表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
95/197

94, 聖霊様――シオン……? ううん、サトシ、よね?

「……。あなたが……サトシ、よね?」


 ついに――わたしたちは、辿り着いた。この空間に。


「そなたが、そうかそうか。」

「……。なによ。知っているくせに。女神ネゲートは、最高の駒だったでしょう?」


 ……ええ。言ってやったわ。


「ちょっと……、ネゲート。わかっている、よね?」

「ええ、わかっているわよ。」

「それなら……だよ。」


 数学の女神が、慌てたように、頭を下げる仕草を促してきた。


「そうね……。でもね、シィーなんか、飲んできたのよ。信じられる?」

「……。ちょっと、今ここでそれを言うのかしら? ほら、全然酔ってないし。あんなの、飲んだうちに入らないわ。」

「あ、あの……。聖霊シオン様。その……まだ、大精霊ネゲートは……。」


 ……もう。


 完全に、「怠惰」とでも言いたげな顔だったわ。そんな話をしていたのね。


「まあよい。余の元まで駆けつけてきたということは……どうやら、本当に解けたようだな。」

「解けた? それは……何かしら?」

「……。」


 ……そう。クリプト……仮想通貨が、数学的に何を証明したのか。そのこと、よね。


「ええ。そこに……わたしが封じられていた理由まで組み込まれていたみたいね。そのおかげで、その証明内容に辿り着いた瞬間――色々と思い出してきたってことよ。もちろん、ミラーアリスによるスコフィールドの解読。その後押しも大きかったわ。」

「……。そなたは、創造神から選ばれた自覚は、あるのか?」

「ええ、あるわ。だって、女神だもの。余裕がある頃は、創造神様への祈りだって欠かさなかったわ。これで満足かしら?」

「……。ネゲートは、本当に素直じゃないね。でも、それがネゲートだよ。どうやら……怠惰ではないようで、安心したよ。」


 安堵したような表情を浮かべる、数学の女神――パランティーリ。


「ちゃんと理解もしているわ。」


 わたしは、静かに告げた。


「それは……。クリプトが示した数学的証明内容。その結果だけを『享受』する。詳細には、絶対に触れない。この平和を保ちたいのなら……絶対に、触れてはならない。」


 ……そう。重要なのは、結果だけ。


「ゼロ知識証明みたいに――最小限の情報だけで、この課題を成立させた。それが、クリプトだった。」


 そして――。


「これで、良いのよね?」


 聖霊シオンは――静かに、うなずいた。


 ……そうよね。まず、一番大事なのは――そこ。


 そうよね……サトシ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