第四章:実行
強奪することを決意してから、有沙はそっくりのノートを買って、本物を見た時の記憶と少し書いたメモを頼りに、今まで矢部が書いた人物の名前を偽のノートに書いた。これで少しは時間が稼げるだろうという有沙の予想である。
そして1週間後、再び矢部と一緒に練習が出来る日がやってきた。
予定通り有沙はさりげなく矢部のバックに近づき、矢部が見ていない隙にバックの中を見てみた。
案の定バックの中にはノートがあった。そして有沙はもう一度矢部がこっちを見ていないことを確認してさっと偽のノートとすり替えた。
成功だった。
舞い上がった有沙は部活が終わった後急いで家に帰って、ノートを開いた。しかしここである事に気づいた。当然のことではあるが、自分が書いた内容とほとんど違っていたのである。しかしそれはあくまで時間稼ぎのためであったので、あまり気にしなかった。
一方、矢部も家に帰って、今日もノートに人の名前を書こうとして、ノートを開いてみたら、すぐにそれは偽物だと見抜いた。最初に気づいた時は、ただ呆然としていた。そしてノートの行方を考え始めた。
(恐らくノートはノートの効果を知っている者が奪っていったんだろう。じゃなけりゃこんなご丁寧に偽物なんか置いてかない。でも誰が盗んでいったんだ?朝行くときにはちゃんとあったんだから、恐らく卓球部の中の誰かだろう。明日聞いてみよ。まぁ多分言わないと思うけど。しかしちょっとまずいなぁ。)
結局矢部はあきらめて寝た。
その頃、ある組織が動き始めていた…




