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異世界で自由な子育てを夢見れるか  作者: tinalight


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9-40.後始末(3)

 教団の治療施設を後にして財務状況を調べることになりそう。

 リサと念話で会話をしながら、皆と一緒に教団の財務状況を調べに来たよ。

 結論から言えば、資料も財産も無かったね。


 表の帳簿と裏の帳簿があって、それを元に隠し財産を明るみにして、表帳簿との整合をとって、改善をするための資金調達とか考えていたのだけれど、表の帳簿も裏の資産も全部記録が無かった。

 半分以上が物々交換で、凡その授受が記録されていたよ。残り半分の内、物々交換後に換金されて、貨幣でないと購入できない物についてはいつ換金していつ頃必要な資材を購入したのか記録が残っていた。


 治療に係る寄進や、一般的な気持ちとしての奉納の類は倉庫に納められていて、その倉庫管理がずさん過ぎて、在庫状況が分からない。倉庫の中身も仕入れた原料なのか寄付されたものなのかも区別も整理もされていないから、「全部捨てるか売却して綺麗にする!」なんて手もとれない。


 厄介なのは直接金銭の授受が行われた場合の記録が無いことだね。少しぐらいは金銭が寄付されたり、換金性が高い現物を奉納されたりしているはずだけれど、その記録が見当たらない。そして何故かそも現物も見当たらない。倉庫は穀物とかの消耗品、祭事用の資機材だけで、鉱石、インゴット、金貨、宝石、魔石の類が一切見当たらなかった。


 だったら、飛竜の研究資金だとか、賭け事ギルドからの収益はどこに行っちゃっているかというと、記録も現物も無いのだから、確認のしようがない……。


 ちょっとこのままじゃらちかないので、スチュワートさんからつついて貰うことにしたよ。「賭け事ギルドからの上納金、鳥の飼育施設の研究費の出所に関して、受け手側での帳簿が無いか」って。


 即答で回答が得られたのは、「鳥の飼育施設は王国から資金を出している。人員は教団が手配しているので、その人件費などの出所は不明」ということと、「賭け事ギルドからの上納金は毎月教団の僧兵が回収にきている。僧兵の施設に行ってみないと分からない」って話だった。


 ってことは、飛竜の研究に関してはお金はでていくけれどのその資金は王国で捻出しているなら教団のお金の使い道では無いってことだよね。治療院の経営も現物の授受と奉納された物を換金しての経費工面であれば、多くの余剰資金はどこかに隠れているってことだよ。


 ふぅ……。

 フウマとシズクさんの出番かな?


<<フウマ、今、念話を通しても良い?>>

<<姉さん、なんだい?荷物運びで忙しいんだけど>>


<<ええと、ごめん。シズクさんに念話を通した方が良い?>>

<<シズクも一緒に荷物運びだよ。子供は宿に置いて世話してもらっている>>


<<ええと、ええと……。教団の裏金の在り処なんだけど……>>

<<今まさにその作業中だよ。教団の騎士団っていうのか?訓練施設の倉庫に隠されて保管されていた裏金と思わしき金貨や宝石、換金性の高い鉱物を運び出しているんだ>>


<<その作業って、どんな感じ?>>

<<ステラ様から僕とシズクの分の『不思議なカバン』を貰ったので、それに詰めている。鞄の入り口に入らない物はここに残す。入れられる物はリストに記載しながら詰め込んでいる>>


<<いつ終わりそう?>>

<<倉庫3つ分。昨日までに2個半を完了。今最後の1つの倉庫。作業できる時間が限らているから時間が掛かるんだよ。まさか、この倉庫の視察でもする気かい?>>


<<簡単に言えばそうなの。

 教団の財務状況を調べたけれど、金貨や換金性の高い物が一切見つからず、ほとんどが物々交換か、物を換金して経営している様子しか確認できなかったの。だから賭け事ギルドが直接上納している僧兵の施設をこれから調査しに行くことになったよ>>


