パート12
三日目―― 焼かれた魂 (The Burned Soul)
全員が古城の外に立ち尽くしていた。
こんな光景、誰も見たことがない。
ヨナが全員に向かって告げる。
「……やり遂げられなかった(We missed)。
俺たちは、場所を間違えたんだ」
全員が驚愕し、その目的(Motive)は崩れ去った。
ヨナは何かを言いかけたが、ただ首を振ってその場を去った。
ツネリが中に入るよう合図し、全員が城の中へと戻っていく。
ヨナが一人で部屋に座っていると、ツネリがマヨラを連れて入ってきた。
「リーダーでありながらチームから離れ、部屋に閉じこもって何をしている……?
しかも、こんなところでビールを飲んでいるとは」
ツネリはヨナの隣に座り、缶を受け取って一口飲んだ。
「……何かが決定的に、狂っている」
部屋に置かれた蝋燭が風に揺れる。
静寂があたりを支配していた……。
「なぜだ……?」
ヨナが呟く。
「一体なぜだ……? ここにいる全員にエージェンシーに入った理由がある。誰もが何かを失い、それを利用されているんじゃないのか……?
何かが起きればエージェントを送り込み、死ぬ時が来ればエージェントを前に出す……」
ツネリはヨナを落ち着かせ、外へと連れ出す。マヨラにはビールの箱を片付けるよう指示した。
マヨラは、そのすべてを冷徹な目で見つめていた。
真夜中。
誰の目にも眠りはない。ヨナは、なぜあの男を一人で行かせてしまったのかと後悔していた。
マヨラがヨナの隣に座ろうとするが、ヨナは「一人にしてくれ」と拒絶する。
ツネリがマヨラを自分の側へ呼び寄せた。
二人は並んで座る。
「あいつはただ、心が折れているだけだ……。ヨナの声は力強い。メンター(師)のように見えるが、あいつは誰よりも『命の重さ』を知っているんだ」
マヨラはヨナの方を見つめていた。
「……ところで、あなたの話を聞かせてもらえますか?」
マヨラが尋ねる。しばらくツネリは黙っていたが、やがて微笑んだ。
冷たい風が吹き抜ける。
「俺は以前、普通の人間だった。小さな飲食店を営んでいて、すべてが順調だった。だがある日……住んでいた場所でショート(Short circuit)による火災が起きた。その中で、兄貴が下敷きになったんだ」
マヨラは深く息を吐く。彼の耳に、ある声が響いていた。
『マヨラ、見て。あなたへのプレゼント……どうかな?』
『いいよ、お姉ちゃん……』
しかし、ツネリの声に呼び戻される。マヨラは「何でもない」と首を振った。
そして、その後どうなったのかを尋ねる。ツネリは続けた。
「それから俺は一人になった。兄貴と一緒に働いていたが、軽い仕事しかしていなかった……。稼ぎは微々たるものだった。
ある日、家賃を払う日が来たが、金がなかった。でも、どうしても払わなきゃならなかった……思い出が詰まった場所だったから。
俺は店を襲いに行った。店主は金を出したが、その隣に娘が座っていた。
小さな、無垢な少女だ。彼女は自分のロリポップを俺の方へ差し出した……。俺の心は砕けたよ。兄貴が少しずつ、最後には全部の飯を俺に食べさせてくれたことを思い出したんだ」
マヨラは深い思考に沈んだ。ヨナが咳き込むと、ツネリが水を渡す。
ボトルを置きながら、彼は言った。
「その日の夕方、ある男が現れて言ったんだ。『金が必要ならいくらでも出す、俺と一緒に来い』と。
選択肢なんてなかった。俺はついて行き……南(Minami)のエージェンシーに入った。
あの日から、俺の心は内側から燃え続け、灰になり続けているんだ」
四日目―― 影 (The Shadow)
あたりは静寂に包まれていた。
ツネリは一人、壁に描かれたすべてのアートや手がかり(Clue)を細かく調べていた。
やがて、彼は大きなフレームのアートの前で足を止める。
そこには「儀式(Ritual)」が描かれていた。アートの下にはこう記されていた。
――『七木儀式(Nanaboku Ritual)』。
ツネリがそのアートを見つめ、視線を上へと動かした瞬間――。
目の前に「影(Shadow)」が現れた。彼は息を呑む。
足が滑り、彼は転倒した。しかし、見直すとそこには何もない。立ち上がることさえ恐ろしいほどの恐怖が彼を襲う。
彼は立ち上がると、持てる限りの力で走り出した。
古城の外へ飛び出す。全員が彼に駆け寄り、何があったのかと問いかける。
しかし、彼にはしばらくの間、言葉が出なかった……。




