ハロウィン!ト-ナメント2
「さて、始めるか?水無月」
「…お手柔らかに」
「…無理な相談だ」
ズォォォオオォォオ
白刃之から、凄まじい殺気が放たれる
「!!」
「う…おぉ!?」
秋雨達や観客席の人々も圧倒される
「コレ…、水無月先輩、やばくねぇか?」
「…やばいだろうな」
「さぁ、実力差が解っただろう?」
「諦めて、降参しろ」
「…そうは行きません!!」
諦めない水無月
「…!!」
その姿に、眉を動かす白刃之
「…似てるな」
「あきらめの悪いあのバカ兄弟に…」
「え?」
「こっちの話だ」
「手加減はしないぞ」
「望むところです!!」
水無月が喉に手を当てる
そして、水無月から、可憐な声が流れ出す
「…お前の能力だったな」
「体内の水を振動させる事によって、通常より美しい声を出し、自分以外の生命体に悪影響を及ぼす技…」
「「綺麗な花には棘がある」…か」
そう言いながらも、一切、表情を変化させない白刃之
「あ、頭が割れる…!!」
「い、痛い…!!」
竜山達や観客席から悲鳴が溢れ出す
「あ、秋雨…!!」
「大丈夫か!?竜山!!」
「お、お前は何ともないのか…!?」
「あ、ああ!何ともない…」
「骸瀧さんも何ともないみたいだし…」
観客席で平然と立っている骸瀧
「この痛みも…!水無月ちゃんの物!!」
「…いや、あの人は別の意味で危ない」
「…そうだな」
「…」
水無月が歌うのをやめる
「どうした?まだ、俺は何ともないぞ」
「これ以上は、会場の皆が危険だから」
「…そうか?この程度でくたばる奴は、所詮、その程度と言うことだろう」
「気にしなくて良い」
「…!!」
「まぁ、幾ら続けても俺に効果は無いがな」
「…でしょうね」
「エネルギ-を相殺され続けてる…」
「何だ?解っていたのか」
「校長やガルス達もそうだが、エネルギ-を相殺することによって、大抵の能力は防げる」
「それが、お前の能力の弱点だ」
「…ッ!!」
しかし、そうは言いながらも、浮かない顔の白刃之
「…腑に落ちないのは、あの小僧だな」
秋雨を見る白刃之
白刃之は、考えていた
(それほどの使い手ではなさそうだが、何故、水無月の攻撃を防げたんだ…?)
「まぁ、良いか」
「どうする?これ以上は無駄だろう」
「降参するんだな」
「くぅ…!!」
「…3秒以内に決めろ」
「…」
「3、2、1」
「諦めない!!」
「そうか」
「…死んでも知らんぞ」
「爆水気炎」
ガァァァァアアアン!!
会場が爆炎に包まれる
「…能力は使うべきではなかったか」
「調子に乗りすぎだな…、俺も」
「その通りですよ、白刃之さん」
「!!」
秋雨が水無月の前に立って居る
完全に瓦礫と化した広場が、秋雨の周りだけ、そのままの姿で残っている
「…坊主、久しぶりだな」
「お久しぶりです」
「あ、秋雨君!!」
「大丈夫ですか?水無月さん」
「…う、うん」
「白刃之さん!!」
「何だ?」
「この能力、何かは知りませんけど、危険な物ですよね?」
「見れば解るだろう」
「それを、同じ学園の仲間に使ったんですか!?」
「…仲間も何も、俺達は駒だ」
「使い捨て商品なんだよ」
「第一、このト-ナメントは、能力使用可能の勝負だろうが」
「…納得いきません!!」
「…坊主、世の中、そう言う物だ」
「理解しろ」
「諦めが悪いんです!!」
「じゃぁ、コレから諦めるんだな」
白刃之が秋雨の顔の前に、掌を広げる
「…失せろ」
「破火水気」
バァァン!!
先刻よりは小規模だが、人間の頭を吹き飛ばすには十分の爆発が起こる
「秋雨!!」
叫ぶ竜山
シュゥウゥゥウ…
「…生意気な坊主だな」
「…秋雨君!!」
無傷の秋雨
目は閉じておらず、真っ直ぐに白刃之を見ている
「その目…」
目を大きく広げる白刃之
「…柳舞」
「…え?」
困惑する秋雨と水無月
「…そうか、お前は特殊の能力者だったな」
「ちょっと!秋雨君!!」
メイスが秋雨の肩に手を置く
「ダメよ!勝負の邪魔しちゃ…」
「黙れ、女」
白刃之がメイスを睨む
「は、は-い…」
「坊主、1つ聞いておきたい」
「…何ですか?」
「お前、兄弟は居るか?」
「いいえ、居ませんけど…」
「そうか、だったら、良いんだ」
「おい!審判!!」
「は、はい!?」
「棄権だ!この勝負、水無月の勝ちで良い」
「え…!?」
「…俺は帰る」
そう言い残し、白刃之は去っていった
「え、え-っと!白刃之選手が棄権したので、水無月選手の勝利です!!」
「…」
静まりかえる会場
「よっしゃぁぁぁぁ!!」
手を取り合って、喜びは跳ねる骸瀧とガルス
「水無月ちゃんが勝ったぁぁ!!」
「大儲けだぁぁ!!」
「よ、よっひゃ~」
ボロボロの金田も喜んでいる
「…勝っちゃった」
「よ、良かったじゃないですか!水無月さん!!」
「う、うん…」
「相手の棄権だけどね…」
「あ、秋雨君もありがと…」
「はい!」
微笑み合う2人であった…
体育館、通行路
「どうしたんですか?会長」
「…鏡燕か」
「アナタが降参なんて、ガラでもない」
「…あの目」
「目?」
「柳舞の目に似ていた…」
「…会長」
「…俺も、まだ切り捨てられないで居るんだな」
「過去を」
「…まぁ、寮に行って休んでいてください!!」
「…そうだな」
そう言って、鏡燕は戦闘訓練専用広場に走っていった
「…鬼怒」
「お前はどうなんだ?」
「過去を…」
「過去を切り捨てたのか?」
小さく呟く白刃之であった…
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