15, 公開訓練日
「キャー!始まったわよ!!」
「みんなイケメンよね!!」
「私は断然ヨハン様派ね!!」
「えー!!副団長のほうが良いじゃないの!!」
公開訓練日、それは月に数回騎士団の訓練場を開け放ち、訓練の様子を一般市民に見てもらおうという企画らしい。何でも昔、本当に訓練してるのかって文句を言った人がいるらしく、ならばいいぞ見せてやろうって売り言葉に買い言葉だったものが今日まで続いているのだとか。
(今は平民女性と騎士さんの出会いの場になりつつあるらしいけど⋯。)
訓練場の端、騎士達を観察している群衆のさらに端、ハーディは隣の女性たちの声を聞いて苦笑した。
(⋯あら?そういえばシャルルさんはどこだろう。というか、魔法訓練をしてるってヨハンさんが言ってた人達が誰も居ない。)
広い訓練場を見渡しても、明らかに人数が少ない。ハーディの店に来てくれる騎士も、ところどころ抜けている人がいるようだ。
(どこなんだろう。)
「うわっ!どいて、どいて、どいてー!!!」
途端、屋根の上から人が落ちてきた。
(このままだとぶつかっちゃう!?)
ハーディは避けるのはもう間に合わないと咄嗟に目を瞑る。その時だった。
「コラ、ヴァン。キミのせいで全員の集中力が乱れた。」
「すみません、団長⋯。」
「まぁ良い。おい、お前ら。もう降りていいぞ。下で別の訓練をする。」
「「はい。」」
黒髪の男が、落ちてくる男の足を持って宙に浮いていた。彼は淡々と周囲に指示を出し、そして地面に降りてくる。
「⋯⋯⋯ぇ?」
「びっくりしただろう?すまな⋯ハーディ、さん?何でこんなところに。」
「あ!!本当にハーディさんだ!!」
「こんちわー!」
シャルルが呆けている後ろで屋根から降りてきた騎士たちが挨拶をして訓練場の中心へ向かっていく。
「あー、えっと⋯、休憩時間に、また、どうぞ?」
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