012シリアス展開いきまーす。
どうも、クロジャです。
まずは8時に投稿できず、すいません。
今度から土日は時間指定をしないで、出来たらあげていくようにします。
では、どうぞ。
目を閉じると、色々なことが思い出されていく。
そんなに前のことまでは思い出せないけど、それでも目を閉じた方が、より深く、より鮮明に、昔の出来事を思い出せる。
小学生の頃。もう十年以上も前になる、私の思い出。
中学生の頃。もう五年以上も前になる、私の思い出。
高校生の頃。もう二年以上も前になる、私の思い出。
これら全ての思い出には、全部寿がいた。
寿。私の初めての友達で、初めての親友。ずーっと一緒で、いま現在も一緒。お互いに意識している訳じゃないけど、なぜだか離れられない。腐れ縁という物でくくられるものじゃない。それ以上に、何か運命的な繋がりを感じていた。
私も寿も性別的なことは気にしていない。寿は寿だし、私は私。それ以上でも、それ以下でもない。だからと言って、前にも言ったように友達、親友以上な関係になりたいか?って言われても、私は"いいえ"と答える。
下手をすれば、家族以上に会っていたし、仲が良かった。そのせいか、仲が良すぎて、私は寿に対して家族愛みたいな感情は抱いても、恋愛感情の用な物は抱けなかった。家族に手を出しているようで、なんだか嫌だった。
寿がどう思っているかは分からない。
もしかしたら、私のことが本当は大嫌いなのかもしれない。
もしかしたら、私と友達、親友以上な関係になりたいのかもしれない。
でも、私はそれを尋ねることが出来なかった。もし、大嫌いと言われたら。私は倒れて、そのまま起きてこなくなると思う。もし、恋人みたいな関係になりたい、なんて言われたら、私はなんて答えてしまうか。断ったら?承諾したら?そもそも、私はどっちなんだろう。
だから、聞いてない、聞かない...いや、聞けない。
でもそれは、私が寿と変わらず一緒にいたいと思ってるから。毎日、なんでもない日々を寿も一緒に過ごしていきたいと思ってるから。
こうやって、考えると、私の中の寿がどんなに大きいか。それを改めて実感することが出来る。
だからこそ、私はこういう時になってから、こんな事を考えてしまう。
ーーあぁ、せめて初めてのキスは寿にあげたかったな...。
と、もはや手遅れな事を、私は優しい人に唇を奪われる三秒ほど前に思った。
気配で分かる、もう目の前にまで迫ってきている。彼女の手が私の右頬を優しく撫で、やがてその動きを止めて、手を添える。布の擦れる音すら、しっかりと聞こえてくる。多分いま、目の前にしゃがみこんだんだろう。目を開けてないから、詳しくは分からないけど、おそらく彼女の顔が目を開けた眼前にあるのだろう。
さきほど、雲雀さんの光景を思い出す。雲雀さんは抵抗していのにも関わらず、段々と精神を犯され、生気を失い、やられていった。そのやられた雲雀さんに追い討ちをかけるように、倒れた後もキス...ディーブキスをし続けていた。
あれに私を当てはめようとしたけど、止めた。抵抗むなしく..とかじゃなくて、抵抗すら出来ないんだろうなぁ。雲雀さんですらやられたんだ。私がどうこうしたところで...ねぇ?
ラスト一秒前。ここで私に不意討ちな出来事が起こった。
添えられた手は私から離れていき、私の前にあった気配がなくなる。なくなると言っても、立ち去ったのではなくて、実際には立ち上がっただけ。...あ、あれ?
もしかして...なにもしてこない?
