70, あの宗派の時代は……民なんて、厳しい身分制度の影響下に置かれ、隷属状態にあったんだよ。さらには、あれらによる精神的支配まで受けていたよ。でも……次の時代こそは……だよ。
もう……。ミラーアリスの目の前で、次々と空になっていく……。
わかってはいたけれど……どこへ行っても、シィーは、これだけはやめられないのね。
「大精霊シィー様。お酒に、お強いのですね。」
「そうよ。これこそが、平和って感じだわ……。」
「ちょっとね……少しはセーブしなさいよ?」
「ねえ、大精霊ネゲート様。今は、ゆるくてもいいのよ。そこまで締め付けなくても、ね?」
「もう……、わかったわよ。」
今は……ゆるくてもいい、か。そうね……。でも、あの当時は……どうだったのかしら。
そういえば……数学の女神は、時々、こんなことも話していたわ。
「あの宗派の時代は……民なんて、厳しい身分制度の影響下に置かれ、隷属状態にあったんだよ。さらには、あれらによる精神的支配まで受けていたよ。でも……次の時代こそは……だよ。」
あの宗派とは……何だったのかしら。また、ひとつ疑問が増える。
でも……あまり良い時代ではなかったようね。
おそらく……平時は、なんとか暮らせる程度の自由はあった。でも、ひとたび飢饉に陥れば……あっという間に崩れていく。
そんな、不安定な均衡の上に成り立っていた時代……。
そして――。
強い制度ほど……表の秩序と、裏の感情が分離する。
そう、数学の女神は告げていたわ。
強い制度……。それが、その宗派だったのかしら。
うん……。そんな気がしてきたわ。
でも……今は違う。今は、平和。それが……なによりも大切なのよ。




