第三十七話
数日後。隼人を迎えにいくために真心の運転で花屋に向かう。
「ごめんな。せっかく休みだったのに。」
「いいの。隼人くんにもあってみたかったし。それに寛の運転で他の人を乗せるのは不安で仕方ないから。」
「返す言葉もありません。」
花屋に着くと隼人と隼人の母親があっていた。
「すいません。お待たせしました。」
「いいえ。うちの子のわがままを聞いてくださりありがとうございます。」
「自分は何もしてませんよ。でも、これから会いに行く人間には詳しいことは話していないので隼人がどれだけ本気なのか証明する必要があります。もし、許可が出た場合お母さんに少しだけ相談したいことがあったのでお呼びしました。わざわざご足労ありがとうございます。」
「ほら早くしないと、ルイに伝えた時間に遅れるよ。」
車の中から真心が話しかけてくる。
「では、どうぞお乗りください。隼人もほら。」
隼人は少し緊張しているような面持ちだった。
車内では珍しく真心から会話がスタートした。
「はじめまして。佐々木真心と言います。一応、名刺を。」
真心は自分の胸ポケットから名刺を出し隼人のお母さんに渡した。
「別に取引先ではないんだからいいだろ。かしこまった挨拶は。」
「必要なことです。まずは自分の身分を示さないと。」
2人とも苦笑いをしていたが、隼人の表情はかなり暗かった。
「隼人。そんなに緊張しなくて大丈夫だぞ。これから会いに行くのは俺の弟だから。義理のな。」
車を走らせること20分。会社についた。休日なので誰も出勤はしていない。真心が鍵を開け、中にはいる。そして2人を会議室に通す。
「では、ルイのこと読んでくるので真心は何か飲むものをお願い。」
「了解。」
自分は会社内にある自分の部屋に向かった。
「ルイ。お客さん来たから、着替えてるよな。」
「まあ一応。それなりの格好はしていると思うよ。」
「よし。なら行くか。」
会議室にルイを連れていく。真心はまだ来ていないらしい。
「はじめまして。佐々木ルイといいます。」
2人は立ち上がりそれぞれ自己紹介する。
「自己紹介はここまでにして、本題に入ろうか?隼人自分から説明して。」
「兄さん、人がいるとあまり話せないかもしれないから2人っきりにしてくれないかな?」
「わかった。お母さんでは少しうちの服でもみませんか?何か気に入ったものがあればプレゼントします。」
「いいえ結構です。」
「そんなこと言わずにさあさあ。」
隼人の母親が部屋から出る。続いて自分も。途中で真心とあったが会議室に入れないので一緒に隼人の母親の服選びを手伝ってもらった。
なんやかんやで1時間はたった。随分と長いこと2人で話しているな。気になった自分は会議室をこっそり覗くと、2人は仲良く話しているようだった。
「兄さん、見えてるから。隠れきれてないよ。」
「そうかばれちゃったか。2人はまだ服見てるから、ルイどうするか決めたか?」
「ああ。受けるよこの仕事。兄さんより自分の方が適任ぽいし。」
「よし。決まりだな。これから隼人のことよろしくな、ルイ。」
「任せて。こいつのこと医者にでも教師にでもなれるようにしてやるからさ。」
詳しくは知らない。多分だがさくらのお願いだろう。
「じゃあ。2人のこと呼んでくるから。」
会議室を抜け2人呼びに行く。やけに盛り上がっていて、結局隼人の母親は3着の服をもらっていくみたいだ。
再び5人で会議室に集まる。
「ルイの了承も得られました。じゃあ週末に隼人はここにくるようにな。で、お願いしたいと言うことなんですけど。長期休みの間隼人に手伝ってもらいたくて。よろしいでしょうか?」
「隼人くんはこの条件飲んでくれました。長期休みの忙しい時に人手が増えるのは正直こちらとしても嬉しいのでよろしくお願いします。」
「そうですね。隼人がいいと言うなら。わかりました。こちらこそよろしくお願いします。」
「ありがとうございます。」
こうして隼人がうちの手伝いをしてくれることになった。




