第9話 【赤き翼竜】
パン屋の仕事が全く分からないので時間をとばします。すいません
「おはよう、ジン」
「おはよう、フレン」
今や日常となった挨拶から新しい1日が始まる。
この世界に来てから約半年が経った。
フレンはもちろん、街に住んでいる人とも馴染んできた。
どんな人も
「あのフレンが、、、随分と成長したねぇ...」
的なことを言っていたので、最近フレンの子供の頃が気になってきた。
「朝食作るから、待っててね」
「うん、わかった」
生活にも大分慣れてきた。
朝食はフレンが作る事になっている。
昼食時はいつもパン屋にいるのでパンを、
夕食は味はともかく僕が作っている。
「大変だ〜!!モンスターの大群がこの街に向かってきているぞ〜〜!!」
突然、外から声が聞こえてきた。
この平和な街にモンスターが攻めてくるなんて事、ほとんどなかったとアーヴェンさんから聞いた。
「なんだって!?ジン!!ちょっと行ってみよう!」
「う、うん。わかった!!」
僕たちは、街の外の草原ーエメラルド草原ーに急いで向かった。
走っていると、いつのまにか後ろにいたアーヴェンさんが話しかけてきた。
「あっ、ジン君とフレンじゃないか!?君も噂を聞いたのかい?」
「はい、まさかこの街にモンスターが攻めてくるなんて...」
「ほんとですよーーー!!大正義ホルンちゃんがモンスターどもに制裁をしてやります!!」
「ホ、ホルンさんまで...」
「全く、こんな時までお前は何を言ってるんだ...
取り敢えず様子を見に行くだけだと言っただろう」
鎧をカチャカチャ鳴らしながら走るアーヴェンさんに説得力は全くない
「だけどアーヴェンさんも装備バッチリじゃあないですか」
「そ、それはだな...」
言葉を詰まらせた
「もし、あまりにも接近していた時のため、ですよね!わかってますよ」
フレンが一応フォローしてくれた
「まあ、そんなところだ。ジン君がいるのなら必要なさそうだがな!」
【能力】のことを言っているのだろうか?
生活で使うこと(フライパンの熱を伝えるスピードを早くしたり等)はあったが、戦闘で使ったことはない。
そもそも、モンスターと対峙したこと自体が転生初日しかないのだ。
「すいません、実は【疾風】、戦闘で試した事ないんですよ!!」
「そうか、まあどっちにしろその【ステータス】があれば大丈夫だろう!」
そういえばステータスも高水準なんだった
「だけど、転生前の影響で『殴る事』だけは絶対にしたくないんです!!
『斬ること』とかなら仕方ないと割り切れるんですけど...」
なんにせよ暴力は嫌いだ。だから今まで戦闘で試したことがなかったのだ。
「うーん、ならわたしの背中の剣を使うと良い」
「すいません、ありがとうございます」
「ちょっと!ホルンちゃんがいるからジンさんがいなくたって平気ですよーーーーーー!!」
「お前はバフでもかけてろ!!」
ホルンさんに厳しい
「ギルド長、私にだけ厳しくないですかーー!?」
「ほ、ほら、ホルンさんは切り札として敵に見せたくないんだよ...」
さっきからフレンがフォローにまわっている
「大した知能も持たないモンスターにですか?
全然フォローになってませんよ〜...」
そこをついてくるか。
とにかくうるさいけど、馬鹿ってわけでもないのは
半年過ごしてなんとなく分かってきた
「うん、あれがモンスターの大群か?結構近いな...それに、この辺りのモンスターじゃない...」
「今ここでやらないと、街に被害が及ばそうですね」
「そうだな。この4人でかたをつけるぞ!!って、先頭にいるのはッ!!!」
「あれは、Aランクモンスター、【レッドドラゴン】!!」
「なんでことだ!!でも応援を呼ぶ余裕もない...
やるしかないぞ!!準備はいいか!」
「すいません、装備なんてしてないんですけど...」
そういえばそうだった!!
「そうか、ならフレンは後ろで【回復】にまわっていてくれ!ジン君はステータスがあるから大丈夫だ!!」
【回復】
これがフレンの能力
傷を癒すことができる能力で、かなりありふれたものだ。
だが、【能力スキル】の最高ランクがSに対し、
フレンはBランクスキルまで扱えるらしい。
Sランクを使えるのは人間離れしていると言われているので、十分な逸材だ。
スキルランクは、自身の性格によっても変わると聞いた。
フレンの優しさが、この能力のもとなんだろう
「ジン、ほら、剣だ。SPD以外のステータスは私の方が上だが、君ならそもそも攻撃をかわせるし、スピードによって攻撃の威力が上がる。
この中では一番強い。危険だが、前を頼んだぞ!」
「そこまで言われたらやるしかないですね、
さあもう少しで戦闘開始ですよ!!」
「さっきも言ったがホルンは後ろでバフかけだ!
ジンにATK増加とSPD増加のバフを頼む!」
ホルンさんの能力は【応援】
バフをかけることができる。
能力ランクはこれまたB。
ちなみに、Eだと自分にしかバフがかからないらしい。
ホルンさんの人をなんだかんだ元気付ける性格が
影響しているのだろう。
「納得いかないけど、【能力】がバフかけだし仕方ないですね!!わかりました!!」
そういえば、アーヴェンさんの【能力】ってなんだろう。
一度フレンとホルンさんに聞いたが
「教えてくれないんだよね」「知りません!!」
と言われた。
フレンにも言ってないから僕が聞いても仕方ないと思ってその時は聞かなかった
「私は周りのモンスターを倒すから、【レッドドラゴン】は頼んだぞ!ジン!」
とりあえず、今は敵に集中だ
「は、はい!!」
「ジン、もし攻撃が当たったらすぐに回復するからね!」
「うん、よろしく頼むよ!」
ついに、モンスター群と対峙・・・
「行くぞ!みんな!」
「おーーーーー!!」




