パート43
ふらつく足取りで、男はただ道路を進んでいた。朝の澄んだ青い光が、街を照らし始めようとしている。
満身創痍の身体を引きずりながら、マヨラは己を鼓舞して歩き続けた。
すでに日本全土の治安維持部隊と防衛組織が彼の生存を把握し、一斉にマヨラの捕獲へと向かって動き出していた。長い、あまりにも長い道のりを歩み、マヨラはかつてあの凄惨な事故が起きた場所に辿り着いた。彼はポケットから例のストローを取り出すと、大破した車の中にそっと残した。
車体に背をもたせかけ、彼は自らのこれまでの人生のすべての記憶を静かに思い返していた。まさにその時、カツネリ率いる特殊部隊が現地へと出動していた。
ここでマヨラは、ポケットから一本のタバコを取り出した。それは、かつてオカイラさんが好んで吸っていたものだった。彼はその一本をしばらくじっと見つめていた。周囲には、どこか冷たく、しかし穏やかな微風が静かに吹き抜けている。
テレビのニュースは、マヨラが未だ生存しているという報道で持ちきりだった。その頃、東北の静かな家では、一人の女性が黙々とセーターを編んでいた。彼女の頬を、一筋の涙が静かに伝い落ちる……。その時、部屋のドアが開き、彼女の夫が姿を現した。
「行こうか。今日は君のために、わざわざ会社から有給を取ったんだ……。時間を無駄にしないようにね。」
女性は編みかけのセーターを置き、愛しい我が子を抱き上げると、静かに玄関の鍵を閉めて家を後にした。
あの場所で、マヨラはタバコに火をつけた。しかし、肺に入れた途端に激しく咳き込んでしまう。彼の人生において、それが最初で最後のタバコだったからだ。だが、二吸い目には、彼は何事もなかったかのように冷静さを取り戻した。
突如として、何台もの警察車両が轟音を立てて現れ、彼の目の前で急ブレーキをかけた。カツネリが部隊を引き連れて車から降り立ち search 銃口をマヨラへと向けた。マヨラはただ、タガバコの最後の煙を深く、静かに吸い込んだ。
— 2日後 (— 2 days later)
昼下がりの太陽が、すべてを焼き尽くすかのように照りつけていた。その日の早朝、マヨラにはすでに刑が執行されていた。
カツネリはいつものカフェに足を運び、そこにいた婚約者の姿を見つめた。二人の視線が交わる。婚約者はカツネリの無事な姿を目にすると、心の底から安堵し、彼の胸に飛び込んで涙を流した。
それから数日後、ウィッシュマスターにも絞首刑の判決が下された。激動の季節が去り、果てしなく長い日々が流れ始めていく。
数奇な運命の悪戯か、マヨラの墓は、オカイラさんの墓のすぐ真向かいに建てられた。
その霊園の新しい区域にあるタガヤさんの墓前には、花を供えに訪れたシナとテギの姿があった。二人はつい最近、結婚したばかりだった。そして奇しくも、同じ日にカツネリも結婚式を挙げていた。
人々は皆、ゴラリという怪物の存在を忘れていった……。だが、オカイラ・キエのあの言葉だけが、時折、風に乗って蘇る。
「俺たちは男だ。生まれてから死ぬまで、最後の瞬間、最後の息が途切れるまで戦い続けることこそが、俺たちの務めだ。
それが俺たちの生きる目的であり、そのために称賛も勲章も必要ない。
……一度その道を選んだのなら、お前にも、己の果たすべき使命がはっきりと見えるはずだ。」




