072 僕、2人の奥の手に対して奥の手で対抗する
僕は遊びに来たイェスタくんと将棋を打っている。
イェスタくんってズルいんだよ。
弱いって言うのにめっちゃ強いからね。ぼろ負けだった。
だからもう1局お願いしたんだよね。
今回は中々僕もやれてるんじゃないかな。
あ。
これはコウ達がちょっとヤバいかな。
「イェスタくん、対局の途中で悪いけど、行くね」
「ああ、行ってこい」
名残惜しいけど、僕は前線に飛ぶことにした。
転移した時には、勇者リューンの固有スキル<何物も防げぬ斬撃>と、シー姉の固有大魔法<絶対なる大海の一噛>が迫ってくる所だった。
僕は亜空間から神剣パールを取り出すと、神剣に力を込める。
「<次元・斬>」
僕は2人の攻撃を防ぎきった。
そして、振り返って3執事の方を見た。
「3人ともご苦労様。ここからは僕がやるよ。3人はアイルちゃん達と協力して、もっと強く結界を張って。
あと、サンは転がってる敵の兵士を全部食っといて」
「「「は!!!」」」
3人はすぐに動いてくれた。
それを見てから、僕は勇者リューンとシー姉の2人に向き合う。
なんか2人がめっちゃ驚いてる。
ただ、良いこと思いついちゃった。
僕はニヤッと笑った。
でも今のままじゃ過剰だよな。
よし、もっと本気出してもらおう。
「勇者リューン、お父さんを倒したあんたがこんな程度じゃないよね?
シー姉も四神獣の1角なんだから、いくら地上だからってこの程度なわけないよね?」
お、2人がプッツンしたっぽい。
いいぞ、いいぞ。
「シーさん、まずは俺が行く」
「1人で大丈夫?」
「舐めるな!!!」
勇者リューンは聖剣を振るう。
僕はそれを神剣で受け止める。
「やっぱこんなもん?」
「っ!!!」
「その程度なら神剣パールはもったいないね」
僕は神剣パールを左手で持つと右拳でストレートパンチをお見舞いした。
勇者リューンは聖剣の腹でなんとか防いだけど、そのまま吹っ飛んで行った。
僕はシー姉を見る。
「シー姉はもっとやるでしょ?」
「バカにするでない!!!」
シー姉は得意の水魔法を放ってくる。
パッと出した水魔法が第十位階クラスなのは流石だけど、やっぱ地上だからかキレがないよね。
僕はシー姉の水魔法に対してさらに強力な水魔法を放って、それを封殺した。
シー姉が驚いてると勇者リューンが戻って来た。
「シーさん、ここは一旦組もう。オレ達1人1人では手に余るようだぜ」
「口惜しいが、仕方あるまい」
2人は組んで戦うみたいだ。
これで少しはマシになるかな。
シー姉が早速水魔法を放ってくる。
僕は神剣でこれを払うと、その影から勇者リューンが突っ込んで来ていた。
ちょっと驚いたけど、冷静に神剣で振るわれる聖剣を受ける。
勇者リューンは連撃。ラッシュラッシュラッシュ。
僕はそれをさばいていく。
さらに隙を見て遠距離から水魔法が飛んでくる。
1つ1つは対処するのは造作もないけど、コンビネーションでこられると少し面倒だな。
僕は魔力をより強く放出してその衝撃波で2人をまとめて吹っ飛ばした。
ふ〜、なんとか距離を稼げたね。
本当は少し大変になって来ているけど、僕は煽るのをやめない。
「本当にこんなもんなの? それならがっかりだよ。
もっと本気出してよ」
勇者リューンもシー姉も顔色が変わった。
今度こそ本気の本気が来る。
「ちっ、出し渋っても仕方ねえか」
勇者リューンの存在感が高まっていく。
「限界突破!!!」
勇者リューンの存在感が爆発した。
お〜、これはすごいね。
僕でも油断したら1発で消し飛びそう。
一方でシー姉はごにょごにょと何かを唱え出している。
たぶん<絶対なる大海の一噛>以上のが来る。
これはちょっとヤバいかな。
「やっと本気を出してくれるんだね。
なら僕も奥の手を出すよ」
少し2人がビクっとしたようだけど、構わずに2人は奥の手を放って来た。
「限界突破<何物も防げぬ斬撃>!!!」
「<海龍の絶死の一噛>!!!」
さっきまでとは比較にならないほど強い光と水がとてつもない勢いで迫って来る。
どっちも国が滅ぶレベルなんだけど。
マジでヤバいね。
このままじゃ。
僕は奥の手の魔法を発動する。
「第十位階闇魔法<不死邪竜召喚>」
現れたのは、真珠のように輝く巨大な肉体。
神々しいまでの存在感。
あ〜懐かしい。
「久しぶり。お父さん」
僕はアンデット化した邪竜を召喚した。
召喚した邪竜は1吼えして、2人の奥の手をかき消した。
僕の大量の魔力を注いだ邪竜は生前よりさらにパワーアップしているのだよ。
2人は驚きすぎて顔が変になっている。
いや〜、やっぱり2人は特に驚いてくれると思ったんだよね。
ドッキリ大成功、みたいな。
しかも、額を伝う汗が尋常じゃないね。
「さあ、2対2だよ。どうする? 伝説の勇者様と海龍様」
僕はその2人に全力でドヤ顔をして見せた。
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