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悪役令嬢は諦める事を諦める




「どうしようもなくアリーが好きなんだ」


そう言って久しぶりに向けられた笑顔は、とても眩しすぎて……。


どうしようもなくわたしがすき。

その言葉がじんわりと胸に広がっていく。


本当にアレク様はヒロインが好きじゃないの?

私の勘違いだったの……?


アレク様にこんなに好きだと。

愛しているだなんて、言われるとは思わなかった。


諦めた気持ちだった。

諦めた人生だった。死を望むほどに。

感情も全て消して、死を、断罪をただ待つだけの一年だった。


ただ、どうしようもないほどにアレク様が好きだった。


でも、やっぱり現実は、シナリオは甘くなくて。どんなに頑張っても報われなくて、ヒロインに奪われると思ってた。

だって、ヒロインが主人公だから。

学園でも、ヒロインの味方ばかりだった。

所詮私は悪役で、アレク様がヒロインの隣に立つようになって、ヒロインの隣で笑っていて。そんなアレク様を見たく無くて。


そんな二人を見るたびに、お前は悪役だ。だれも悪役のお前なんて愛してくれないんだよって言われているみたいで。


逃げ出したくて。悲しくなる自分の気持ちに蓋をしたくて。泣きたく無くて。


頑張ることを辞めて、アレク様を好きだという気持ちも諦めたつもりだった。


でも、無理。

やっぱり好き。一緒にいたい。

一年間会わないで気持ちも冷めたと思ったのに、そんな事なくて。

アレク様の笑顔を見てまた好きにな気持ちが出てきて。この想いを手放したくなくて。


だから、私は。


アレク様を諦める事を諦める。


「アレク様。その言葉に、嘘偽りはないのですか?」


嘘がないと、本当だと思っていいですか?

期待、してもいいですか?


「あるわけがないだろう?」


好きになってもいいですか?

この気持ちを大切にしてもいいですか?


「じゃあ、これからは、ちゃんと連絡してくれますか?気持ちを…伝えてくれますか…?

私と、本当に、ずっと一緒にいてくれますか…?」


本当に、諦めなくても、頑張ってもいいのですか?


「俺が、アリーにずっと一緒にいてって言ってるんだよ?アリーはずっと、俺と一緒にいて、俺と、家族に…なってくれる?」


一緒に……。家族……。


本当に、アレク様は私が好きだと、自惚れてしまってもいいのですか?


「私と家族になってくれる……の?」


そう聞くと私はまた、アレクに抱き締められていて。


「アリー。だから、俺が聞いているでしょ?」


そう、クスクス笑って。


「アリシア。俺と、結婚してくれますか?」


そう、耳元で囁かれて。


そんなの、私の答えは一つしかないじゃないか。


「はい…。よろしくお願いします。ずっと、私と一緒にいてください」


私はアレク様の胸にしがみついて涙を流した。

一年間出ることのなかった涙。

あの、諦めると決めた日以降出ることのなかった涙を。


そんななく私をアレク様は、泣き止むまで優しく抱き締めてくれていた。






「アリー。愛してる」


アレク様は結婚してから毎夜、毎朝私の耳元でそう囁く。

優しい笑顔をして。


「私もアレク様を愛しています」


だから、私も笑顔で返すの。

アレク様が好きだと言ってくれた笑顔で。






駆け足ではありましたが、とりあえずここで本編完結です。

以降番外編として小話を上げる予定です。


ありがとうございました!!

以降もよろしくお願い致します。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] さすがに1年音信不通で愛してるっていわれてもってかんじだな…。 そもそも1年手紙もなく音信不通なわけ? 手紙すらかけないとかそんなわけないし。 愛してるなら1年音信不通とかありえないと…
[一言] これ、アリーが壊れたままストーリーも読みたかった。 最終回前まで良かったのに7話で簡単にハッピーエンドになったのが不完全燃焼。
[一言] 報われなければ可愛そうだと思いながら読んでいました。 実際、乙女ゲームなどでは婚約者がいる攻略対象とのルートがあったりして略奪、断罪も普通にあると思います。 それを当たり前と思ってプレイ感覚…
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