乙女ゲー編エンディングifアドニス編
ご無沙汰しております。完結までお付き合い下さった皆様ありがとうございます。
ちょっと出来心で書いてみたので上げてみます。
あくまでもif、パラレルワールドとして読んで下さる方のみお読み下さい。
「事実婚って、こういう事を言うのかなぁ」
ぼそっと呟きながらベッドに腰掛けた。
クーゲルをバッドエンドに叩き落とし、その後私は無事に学園を卒業し騎士となった。今は一個師団を預かる師団長だ。
フリジアとも結婚をした。ただ、世間的には正式な婚姻ではあるが、私達にとっては世間的に私を男とする為の偽装結婚だ。
では、今呟いた事実婚の相手は誰かと言うと……。
「どうかしたのか?リラ」
寝間着姿のアドニスが部屋に入ってきた。
「いや。……世の中わかんないなと思って」
私の言葉にアドニスは首を傾げたが、隣に腰掛けた。
「それは、俺とこうなった事について?」
そう言って腰に手を回して顔を寄せてくる。
「そうだな」
寄せられた顔を手で押し退ける。
顔を退けられたアドニスは笑った。
「傷付くんだけど?」
「そうは見えないけど」
腰に回された手を退けてない理由をコイツもわかっているのだ。
そもそも、やる事やるのは初めてではないのだ。私が誰とでもそういう事をする奴ではない事もわかっているし。くそ。ニヤニヤしやがって。
「正直まだ夢じゃないかと思ってる」
そう言ってアドニスは私を抱き締めた。
そりゃそうか。ライバルは王子達だの実の兄だの公爵家の嫡男だの優良物件ばかりだったもんなぁ。
「じゃあ、目ぇ覚まさせてやろうか」
そう言ってアドニスを引き剥がし、首筋に噛み付いてやった。
「痛ぇっ」
「じゃあ夢じゃないだろ」
そう言って笑ってやると、アドニスの表情が変わった。
「そうだな。夢じゃないな」
そう言って私をベッドに押し倒した。
ヤベェ。雄の顔になってる。
「明日は一応休みだけど、程々にな……」
「煽っといてそれはないだろ」
煽ったときたかー!
クソ。こうなったら少しでもこっちのペースに持ってくしかない。
アドニスの首に手を回す。
「未だに夢だとか馬鹿な事言うからだろ。ずっと隣に居て私の事を疑うのか?」
責める様に言うとアドニスの表情が申し訳なさげになった。ホント此奴は昔から私に甘いな。
「そんなつもりじゃ……」
「じゃあ優しくしてくれよ?」
笑ってそう言うと、アドニスは苦笑した。
「いつまで経っても、関係が変わっても、お前には敵わないよ、リラ」
そう言って私の額に口付ける。
「お前が優しいのも変わらないな、アドニス」
そんな所に惚れたなんて……言ってやった方が良いか。その方がヘタな暴走は抑えられる。
「だからお前に惚れたんだ」
抱き寄せてそう言うと、アドニスは耳元で溜息を吐いた。
「そう言われたら優しくするしかないじゃないか……」
「分かってくれて嬉しいよ」
よしっ!これで無茶はしないだろう。
「これからも末永くよろしく頼むよ。アドニス」
そう耳元で囁くと、アドニスは布団に頭をめり込ませた。
「じゃあ煽るなって……」
可哀想な事をしてるかもしれないなぁ……。
アドニスをちょっと不憫に思いながら、仲睦まじく夜は更けていった……。
あくまでもifですので、ご了承下さい。
カテゴリ恋愛とはいいつつ、恋愛要素無かったなーと思い上げてみました。