幼少期 りんご狩り
この世界は一年の地球の日本と同じで、3月から春、6月から夏、9月から秋、12月は冬とここまでも同じだ。
僕は来月になったら3才になる。
2才の頃の誕生日は祝う事は無かったから、もしかしたら誕生日を祝う習慣は無いのかも知れない。
最も前世でも誕生日は小学生の頃ぐらいまで祝う事があったぐらいでそれからは無かったから特に気にしてはいない。
今日は父は仕事が休みで家に居る
実は今日ははじめて外に連れて行ってもらう事になっている。
つい最近まで2年以上も部屋から出れなかったのが嘘みたいだ。
「今日はリタリアとアレックスは初めて外に出るね、
なかなか外に連れて行ってあげらなくてごめんね」
「ううん」
「私も平気よ」
カーマインの言葉にアレックスとリタリアはそう言ったけど、リタリアはちょっと可哀想だ。
「と言っても馬車で一時間ぐらいの距離だからそんなに遠くないよ。
それと私達は平民だから、馬車まで少し歩いて行かないといけないけどね」
そうなんだ…平民だったのか、こんな大きな屋敷に使用人も居るみたいだし、てっきり貴族かと思っていたんだけどちょっと残念だ。
「じゃあそろそろ行こうか、リタリアとアレックスはたまに抱っこするからね」
そして初めて外に出た。
外に出ると庭はやっぱり結構広い、外を歩き少しすると大きな町ぐらい見えて来た。
家はどうも3階建てが多くて、建築物は木造と言う感じのものもあるし、レンガで建てた家の様な物もある。
たまに、家には苔のような物も生えて居たり、
歴史を感じさせる街並みだ、
歩いている人は少ない。
時間にして見ると今は10時ぐらいだろう、外に用が無い人は家の中に居るのだろう。
町の中を歩いて居ると、木造の昔のバス停見たいな物が見えてきた。
「あそこが駅馬車で、1時間ぐらいの間隔で馬車がやってくるんだ、座る場所もあるから座って待ってようか」
しばらくすると馬車がやって来た、
初めて馬車を見る。
「じゃあ乗ろうか」
そして馬車に乗るとしばらくして馬車が歩き出した。
乗り心地はと言うと、ガタゴトガタゴトと振動が響きはするものの、思ったより悪くない。
しばらくすると周りに街並みをみる余裕がでて来た。すると目の前に一際大きな建物が見える。
「パパ、あのたてものなに?」
「あれかい、あれは冒険者ギルドの建物だよ」
「ふーん」
冒険者ギルドがあるのか…
少しだけ興味があるな。
「冒険者は薬草を採取したり、魔物を討伐したり、馬車の護衛とか町の掃除をしたり、イベントのアルバイトをしたり、色々な仕事があるけど、ランクが高いほど危険な仕事して多いんだとか」
「へぇー」
「アレックスはならない方が良いよ、冒険者は仕事中に命を失う事もあるからね」
僕は返事を返さなかった、将来どうなるかわからないし、仕事が無かったら冒険者ってお金になりそうだし、そして何よりちょっと興味があるから。
しばらくしていると街並みから少し外れた様だ。
「今日はりんご狩りに行く事になってるんだ、ただりんごをもぐだけの事なんだけどね。」
「そうなんだ」
りんご狩り…前世でもやった事は無いけど、
みかん狩りとか、いちご狩り、潮干狩りとか言うのもあったなぁ、時間制限式とか採った分だけ料金を払う仕組みだったりとか。
「さて、ここで降りようか」
父は御者にお金を払うと、小さな木がびっしり生えて居る場所に行くと、受け付けだろうか、女の人と話してから小さな木の場所に歩いて行く。
木の上には赤いりんごがなっていた。
木は、大人の人が手の届く場所になっていて、
父はそれをいくつかもいで籠の中に入れて行く。
「アレックスもやって見るかい?」
うなずくと抱えられりんごに手をやって回転させると、簡単にとれた。
30ぐらい居たのだろうか、今日はこれで終わりの様だ。父は籠いっぱいになったりんごを背負う。
「さて、家に帰ろうか」
帰りも特になにも起こらず、帰宅したのだけど、
凄い数のりんごだった。
「これから毎日りんごが食べられるからね」
父はそう言った