仲間の信念
秋雨の不在から、1日が経っていた
コンコンッ
ドアが軽くノックされる
「失礼」
「竜山君、GLちゃん、喫茶店に来てくれるかな?」
訪ねてきたのは、イトウさんだった
「…はい」
喫茶店
「遅いぞ」
そこには、包帯がグルグル巻きのメタルが居た
「奥に来い」
「…何ですか?」
「知ってるか?」
「俺達がバカンスに行ってた間に…」
「本部が襲撃にあったらしい」
「偶然だろうが、方角も一緒だ」
「犯人は、誰だろうな?」
明らかに、犯人は目の前にいる
「とにかく、それが原因で、本部は疲弊しきってるらしい」
「見張りも、半分に減らすほどにな」
「セキュリティも、イトウさんが簡単に破れる」
「孤島へのル-トは、生徒会の刃影が把握してる」
「だが、生きて帰れるかどうかは解らない」
「…どうする?」
「行きます!!」
「よく言った!!」
「俺達は、バカンス先で、カニに挟まれたから、このザマだ」
「お前達だけで行け」
「…何をするかは、解ってるな?」
「はい!!」
「じゃぁな」
「俺は寝る!!」
そう言うと、メタルは部屋に入って行ってしまった
「…竜山君、GLちゃん」
「何ですか?金田さん」
「俺達が本部を急襲したのは、解るでしょ?」
「…はい」
「何で、あのメタルが、君達に協力したか知ってるかい?」
「いえ…」
「昔、俺が敵に捕まったんだ」
「アイツは仲間を失う悲しみを、誰より知ってる」
「オキナ達も協力してくれた」
「…だから、6人ですか」
「その通り」
「彼らも、似たような事が有ってね」
「すぐに、協力してくれたよ」
「…君達は、会長や、副会長、生徒会の皆に感謝するんだ」
「長期休暇中は、何をしようと、自由だからね」
「それで…」
「あんな酷いことを言ったのは、本部の監視カメラが有ったからだ」
「校長室にもね」
「君達の行動は、校長が偽造してくれるはずだ」
「ここには、監視カメラは無いから、安心して良いよ」
「…最後に聞いて良いかい?」
「秋雨君は、君達にとって何だい?」
「仲間!!」
「それで良い」
「火衣良ちゃんは、ココにしばらく泊まって貰うから、心配しなくて良い」
「…行ってらっしゃい」
「行ってきます!!」
学園外 港
「遅い」
「刃影先輩!!」
「行くぞ」
「船の運転なんて、出来るんですか?」
「この世に、技術を持ちすぎて困る、なんて事はない」
「そうですね…」
「島に着いたら、俺は学園に戻る」
「お前達は行け」
「…はい!」
「秋雨の事なんて、知ったことではない」
「しかし、金を貰った以上、確実にやり遂げる」
「お前達も、しくじるな」
「解ってます」
「行くぞ」
ブォォォォ!!
「…1つ、聞いておきたい」
「そこまで、何がお前達を動かす?」
「金が貰えるわけじゃないだろう」
「仲間なんて、俺は何人も見捨ててきた」
「お前達の行動理由が分からん」
「私は、約束したから」
「俺は…」
「信念です」
「…理解に苦しむな」
「信念なんざ、俺は、とうの昔に捨てたがな」
「約束なんて、契約にしか過ぎん」
「その程度の理由か」
「…だが、嫌いってワケじゃない」
「確実に、あのバカを連れ戻せ」
「解ったな?」
「はい!!」
「そろそろ、孤島の周辺だ」
「島に着いたら、裏ル-トから、内部に潜入しろ」
「そこからは、秋雨の居る所を探し出せ」
「で、連れ戻せ」
「何をしてでも連れ戻せよ」
「こっちの依頼がパァになる」
「解ってます」
「着くぞ」
ブォォォォンン…
島に到着した
「待ってろ!秋雨!!」
竜山 虎雨真
GL
本部突入開始
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