……だれ?2
そのに。です。
何故にそこで興味津々??
リィナは目の前の見知らぬ青年を無言のまま疑問符を浮かべた顔でじっと見つめた。
その顔はなんだ、と不機嫌になるならともかく、その逆というのはおかしい。
一応リィナにも失礼だという自覚は、あった。
が咄嗟に反応してしまったものは仕方ない、とも思っている。
だがしかし。
だがしかし。
おかしくない?
リィナは小さく傾げていた首を更にもう少し傾げた。
その様子に、青年は盛大に笑い出した。
「あはは。顔に全部でてるぞっ…ははっ。奴等が気に入ったのはこれか?!」
「……奴等?」
青年の言葉にフォルテが反応して問いかけた。
青年は、その問いに笑いを収め、数秒じっとリィナを見つめた後、おもむろに口を開いた。
「シーリン」
「えっ…」
思いがけない言葉に咄嗟に反応が出来ず、呆けた顔を青年に向ける。
いま、なんて…?
呆然としたリィナの様子に、青年はいぶかしそうに眉をしかめた。
「もしかして聞いてないのか?」
「な、にを?」
リィナを推し量るような視線を向けながら、青年は慎重に口を開いた。
「お前の『兄』はシーリンを消し去る事が可能なのは知ってるか?」
「消し…?攻撃が可能なのは知ってるけど、存在を消し去る!?」
「…なるほど」
リィナの血の気が失せた顔と、驚きの様子に、青年は小さく鼻を鳴らしながら呟いた。
「何にも話してないのかよ。ったく。なに考えてんだぁ?」
つか俺が説明すんのかよ?
頭をガリガリ掻きながら青年は面倒くさそうに、独白した。
「説明」
その言葉に素早く反応したフォルテは、無表情に青年を見据えながら、説明を催促した。
それに青年は煩わしそうに口を歪めると、諦めたようにため息を一つついた。
「ある程度知ってんならともかく、そうじゃないのは面倒くさいんだがな」
そう前置きした青年は、至極真面目な顔でおもむろに語り出した。