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詩全集4

“When Salvation Has Expired”

作者: 那須茄子

ひび割れた声が

まだ笑っている

忘れ去られ

壊れた時計みたいに

同じ場所を指し示したまま

動くふりだけを続けていた



街の明滅が僕の体を千切っては投げ

心の隙間に勝手に住み着く

名前のない痛みだけがやけに雄弁で

ずっと引っかき回していた


「救いなんて、とうに失効してるよ」

壁に映る僕が僕じゃない声で言う

その声は夜の湿度に溶けて

黒い雨粒となって瞼の裏で踊り続ける

思考の端で影が跋扈する

気づけば心の家具は全部勝手に配置換えされ

逃げ場のない部屋がやけに広く感じられた


優しいふりをして僕を抱きしめる

都合のいい大人たちは

どこか冷たくて

触れた瞬間に

脳みそがちりちりする



僕はまだ息をしている理由を探していた途中

触れられない明日を睨みつけながら

今日の影をそっと踏みつけてみる


それでも付いてくる嘲笑は

僕の足元にまとわりつく

「まだ終わらないよ」と

どこか楽しげに囁いたまた別の笑み愉悦


遠くで誰かの靴音が消えていく

その音がやけに生温かくて

僕は思わず手を伸ばした

届かないと知りながら

それでも伸ばさずにはいられなかった


また一段階沈み込む

世界は静かに僕の輪郭を飲み込み

憎しみを愛だと教えてくる

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