1 リスタートをあなたに
名前もない辺境の村に生まれた俺は今年12歳となった。
小さいころから冒険者に憧れ、村にある小さなギルドのランキング表を見るたびに心躍らせていた。
成人の儀の前日もギルドに向かい、ランキングを見る。
いつか俺がこのランキングに名前を刻む。
「やってやるぜ!」
「うるせぇな坊主!またランキング見てんのか!冒険者になれるとは限らねえのによくもまぁ毎日毎日・・・。」
「なんだよギルマス、いいじゃねぇか。俺は冒険者になるんだ!ランキング一位の剣神ドレイクを俺は超える!」
「ドレイクを超えるってな。おめぇ剣神は過去にドレイクしか発現してねぇんだぞ。ランキング上位の他の奴らもそうだ。みんなレア職業だ。ただの剣士や魔法使いには上位は無理だぜ。」
「わからねぇだろ!普通の職業だってレベル上げればどうにかなるかもしれないだろ!しかも普通の職業になるとも決まってねぇし!」
「冒険者適正のある職業だって20%しかないのに何言ってんだ。農家とか商人だったらどうすんだよ。」
「俺がそんな職業与えられるかバカ!」
「誰がバカじゃい!」
ギルマスからチョップをもらう。
「いてぇ!ふざけんな!」
「まぁ明日の結果次第だな!いいスキルもらえたらいいな。」
ギルマスは自室にさっさと戻っていった。
ったくよー。俺だってわかってんだよ。
冒険者適正の職業をもらえるのだって少ない確率だってのは。でも夢なんだからしゃあねぇじゃねぇか。
ギルドから出ようとすると少し前からこの村で冒険者活動をしている僧兵のジムドから呼び止められた。
「バク、ちょっといいかな。」
「なんだよ。俺は明日の成人の儀に向けて家の手伝いを片付けるんだ。母ちゃんがうるさいからな。」
「いや、明日の成人の儀、楽しみだなと思ってね。なんとなくだけどバクは冒険者適正のある職業がもらえそうな気がしてるよ。」
「当たり前だろ!俺は冒険者になるんだ!」
「うん。もし冒険者になったら僕が最初は一緒に冒険してあげるよ。バクはいきなりモンスターにつっこんで大変なことになりそうだしね。」
「まじ!?ジムドめっちゃ強いんだろ!いいのかよ!」
「いいよ。冒険者適正のある職業だったらだけどね。」
「ありがとう!じゃあ明日成人の儀が終わったら来るからな!」
「うん。待ってるよ。」
俺はギルドを飛び出し家に帰った。あんまりおそくなると母ちゃんに怒られちまう。
「ただいま!すぐ手伝いするから!」
「手伝いの前に昼ごはんを早くすましちまいな!」
「はーい!いただきます!」
母ちゃんの職業は調理士。食事をうまく作れることからこの村で小料理屋をやっている。父ちゃんは俺が小さいころに死んじゃったらしい。冒険者をやってたそうだが、ダンジョンに潜ってそのまま帰ってこなかったみたいだ。
飯食って店の周りの掃除とゴミ捨ての手伝いをして早く寝ることにする。
そして成人の儀の当日になる。
「母ちゃんおはよう。行ってくるよ!」
「はいよ。いい職業もらえるといいね。いってらっしゃい!」
「うん!行ってくる!」
店を飛び出し成人の儀の会場へ向かう。成人の儀は村長の家で行われる。
今年成人の儀を迎えるのは俺を含め、この村では四人だ。
「頼もう!」
「おはようございますだ、バク。早いな。一番だぞ。」
「楽しみにしてたからね!そりゃ一番よ!」
「うむ。来た順にどんどん儀は行うぞ。この水晶に手を当てて、成人になったことを神に伝えなさい。」
「わかった!」
水晶に手を当てて心の中で『成人になったぞ!冒険者職業頼む!』と念じる。
水晶は光りだし光が体を包む。『リスタートを・・・たに』
何か聞こえた気がした。
「終わったぞ。結果が出るぞ。」
水晶につながれた石板に結果が表示される。
職業 リスターター
能力成長
HP Z
MP Z
攻撃 Z
防御 Z
速度 Z
魔力 Z
特殊スキル リスタート




