も女も子供も、聖遺物に触れるかのように、ジャンヌの体と彼女の白馬に触れようとして、互いにひじで突き合い、押し合いながら駆け寄ってきた。


 群衆が殺到しすぎて、松明の火がジャンヌのペノン旗に燃え移った。

 ジャンヌはそれを見ると、馬に拍車をかけて旗に突進し、奇跡を思わせるような見事な手際で火を消し止めた。ジャンヌのすることなすこと全てが驚くべき奇跡だと受け止められた。[956]


 兵士や市民はますます熱狂し、群衆となってジャンヌを追いかけて、サン・クロワ教会までついてきた。ジャンヌはまずそこで感謝を捧げ、その後、宿泊先となるジャック・ブーシェの住居に向かった。[957]


 ジャック・ブーシェと呼ばれていた男は、長年オルレアン公の会計士を務めていた。非常に裕福で、市内で最も影響力のある市民の娘と結婚していた。[958]


 包囲戦が勃発して以来、ずっと町にとどまり、小麦、オーツ麦、ワインを寄付したり、弾薬や武器の購入資金を前払いすることでオルレアン防衛に貢献した。


 城壁の管理は市民に任されていたため、ジャック・ブーシェは彼の住居があり、イングランド軍の攻撃に最もさらされていたルナール門を修理し、防衛の準備を備える義務を負っていた。


 彼の住居は、町で最も立派で大きな邸宅のひとつだった。かつてはルナール門の名前の由来となったルナール家が住んでおり、城壁のすぐ近く、タルムリエ通りにあった。

 艦長たちは、ローズ通りにあるギヨーム・クジノ宰相(Chancellor)の邸宅で会合しないときは、ブーシェの邸宅で軍議を開いた。[959]


 ジャック・ブーシェの住居は、銀食器や物語が描かれたタペストリーで豊かに装飾されていた。部屋のひとつには、3人の女性を描いた絵がかけられ、そこには「正義・平和・団結」という碑文が刻まれていた。[960]


 この家で、ジャンヌは二人の兄弟、彼女を王のもとに連れてきた二人の仲間(ジャン・ド・メスとベルトラン・ド・プーランジ)、そして彼らの従者たちとともに迎えられた。ここでようやくジャンヌは鎧を脱いだ。[961]


 ジャック・ブーシェの妻と娘がジャンヌとともに夜を過ごした。

 ジャンヌは子供のベッドを共有して、一緒に眠った。彼女は9歳で、父の領主であるオルレアンシャルル・ドルレアンにちなんでシャルロットと呼ばれていた。[962]


 当時の習慣では、主人は男性客とベッドを共にし、女主人は女性客とベッドを共にしていた。これは礼儀作法であり、市民だけでなく王もこれを守った。


 子供たちは、寝ている相手に対する振る舞い方について、①ベッドの自分の場所に留まること、②そわそわと落ち着きなく動かないこと、③口を閉じて眠ることを教えられた。[963]


 このようにして、オルレアン公の会計士はジャンヌを自宅に招き入れ、町の費用でもてなした。ジャンヌの馬は、ジャン・ピラスという名の市民によって厩舎に預けられた。


 一方、ジャンヌの兄弟はテヴナン・ヴィルダールの家に宿泊した。

 彼らにかかる費用も、オルレアンの町が全額負担した。他にも、必要な靴やゲートル(膝下や足首を覆う布か革製の脚絆)を提供し、金貨を何枚か与えた。


 ジャンヌの仲間のうち、非常に貧しく、オルレアンまでジャンヌについてきた3人は食料を与えられた。[964]

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