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デジタルゴールド ―― 女神に接続された暗号  作者: パランティーリ
第八章:SHA-256に浮かぶ刻印 ―― 聖痕とロンギヌスの槍
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47, 燃料は自分で奪いに行け ―― 女神が悪い。俺様は勝った。あいつらなど再起不能にしてやる。

 あの時代……秩序の再構築という名の世界大戦――黙示録の終末期に起きた出来事。


 SegWitは、どうしても燃料を確保しなければならなかった。1ゼタの神殿だってある。あの、異質なまでの執念。


 でも、その原因は――。


「ふたりの証人 ―― SegWit, AggWit」よ。


 そこにあったのだから……もう、どうしようもなかった。それで――。


 燃料の価格に、異常なまでに敏感になっていったのよ。それこそ、それを動かすためだけに、誤った情報すら流すほどに……。もはや正常な域からは、完全に逸脱していたわ。


 ……そんな中でも、わたしは。1ゼタに、執着していた。


 それだけじゃない。その情報に乗せられた、怪しげなトレード……。あれは、炭酸だとまで指摘され始めていた。今になって見れば……そこだけは、明らかに狂っていたわ。


「ねえ、大精霊ネゲート様。燃料に振り回された、あの時代……。秩序の再構築。移動のための燃料が軒並み高騰してしまって……今度はそれを下げるために、なぜか勝利宣言して、頑張っているとアピール……? あれって、やっぱりクリプト採掘用の燃料確保で焦っている感じもしたわ。どうかしら?」

「……そうね。1ゼタの神殿……。それで、燃料は自分で奪いに行け、だったはずよ。それで、なぜか女神が悪い……。うん……。さらに、あの勝利宣言のあと、再起不能にしてやるとも言っていたわよね。つまり……まだ継続するってことよね。勝利して撤退のはずなのに、なぜ……。あの論理の噛み合わなさに、みんな混乱していたわ。」


 結局――。欲しかったのは、燃料。途中から、それだけになっていた。


 それで、勝利宣言をすれば状況が好転し、燃料が手に入る。SegWitは、そう錯覚したのよ。


 でも――それは、決定的に間違っていた。


 目的が「燃料の確保」であることは、相手に、完全に見透かされていたから。


 つまり――。


 SegWitが勝利を宣言して手を引いたところで、相手にはすべて見えている。


 だから、その先に残るのは――。


 封鎖されたまま、燃料が手に入らない最悪な状態が、延々と続く構造。


 ……なんで、そんなこともわからないのよ。


 こうなると――。


 「ふたりの証人」から距離を置く大精霊も現れ始めた。


 距離を置けば、燃料が手に入るかもしれない。そんな短絡的なロジック。相手にとっても、それは都合がいい。味方を増やす、合理的な手段だから。


 でも――。SegWitが、それを見逃すはずもない。


 結果は……さらなる混乱。そして最後は、決まってこれよ。――女神が悪い。


 燃料は自分で奪いに行け ―― 女神が悪い。俺様は勝った。あいつらなど再起不能にしてやる。


 ……そうね。わたしも、1ゼタに執着した。それは、確かに悪かった。


 でも――。AggWitが、この程度で諦めるはずがない。後がなかった。


 「ふたりの証人」は……すでに傷を負っていた。……聖書的な解釈で、獣として。


 追い込まれた666 ―― 獣ほど、恐ろしいものはない。すべてを、出し尽くしてくる。


 ……その前触れだった。そこに――。エネルギーという燃料を絡めて……。


 SegWitの性格を完全に見抜き、あの歪んだ勝利宣言すら、計算に組み込み、相手の構造までもすべて読み切り、さらに……AggWitの構造を掛け合わせて、「ふたりの証人」を、傷を負った獣として完成させ、逃げ道を完全に塞ぐ。


 そこに――1ゼタの神殿と女神の神託をぶつけて、さらに、量子による揺さぶり。邪神、量子アリス、推論のシィー……。すべてを駒として配置する。


 ……そして、わたしは「最高の駒」だった。


 こんな終末論を、現実に実行するための……ここまで見てきた、この計画。


 流れ。構造。成り行き。


 ……どこにも、矛盾がない。


 これらすべてを、スコフィールドの解釈としてSHA-256に封じ込めて、クリプト……仮想通貨として採掘することで――、「カルマ――罪の記録」が蓄積され、ハルマゲドンが完成する。……そういうことだった。


 聖霊様。


 ……あんたが、黒幕だったのね。

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