気になって、ちらっと目をほそーく開ける。
「.....あれ?」
「...早くしてください。紅茶が冷めてしまいます」
優しい人はいつの間にか木製の丸テーブルの所、ちょうど私の反対側に移動していて、そこで彼女は、静かに紅茶を飲んでいた。あと、何故か怒られる。...じゃなくて。
「い、いやいやいや!!なにさも何も起こらなかったみたいな体をとってるんですか?!」
「....いいから、早く話を進めましょう」
「いやいやいや!!ですからーー」
誤魔化そうとする彼女を、私が問い詰める。しかし、無理矢理に話を進めようとするので、慌てながらもまた問い詰めようとする。
それがだめだったのか、優しい人は私が話している最中に寄ってきて、先ほどのように眼前まで迫ってくる。
「...あ、あの...」
「......」
何も言わず、顔だけを近付けてくるので、逃げるようにじりじりと後ろに後退する。最近なんだかこんな事が、ホントに多い。何度も言う。私の行いがそんなに悪かったの?
「...あなたは、なにも、見なかった」
「...はい」
ごめんなさい、雲雀さん。私はこの人の圧力、そして初キスが奪われてしまうかもしれない恐怖には、勝てません。
あとで、必ず助けるので許してください。ごめんなさい。
「....こちらに来てください。何度も言いますが、早く話を進めましょう。紅茶が冷めてしまいます」
「...はい」
彼女は早々に木製の丸テーブルの所に戻り、話を進める体勢に入る。私もそれに続いてついていく。
「....話をしても、いいですか?」
「...はい」
そう言って彼女は、小型のリモコンを取り出す。それをポチポチと弄った後、近くにあったコンピューターに向けて、赤いボタンを押した。
すると、そのコンピューターだけが勝手に動き出して、私と彼女の真ん中らへんに移動してくる。もう余計なことで驚いて体力を使ったりなんかしない。なにが起こるか分からないし。
「これを見てください」
もう一度、ポチッと押すと、そこに何かのデータが表示される。控えめにいって謎。大きく言って理解不能。この二つ、似ている意味だから、例えがおかしい...。じゃあ、簡単にいって、よく分からない。最初からこう言えば良かった。
「なんのデータかさっぱり。ていう顔をしていますね。安心してください。ちゃんと説明しますから」
私は何も答えず、ただ彼女の説明を聞く体勢に入った。下手なことはもう出来ない。雲雀さんに迷惑を、二度もかけたくないし。
「...これらのデータは、ある一つの穴に関するものです」
「穴..?」
「はい。一見すると、ただの穴のようですが、これはどうやら私達が済んでいる世界とは、まったく違う次元から出来ている穴でした」
「はぁ...」
正直、いまのところさっぱり。でも、穴っていうところが気になる...。もしかして、あの時見た...?
「これは突然現れ、突然消える。現れる時間も不規則で、なんら法則性もない。気まぐれのような物です」
彼女はそこで一息止めて、息をゆっくりと吸い、また吐く。緊張でもしているのか、深呼吸をしていた。
「では、この穴がなにか?先ほど説明したように、これは、まったく違う次元から出来ている穴です。これを深く説明すると分かりにくいので...そうですね。簡単に言うならば、時間を行き来出来る穴、とでも考えてください。それでも分からないのであれば、まぁ、タイムマシンかなにかかとでも考えてください」
「タイム...マシン?」
あの有名な漫画とかに出てくる、あのタイムマシン?
でもなんで?
「この穴の先は、予想も出来ない遥かどこかの世界。過去、未来、はたまた異世界にまで。この穴をくぐれば、そこはもう別世界。でも、この穴を通る、なんてことは絶対に出来ません」
「絶対に?」
「はい。絶対に、です。色々と難しい説明が出てきますが..まぁ、例えばの話。あなたは本の世界に入ることは出来ますか?精神ではなく、肉体的な話で」
「いや、そんな無茶な....って、あぁ、そういう...」
「そういうことです。あそことこちらでは次元が違いすぎて、出入りなんて出来ませんし、もし無理矢理にでも出来てしまったら、その瞬間。通ったものは、そのまま永遠にさよならとなります」
じゃあ、もしあの穴がそうだとして...狼があの時通れたとしても、そのまま死んじゃってたんだ。
どっちみち、私は助かってたんだ。
「....ですが」
「...?」
すーっと、ゆっくりと小型のリモコンをコンピューターに向け、そしてまたボタンを押す。そうすると、見ていた映像が変わり、今度は別のに。
そこに写っていたのは...。
「碧葉ちゃん...!?」
「...彼女だけが。なぜかあの穴をくぐり抜け、さらに無事でいることができたんです」
...無邪気な顔で眠る碧葉ちゃんが写っていた。
てことは、やっぱり。碧葉ちゃんはこの世界の人間じゃなかったんだ。..でもなんでこっちに?というかなんで来れたの?