<<今日はまだ時間があったんじゃないのかい?治療施設を見学したり、調査とか……>>


<<運営の立て直しにお金が必要なんだけど、お金が無いから探してる感じかな>>

<<さっきも言ったけど、相当回収が進んでいる。残りは少し。

 回収できない分を残して、運営資金に充てて貰えば良いんじゃないかな?>>


<<そうしよっか。人が盗みに入った痕跡をなるべく消して、そこから退去しておいて貰える>>

<<わかった。こっちは上手く片付けて脱出する。資金や運営は姉さんが考えてよ>>


<<フウマありがとうね。シズクさんにもよろしく。

 これが片付いたらみんなでパーティーでもしようって伝えておいて>>


 ふむ……。

 とりあえずは、悪いことして手に入れたお金は飛竜族とかドワーフ族に返さないとね。サンマール王国からの教団への借金はこれを機に踏み倒してしまうとして……。魔族の治療院の初期投資はフウマが残してくれたものを魔族の王族に購入して精算して貰うことにしようっと。


 本来は僧兵の訓練士施設に部外者の立ち入りは禁止なんだけれど、流石に教団幹部が拘束されたり、国王自らが訪問されたとあっては、見学や調査を許すしかない。裏金を隠している様な帳簿は当然見つからないし、フウマとシズクさんが持ち出ししている隠し倉庫も見つからない。

 フウマには隠し通路とか、扉の位置とかを念話で聞いているから、どこをどう行けば倉庫に辿り着けるかは分かっているけれど、それをこの場でいきなり都合よく発見しちゃうのは不味いね……。


 さて、どうやってヒントを出して視察をしている国王たちに見つけて貰うかだけど……。ステラ経由でカサマドさんに念話を通して貰って、王族サイドで発見して貰おうかな。それであれば、見つかった資産も私達が手を付けていたってことには至らないだろうし、王族が資金を回収して自由に配分して貰えるしね。


 この後、上手くヒントを出して誘導して調査している人たちの手柄で教団の隠し資金を発見できた。個人資産として隠して無かった辺りはラッキーなんだけど、裏金として蓄えられた資金としてはちょっと不足している感じなんだけど、裏帳簿も無いし捕らえた教団幹部に拷問を仕掛けても無い物は出てこないから、ここが良い落としどころなんじゃないかな?


 隠し倉庫を発見した段階で、直ぐに国王の騎士団員に収蔵品を全て運び出す様に指示をだして、その動きが確認出来てから教団施設を後にすることにした。


ーーー


 二日目の視察を終えて、また初日の謁見の場に戻ってきて皆で夕食を取ることになった。


「ステラ様、アリア殿、そして関係者の皆さん、条約の締結に向けての協力に感謝する。ここ3日間で私も色々なことを知る機会を得た。出来得ることならば、今回の賭け事の精算と一時的な訪問に留めず、今後とも種族間の交流をお願いしたい」


 って、ディアブロ陛下から会食前の挨拶があったよ。

 まぁ、こちらとしても、人族の国境の話もあるし、飛竜族の卵の孵卵装置の話もあるし、鳥の飼育ノウハウも必要だし、治療施設の立ち上げも支援しなくちゃいけない。

 その他にも魔族の国が持つ特有の文化や知識も知っておきたいし、ユグドラシルの樹への登頂の資材なんかは魔族の国が一番近いから色々と買い出しする拠点としても今後使わせてもらう可能性が高いしね。


 この辺りは、これまでの一連の流れを包括に捕らえているのでスチュワートさんやリチャードに挨拶と定期的な人材交流について、前向きに話を進める様な流れを作って貰った。


 よしよし!

 これで大体の話は片付いたんじゃないかな?

 帰りの船を偽装して、空飛ぶ船で一旦みんなでサンマール王国の拠点まで帰ろうっと。 妖精の長達もニーニャも待ってるからね。


 さ、これで南の大陸でのハネムーンに戻れるよね。

いつもお読みいただきありがとうございます。

未完で終わらせないように続けたいと思います。

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