92, 結局……わたしは自惚れていただけだった……。傲慢にもなるわけね。改めて思い返すと、わたしはただ、平和を並べてきただけだった。
結局……わたしは自惚れていただけだった……。傲慢にもなるわけね。
改めて思い返すと――わたしは、ただ、平和を並べてきただけだった。
そして、いま、ようやく気づいたのよ。
目の前に広がる、この平和と――わたしが並べてきた「平和」は、まったく意味が違っていたってことに。
この実現した平和は――パランティーリに選ばれた力によって、まだ埋まっていない未完成のピースを創造し続けている。
それこそが、本来の役割。それで……真の平和へと向かう。
そして――そこへ従事することで生まれる均衡。それこそが……平和だったのね。
それに対して――わたしが並べてきた平和は、ただの言葉だった。
……いまなら、はっきりわかる。何が――決定的に違っていたのか。
そう……。真の平和とは、「0から1への創造」によって埋められる、最後のピース。
そういうことだったのよ。
サトシが望んでいた――最後のピース。
きっと……そういうことだったのでしょうね。
それに対して――わたしが求めていた平和は、「1から1の繁栄」を願うだけのもの。
そんなものは、すぐに壊される。
そして――いつまで経っても実現しない。
でも……だからこそ、その性質を逆手に取る者たちがいた。
平和が実現しないこと、そのものを利用し――その不完全さを燃料として、暴れ続ける。
……真の意味で平和になってしまうと、困り果てる獣の勢力。そんな存在が――普通に、いたということなのね。
そして、わたしは――女神として。
そんなものにすら、「最高の駒」として利用されていた。……そういうことだったのよ。
わたしが平和を叫ぶほど――その獣たちは、満面の笑みを浮かべていた。
……ほんと。甘かったわ。
……。
でも――。
だからこそ、わたしは今。
数学の女神――パランティーリに、会わなくてはならない。
……そうよね?




