つぼみ ──ノライ──
私の友人のアヤカは露店で水栽培の植物を購入した。それは、ノライという名の植物だった。
水中で白い根を伸ばし、水面から大人の拳ほどの蕾が浮いている。葉も茎も無く、蕾から根が出ているように見える不思議な植物だった。鉢の水が減ってきたら補充するだけの、殆ど手入れをしなくて済む育てやすい植物だ。
アヤカはその蕾を育てる内に、それの変わった特性に気づく。
そのことを私に伝えたいのか、彼女はやたらと会いたいと言ってくる。
心優しい彼女だが、私は次第に鬱陶しさを感じて少し距離を取るようになった。アヤカは、そんな私にノライを見せようとする。だが、彼女は私に会うことができなかった。
水中で白い根を伸ばし、水面から大人の拳ほどの蕾が浮いている。葉も茎も無く、蕾から根が出ているように見える不思議な植物だった。鉢の水が減ってきたら補充するだけの、殆ど手入れをしなくて済む育てやすい植物だ。
アヤカはその蕾を育てる内に、それの変わった特性に気づく。
そのことを私に伝えたいのか、彼女はやたらと会いたいと言ってくる。
心優しい彼女だが、私は次第に鬱陶しさを感じて少し距離を取るようになった。アヤカは、そんな私にノライを見せようとする。だが、彼女は私に会うことができなかった。