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怪盗紳士との出会い 1

「お初にお目にかかります、麗しの姫君」


ある夜、窓から夜空を見上げていたサイファ王国の姫

アリシアは突然の訪問者に思わず目を丸くした。

男は自ら「怪盗紳士」と名乗り慣れた手つきでワイヤーを

片手に部屋へ侵入する。


「夜分遅くに申し訳ありません。今宵はわけあって貴方を攫いに参上いたしました」


男は蝶ネクタイのタキシード姿に洒落たシルクハットを被り丁寧な口調で

ただ目的だけを伝え平然とした顔で軽々と彼女を持ち上げる。

そして美しく華麗にマントをなびかせ勢いよくそのまま部屋を飛び出す。

アリシアもわけのわからないまま彼に身を委ねるしかなかった。

だけど夜の外は想像以上に綺麗で見惚れてしまうほどだった。



「‥‥きれい」


その綺麗さにポツリと言葉が漏れた。


「お気に召しましたか?」


続けて彼が優しく呟く。

甘くとろけそうな声が少しくすぐったく感じた。


「あ、あの。どこに行くのですか‥‥?」

「それは着いてからのお楽しみです」


ドキドキと不安が頭によぎりながらアリシアは息を呑む。

彼もまたどこかこの状況を楽しむかのように笑顔を見せるのだった。


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