「どうして?」
「分かりません。本当に何も分かりませんでした。だから、本人に会いたかったんです。そしたらまさか...あなた、栗花落 美織さんに会えるとは、思いもしなかったです。なぜか、つゆりさんと彼女が一緒にいたので、不思議に思いましたけど...」
「.....」
....名前、知ってんじゃん!なんかずっと、あなた、あなたって言われて、むず痒いというか、なんというか。こう、気持ちの悪い状態が続いていたのに...。だったら、最初っからそうしてくれても...よくない?
って、そんなことを考えてる場合じゃないんだっけ。
「単刀直入に言います。彼女を私に預けてください」
「なっーー!!」
なんの脈絡もな...い訳でもなかったけれど、まさかそこまで言われるとは思ってもみなかった。いっても、観察させて下さい、とかそこらへんが限界かと思っていた。
もちろん、私が認める筈もなく..。
「だ、ダメです!」
「...理由を聞きます。なんでですか?」
「そ、それはだって。いきなり身元も知らない、どんな人かも分からない人に、碧葉ちゃんを預けるなんて出来ませんし、それに...」
「..それに?」
先を緩やかに促していく彼女。そこには、プレッシャーのような物も感じ取れた。一歩でも間違えたら、碧葉ちゃんを取られる気がする。
「...それに!碧葉ちゃんはまだ一日しかいないけど、私のか、家族になったんです!他の人からとやかく言われる筋合いはありません!」
「....そう、ですか..」
な、なんかしてくるの?い、痛いのは止めてね、痛いのは...あ、こちょこちょとかだったら、大丈夫!オッケーだよ!?
心の中で自分の身を案じていると、ふむ..と片方の手を顎らへんにくっつけて、すりすりと撫でる。しばし撫でた後に、彼女はひとりでに首を振って、こちらを向く。
「な、なんですか?」
反射的に身を構える。もしや、いきなり唇を奪ってくるのでは...?!あ、いや、それはないか。
なにがきてもいいようにしていると、彼女は口を開いて、こう言ってきた。
「.....まぁ、いいです。及第点、より少ししたですけど、まぁ許可します」
と。何を許可されたのかは一切分からないけど、許可された。わーい。...じゃなくてね?!
「なにを?!」
「碧葉さんをつゆりさんの元に置いておくことを、です」
「え、えぇ...えと、あり、がとう、ございます?....って、いやいやいや!なんでそれをあなたに許可されなきゃいけないんですか?!」
なんと、上から目線なー。
「....その子、戸籍ないですよね?あるわけないですよね?もしその子を育てるとして、その後どうするんですか?小学校、中学校、高校、大学、そして就職。...戸籍ないと、入れませんし、出来ませんよ?」
「た、確かに...」
「それに、そんな子を預かっていたとなったら、大変なことになりますよ?事件になって、つゆりさんは逮捕です」
「じゃ、じゃあもう無理な気が....」
八方塞がりどころの騒ぎじゃない...。もう雁字搦めで動くことも出来ないじゃん...。
「だから、です。だから私が許可をしたんです」
「....?それってどういう...」
「....ようするに、そこらへんの事は任せて置いてください。なんとかしますから」
セリフが微妙にキザっぽくて、はずかしくなったのか、ぷいっとそっぽを向いてしまう。え、待って待って。急に可愛いところなんて見せないで。そんなギャップ萌えするような、ツンデレみたいな反応しないで下さい。
愛でたくなります。
「.......」
「な、なにか?」
「あ、い、いいえ。なんでもないです」
私にじーっと見つめられ、戸惑う彼女は、誤魔化すように強気な態度で応じてくる。それがまた...あ、ごめんなさい雲雀さん。私一瞬でも、この人のことを可愛いと思ってしまいました。すいませんでしたー。
.....なんか、どんどんキャラがおかしくなってる気がする。
