10, 持ち帰り用のコップがどうにかなるかもです!!
「今日は市場でジュースに向いていそうなフルーツを探そう!!」
そんなことを思いつき、ハーディは今、大通りの市場に居る。
「いらっしゃい、いらっしゃい!!今日も串焼きはここが1番安いわよ!!」
「ここにあるのは隣国タハドから仕入れた西の方の国にある⋯」
人々の楽しげな声が辺りを飛び交う。そんな国に住めている。なんて素晴らしいことだろう。
(そういえば、シャルルさん最近は逃げたって聞かないな⋯。)
2、3回会っただけで彼の全てを知ったわけでは無いが、それでも彼のサボりへの執着をひしひしと感じた。そんなに急にサボりが止むものなのだろうか。
(いいや、そもそも彼ら国の英雄たちと関われただけですごいことなんだよね。)
ウワサに疎い私が、少し通りがかった人に尋ねるだけで山程彼らの武勇伝が出てきた。
サラマンダーを倒した話。魔物の大群が辺境の村を襲った時にそれらをたった数人で撃退した話などなど。
(本当、これまでの態度が不敬過ぎて泣きそう。)
「ちょ、ちょ、ちょ、キミ、避けてー!!」
「え?キャッ!?」
後ろから声をかけられ、振り返ろうとしたら突然何かにぶつかった。ハーディは盛大に尻もちをつく。
「ごめんなさい!大丈夫ですかー?」
「周りを見ていなかったので、すみません。」
茶色髪の男性がハーディの前に手を出した。ハーディはありがたく手を借りて立ちあがる。
「あちゃー。」
「すみません、荷物が転がって⋯。」
「ゴミになる予定だったし大丈夫ですー。」
ハーディはあたりに転がった白くて丸くて薄い何かを拾う。
「あれ?これって。」
「あぁ。これは魔力固めて作るコップのフタです。ずっと卸していた店に突然いらない!!って言われましてー。⋯、明日から仕事どうしよ」
「!!すみません、少しお時間良いですか?」
「?はい?」
ここまで読んでいただきありがとうございます。




