56追っかけ
五分後、フラフラになりながら大輔が降りて来た。一方、兵藤は目をキラキラさせながら降りて来た。
兵藤「サイコウ!最高です!」
酒井「大輔さん……大丈夫?」
大輔「……」
兵藤「何か思いついた?」
大輔「……いえ……」
兵藤「私も。じゃあ、もう一回……」
大輔「……地獄」
何だかんだで六回バンジージャンプで大輔は吊るされた。大輔は全てのジャンケンで負けた。それもこれも雪が大輔の癖を知り尽くしていたからだった。しかし、兵藤はどうやらいい歌詞が作れたようだった。
数日後、大輔、亮太、修は教室に集まった。
大輔「曲が出来ました!」
亮太「やっと……やっと出来たんですね」
大輔「そうだな……君たちの裏切りもあったけど……」
修「……まだバンジージャンプの事を根に持ってるんですか?もう終わったことはいいじゃないですか!」
大輔「ちょっとぐらい助けてくれても良かったんじゃないか?六回中六回俺だったんだよ!そんなの……そんなの……俺が可哀想じゃん」
亮太「まぁまぁ……無事に出来たんですから」
大輔「……」
修「いじけないで下さいよ。俺ら本当に大輔には感謝してるんですから」
大輔「……」
亮太「めんどくさっ!」
その後、三十分ほど二人は大輔をなだめ続けた。
大輔「さて、新曲が出来たから、取り敢えず聞くか?」
そう言って、CDを流した。
聞き終わった時、三人とも号泣していた。
修「兵藤さんはやっぱり天才ですね!こんなに凄い曲を作れるなんて」
大輔「今日酒井さんが樋口夏梨に何とかCDを渡してもらってるはずだけど」
一時間後に酒井から電話が来た。
大輔「どうだった?」
酒井「樋口夏梨があなた達に会いたいって言ってるけど」
大輔「そ、それは駄目だよ!」
酒井「ええっ!会って説得すればいいじゃない。何で?」
大輔「ファンだから」
酒井「……どういう意味?」
大輔「ファンだから」
酒井「だからどういう意味よ!」
大輔「酒井さん……ファンとストーカーの違いは分かるかい?」
酒井「またその話?もう分かったわよ。樋口夏梨には私と兵藤で会うわ」
大輔「そうしてもらえると……あの、一つお願いがあるんですけど」
酒井「何?」
大輔「写真とサイ……」
言い終わる前に電話が途切れた。