「と、とにかくですね。そちらは私がなんとかするにして...まぁ、にしたってあと一週間なんですけどね」
「あと一週間、とは?」
「あと一週間は、あと一週間です。急にシリアスっぽくなりますけど、それでもいいなら...聞きますか?」
「は、はぁ..」
それは私に聞くべきでは、ないと思うんだけど...。
「さっきも言いましたが、碧葉さんは本来は来れるはずのない所から来ています。では、どうして来れたとかの云々かんぬんはいいとして、来れた後のことについて考えましょう」
「来れた...あとについて?」
「あの穴は通れません。じゃあ、もし通れてしまったとしたら?考えてみてください。大量に小さい玉が、AからBへと移動しようとしています。それは絶対に破れない壁で守られている。だから通れる筈がない。なら、もし。一つだけでもそこを通れてしまったら、他の玉は...どうなります?」
「.....あ」
「一緒に溢れ、流れていく。ですよね?じゃあ、今回。碧葉さんか来たとしたら..?」
他のやつらも...流れてくる。
私に殺意を向けてきたあの狼もどきが、今度こそ私目掛けて。いや、それだけじゃなくて、溢れて出るってことはつまり...。
「もう、分かりましたか?」
「...はい」
「私達だけの問題じゃ、無くなってきているんです。..私の推測では、あと一週間で他のやつら。得体の知れないものが出てきます。怪物か化物か。どっちにしても、これは下手をすれば、人類滅亡も可能性に上がってきます」
「え、えぇ?!じ、人類滅亡?!な、なんでいきなりそんなスケールがおっきく..?!」
私は狼もどき以外にも来るのかもしれない、とは考えていたけど、まさかそこまでスケールが大きく...。
「そりゃそうですよ。人間が知らない、未知の生物がこれみよがしに出てきますからね。対抗する暇もなく、終わりですよ」
「じゃあどうすれば?!」
半ばパニック状態になっていた私を落ち着かせてから、彼女はこう言い放つ。
「だから言いましたよね?あと、一週間だと」
「いや、それは他のが来るまでのタイムリミットでしょ?!」
「はぁ....違いますよ。碧葉さんとの別れまでのタイムリミットです」
そ、そんなに大きくため息を吐かなくても.....ていうか待って。碧葉ちゃんとの別れまでのタイムリミット?!そ、それってどういうこと?
「い、意味が...」
「抑える方法なんて簡単ですよ。壁に穴が開いたら、閉じればいい。そうですよね?」
「そりゃ、そうだけど...」
「だったら簡単です。今回は碧葉さんという不穏物質が来たから起きた出来事です。じゃあ、その不穏物質か無くなれば必然的に...?」
「穴は...閉じる」
でも、それって...。
「つゆりさんも碧葉さんが初めて出会った場所。どこか分かりませんけど、あと一週間までにそこに連れていって下さい。そうすれば、勝手に碧葉さんは帰っていきます」
「え...あ.....」
「まだ一日だけで良かったじゃないですか?これが一週間、一ヶ月、一年とかだったら、こんな事態。情がうつって、私の提案を断る。最悪逃亡するかもしれないじゃないですか」
そういうことじゃない。私と碧葉ちゃんとの仲に、年月なんか関係ない。他になにか方法がないのか。そう力強く言えたらどんなに良かったか。
それがいまの私には出来なかった。
「まぁ、あと一週間はあるので。なにかまだあるんでしたら、その内に済ませておいて下さいね」
私は自分の体から力が抜けていくの感じながら、いろいろな感情が入り乱れ、倒れてしまったのだった。
そのまま見終わって帰られる方。少し待ってください。
まず見てくださり、ありがとうございます。
次にお願いがあります。よかったら、評価、または感想をお願いします。評価は1.1でもいいですし、感想も批判等でも構いません。それらを参考にして、これからどうするかを決められるので。あと、レビューしてくれると、もっと嬉しいです。
次回もまた会えることを願っています。
では、また。




