いけないことを知っちゃいました! その2
「それでご相談というのはラファエル様のことでしょうか?」
「え!? わかるのかい!?」
「そりゃこの前エルちゃんがあなたの相談に乗るって言ってくれたからでしょ?」
「ハハハ! そりゃそうか!」
「あははは...。」
「それじゃあ早速相談に乗ってもらおうかな?」
「はい。 どうぞ。」
「俺はどうすればいいかな?」
「えと...いったい何をでしょうか...?」
「ラファエルに話しかけたいんだけど...話しかけれなくて...。」
「緊張されるということでしょうか?」
「緊張というのかな...? 実は以前、ラファエルに告白したんだ。」
「え!? そうなんですか!?」
「ああ...。 でもラファエルは答えてくれなかったんだ。 返事をくれるどころか、俺の方を見てさえくれなかった...!」
「あの子が? 何かの間違いなんじゃないの?」
「いや、確かだよ...。」
「ラファエル様の容姿に似ている天使はいますか?」
「それはつまり、ガブリエルがラファエルを見間違えたんじゃないってこと? いくらまぬけなガブリエルでもさすがにラファエルを見間違えることはないんじゃないかしら?」
「まぬけは余計だよ! ・・・っていうかまぬけじゃないよ!! ウリエルの言う通り、俺がラファエルと他の天使を見間違えるなんてありえない。」
「どうしてそう言い切れるのですか?」
「いつもラファエルのことを見てるからね。」
「・・・・・・。」
カスピエルの表情が固まった
「エルちゃん! 目を合わせちゃダメ!」
「なんでだよぉ!」
「ちなみにラファエルに似ている天使は見たことないわね。 少なくとも私はだけど。」
「それに関しては俺も見たことないな。 そもそも髪色が珍しいからな。」
「髪色がですか?」
「そう言われてみればそうね。 髪色で言うならラファエルに近いのはエルちゃんね。」
「つまりラファエル様の髪色は私と同じ水色でしょうか? ・・・え? 水色って珍しいんですか?」
「ええ。 私はエルちゃんとラファエルしか知らないわ。」
「俺もだ。」
「では他の天使の可能性はなさそうですね...。」
「でもラファエルが無視するなんて考えられないのよね...。」
「そうですよね...。 私もウリエル様とガブリエル様のお話をお聞きしただけでもとてもそのようなことをされるようには思えません...。」
「じゃああの時はどうして...?」
「・・・もしかしたら聞こえていらっしゃらなかったんじゃないでしょうか? 確かガブリエル様がラファエル様に告白された際、返事を返すどころか見てくださらなかったんですよね? ラファエル様はガブリエル様に背を向けておられたのでしょうか?」
「!! 確かにそうだったよ! よく分かったね!」
「あくまで可能性をいくつかあげてみただけですよ。」
カスピエルは微笑む
「まるでウリエルの弟子とは思えないな...。」
「それどういう意味?」
「賢くて可愛い。」
「とてもとても美しくて凛々しい熾天使である私の弟子なんだから可愛いのは当然よ。」
「その台詞、いまだに言ってるのか...しかも自分の弟子の前で...。」
「文句あるかしら?」
「ないです。」
「よろしい。」
「・・・以上のことからラファエル様は告白されたことに気づいてないと仮定します。 ガブリエル様、これでも緊張しそうでしょうか?」
「うーーん...実際にラファエルと2人きりにならないと分からないかな。」
「なるほど。 では緊張することを確実になくしていきましょう。」
「そんなことができるのかい!?」
「はい。 私もウリエル様のところへ来た当初初めてのことばかりや、熾天使のお方というプレッシャーで緊張してばかりでした...。」
「私ってそんなに怖かったかしら?」
「ああ。」
「あなたに聞いてないわ。 そんなんだからラファエルにふられるのよ。」
「ふられてない! 聞こえてなかっただけだ!」
「あはは...怖いというか...私なんかの教育を神様からお任せされて申し訳ないという気持ちでいっぱいでした...。」
「そんなことないわよ。 私は後輩が好きだもの。」
「はい。 とても素敵なお方だと分かりました。」
「もう! 可愛いんだから~!」
ウリエルはカスピエルに抱き着く
「それで肝心の方法なのですが、『コミュニケーションをとること』です。」
「コミュニケ―ション? そんな簡単なことでいいのかい? そんなの簡単だよ。」
「お言葉ですが、ガブリエル様はラファエル様とお話されたことはありますか?」
「あ、あるよ。」
「その会話の内容は覚えておいででですか?」
「もちろん! 城ですれ違った時に俺が『おはよう!』って言ったんだ! そしたらラファエルが俺の方を見て、微笑んで『おはようございます。』って言ってくれたんだ!」
「・・・ちなみに会話をされたのはその時だけですか...?」
「? そうだね。」
「それただ挨拶しただけじゃない...。 え、待って...熾天使の集まりが何度かあったけどあなたとラファエルってそれだけしか話したことなかったの?」
「そうだな...。」
「つまりガブリエル様はラファエル様と全然コミュニケーションをとれていません。」
「そんなばっさり!?」
「だからまずはラファエル様と会話をして仲良くなって下さい。 告白するのは当分先です。」
「はい、分かりました...。」
「話題とか大丈夫なの?」
「た、たぶん...。」
「あ、これはダメそうね...。」
「でしたら本から話題をいくつか決めておくのはどうでしょうか?」
「本からかい?」
「ええ。 何事も挑戦です! 確かここら辺にお菓子の本が...あ! ありました!」
カスピエルは後ろの本棚まで歩いて本を探し、見つけた
「あれ? これもお菓子の本だったんですね。 これも...?」
カスピエルは最初に取ったお菓子の本の左にあった本も取る その本があった裏側に指2本くらいの大きさの金色の丸いボタンがあった
このボタンはなんでしょう...?
「エルちゃん? どうかしたの?」
「いえ、なんでもないです。」
カスピエルは本を持ってウリエルとガブリエルのところへ戻った




