パート11
二日目――
全員で古城の捜索が始まった。正面エリア、中央の客間、そして数名は暗い地下室へと散っていく。
リーダーのヨナは、何かを日記に書き留めながら周囲を調べていた。マヨラと他の数名は地下室を担当する。
捜索中、マヨラは何かに気づき、足を止めた。一瞬、誰かを呼ぼうとしたが、彼は無言のまま一人で奥へと進む。
そこには巨大な「石棺(棺桶)」が鎮座していた。マヨラはしばらくそれを見つめ、蓋を開けようと力を込めるが……動かない。彼は何もなかったかのように、静かにその場を立ち去った。
夕暮れ時。古城に闇が忍び寄り、空気が凍てつく。ツネリが焚き火を起こし、一同は昨日と同じ場所に集まった。
ヨナが問いかける。「……何か見つかったか?」
沈黙が流れる。誰もが首を横振る中、マヨラも淡々と答えた。
「いいえ。壁画の物語以外、何も」
夜。眠れる者は一人もいない。互いの顔を火越しに見つめ合う中、一人のエージェントが席を立った。
「……少し、用を足してくる」
彼は外へ出ると、一息ついてタバコに火をつけた。
その時、か細い「少女の声」が聞こえた。
彼は声のする方へ歩み寄るが、不意に声は止む。気のせいかと背を向けた瞬間――異変が起きた。
胸が鉛のように重くなり、心拍数が急激に低下する。
彼の背中には、「何か」がへばりついていた。炎もないのに、彼の背中の肉は見る影もなく焼き爛れていく。
エージェントが戻らないことに、マヨラが疑念を抱く。ヨナは全員に警戒を促し、マヨラとツネリを連れて行方不明者の捜索に向かった。
2008年4月19日――
[ニュース速報]
「大物市長が射殺されました。極めて異例の事件です。2008年4月20日、午前0時12分、死亡が確認されました……」
――後に語られる『平成の変(The Heishei Incident)』である。
2009年――
[大統領宣言]
「本日より、日本国内における銃刀法をさらに厳格化する。民間人はもちろん、警察の特殊ライフル使用も制限される。許可なき所持は、即座に犯罪者と見なすものとする」
2009年6月8日――二つのエージェンシーによる密談。
東京、日本。
渋谷と南、両組織の幹部がアパートの一室に集まっていた。
ナズカワが口を開く。「こうなる運命だった。犯人が誰であれ、プロトコルは発動された。……だろ?」
室内を冷たい風が吹き抜ける。
オカイラが応じる。
「我々の手元には、すでに3丁の『プロジェクト・ビースト:偵察用銃』がある。軍がテスト段階で拒絶し、記録ごと抹消した忌まわしき兵器だ……」
2009年8月28日――
特殊急襲部隊(SAT)本部……。
部屋にはタガヤが座り、その前には二人の高官が控えていた。
「お前の任務は……未来の規律のためだ。地下組織に潜入し、その実態を暴け」
タガヤが静かに耳を傾ける中、もう一人の士官が水の入ったグラスを差し出し、隣に座る少年に目を向けた。
「潜入するだけではない。そこを支配しろ。……聞いているか、マヨラ・ジカシ?」
タガヤの隣には、若き日のマヨラが座っていた。
士官は冷徹に告げる。
「忘れるな……」
「Rise (昇れ)…… Rule (支配せよ)…… Rampage (暴れろ)……」




