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教皇庁に禁書指定されたジャンヌ・ダルク伝  作者: しんの(C.Clarté)
上巻・第十二章 オルレアンのラ・ピュセル

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12.5 ロワール川を渡る(2)輸送作戦

 ジャンヌは、実の兄弟であるジャンとピエール、小規模な仲間たち、「オルレアンの私生児」卿、ブサック元帥、ラ・イル隊長とともにロワール川を渡り、シェシー(オルレアンから東へ2.5マイルにある町)に到着した。

 そこは当時からすでに立派な都市で、教会がふたつもあり、診療所とハンセン病患者のための施設があった。[943]


 ジャンヌは裕福な市民であるギイ・ド・カイイに迎えられ、彼が所有するルイィ荘園で一晩を過ごした。[944]



 4月29日の朝、シェシーに停泊していた艀船(はしけ。重い貨物を積んで航行する平底の船)はロワール川を渡り、輸送隊に同行していた人たちはブロワから運んできた食料、弾薬、家畜などの物資を積み込んだ。[945]


 ロワール川は増水しており、水位は高かった。[946]

 艀船(はしけ)は左岸近くの航行可能な水路を漂流することができた。

 イル・ドゥー・ブフ(ブフ島。ここでは中洲のこと)に生えているシラカバとヤナギの木が、サン・ルー砦にいるイングランド軍の視界から艀船(はしけ)の航行を目隠ししてくれた。


 その上、艀船(はしけ)が航行しているまさにその瞬間、敵軍は他の場所に気を取られていた。


 町の守備隊は、敵の注意をそらすために小競り合いを仕掛けていた。

 戦闘はやや激しかった。死傷者が出て、双方で捕虜がつかまり、イングランド軍はバナー旗を失った。[947]


 誰もいないサン・ジャン・ル・ブラン砦の見張りの下を、艀船(はしけ)は無防備に通り過ぎた。[948]

 イル・ドゥー・ブフ(中洲)とマルタン小島の間で、艀船は右舷に転じ、再び下ってイル・ドゥー・トワル(中州)の下を、右岸に沿って進み、町の南東の角にあるロワール川に洗われたラ・トゥール・ヌーヴ(ヌーヴ塔)まで辿り着いた。


 その後は、ブルゴーニュ門近くの堀に避難した。[949]



 ジャンヌが滞在するルイィ荘園は、「約束された乙女」を一目見ようと、命を危険にさらしてやってくる市民の行列に一日中包囲されていた。


 ジャンヌがシェシーを出発したのは、同日の夕方6時だった。


 隊長たちは、騒ぎになることを恐れ、また周囲の人だかりが激しくなることを考慮して、ジャンヌがオルレアンの町に入るのが夕暮れ時になるように取り計らった。[950]


 おそらく彼らは、サン・マルク教区とサン・ジャン・ド・ブレイ教区の境界にある、スモワから南へ続く広い谷に沿って進んだのだろう。途中でジャンヌは、同行者に言った。


「何も恐れることはない。あなたたちに危害は及ばないから」[951]


 実際、唯一の危険は歩兵だけで、馬に乗ってさえいれば、騎手が敵に追われて襲撃される危険はほとんどなかった。このころのイングランド軍は、馬が欠乏し切っていた。



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