王子の決意
マッギとコーコが今後どうなるかは見守るとして。
王子の件がバレたのは痛かったかな。さあどうする?
仕方なくマッギにすべてを話し協力してもらうことに。
「おおお…… 俺って王子様? 」
限界のマッギ。考えることを放棄したらしい。もうただ白々しい嘘を吐くだけ。
「だからあんたはマッギだって! ただの吟遊詩人。
こちら王子。別に偉くもないけど面倒ごとを抱えてるわね」
改めて王子を紹介する。
「ひえ…… もう何て言うかすごいって言うか言葉がないって言うかよ」
「それだけ言えれば充分です。言葉はあります」
「うるせい! お前が混乱させるんだろうが! 」
自分が悪い癖に人のせいにしようとする。
「済まないマッギ。どうか内密に頼む」
王子が頭を下げる。
「へへい! ありがたきお言葉! 」
マッギはもう付いていく気満々。家来にはちょうどいい?
元々一番弟子だったけどこれは二番弟子に降格かな。
「マッギったら! こんなのただのボンクラだって。下手に出ると付け上るわよ」
「クレーラは本当に言葉が悪いな。ははは! 」
「うん王子? 待てよあんたのとこの親父さん王子に酷い目に遭わされたとか。
爵位も返納して今のこの惨状って話だったが…… 」
そう言えばついマッギに愚痴をこぼしていたっけ。
お婆様がうるさいとかお婆様が怖いとかお婆様が怒ってばっかりとか。
「そうなんだ。私のせいで彼女の父上は追放された。そして没落してしまった」
淡々と事実を述べる恐ろしい王子。自覚あるならどうにかしなさいよ。
「だったらクレーラ! いくら王子様でもそれはないだろ? 」
「まあいろいろあるのよ大人にはね」
「そうか可哀想にって。お前の方がガキだろうが! 」
そう言えばマッギってだいぶ年なのよね。どおりで老けて見えるはずだ。
「そうだな。そろそろ動くとしようか」
王子は陰謀を食い止めようとついに宮殿に戻る決意をする。
「頑張ってください王子。応援してます」
これ以上巻き込まれては堪らない。
「おいおい今さっき協力すると言ったろ? 」
「それはマッギだけね。私はまだ何も。
もちろん邪魔する気はありませんのでご自由に」
突き放す。一週間を切った。もう屋敷を去らなければならない。
その準備もあるしやはり噂の爵位をまだもらってないですから。
だから最後の最後まで足搔きたい。今はその気持ちが強い。
「よし協力してくれたら褒美をやろう」
「へへい! ありがたき幸せ! 」
「だからお前ではない。クレーラ頼むよ」
「ちなみに褒美って何でしょうか王子様? 」
マッギは喰らいつく。
「好きなものをやる。屋敷も土地も地位も名誉も爵位も」
大盤振る舞いの王子。
「言いましたね? ですがこちらにも条件があります」
「言ってみよ」
「一週間以内に爵位の回復をお願いします」
「それは…… 」
「はっきり言ってそれが一番こちらとしてはありがたいんです」
「よし分かった。ではその条件呑むとしよう」
こうして王子との約束を交わす。
証人はマッギなので心もとないがまあいいか。コーコもいるしね。
「ちょっとちょっと! 俺のこと忘れてないか? 」
こうして四人は本当の仲間になった。
マッギと別れ再び歩き出す。
「それでお前は爵位を回復したら何がしたい? 」
まっすぐ見つめる王子。まったく格好つけてもう。
「それはもちろん異国の王子と結ばれたらなと」
「別に王子でなくてもよくはないか? 」
「安泰ですからね。できれば第三王子ぐらいがいいかな。争いがなさそうで」
「呑気だなお前は。だが争いがないことなどありえないぞ」
王子からの言葉は重い。その内情を知る者の発言だから。
暗に否定いるようだけどその真意は? まさか王子は……
「はいはい。心得ております王子」
「別に異国の王子でなくてもいいのではないか? 」
「ハイもう一度? 」
「だから…… いやいい。さあ戻るぞ」
「もう変な王子。格好つけても変装してもらいますからね」
再びプレゼーヌになってもらう。
あーあやっぱりマッギに押し付ければ良かったかな。
恐れ多いとかまったくいい加減なんだから。
こんな王子にとっては危険なところへ行かせていいの?
こうして王子との同居生活を継続することに。
続く




