この世界のポーションと慢心
第3話 この世界のポーションと慢心
すさまじいポーション効果で腕が生えたのを見たクルーは驚嘆した。 ドクターは特にショックを受けていた。
「あんなのあったら、わしは要らないな。」
ドクターは落ち込む。
「まぁあんなの普通ありませんよね。」
「そう腐るな、ハイポーションを早速買ってきたぞ。」
キャプテンがハイポーションを買ってきて、探査船の分析室のテーブルに置いた。
早速分析にかけたが、解析不能だった。
「普通、だんだんと傷口を皮膚で覆うが、皮膚で覆わなければ再生する。」
「しかし、ゆっくりだ。あんな一瞬じゃない……。」
ドクターは興奮気味だった。
分析不能の魔法の薬ハイポーション、このファンタジー世界では当たり前のように作られて、当たり前のように使われている。
ドクターはこのハイポーションを研究して、謎を解明したくなった。
怪我は治せるが、病気は治せるのか?
肩こりや腰痛などに効くのか?
肥満症や精神病に効くのか?
さらに恋の病には、果たして?
花粉症などのアレルギー症には効果あるか?
風邪やインフルエンザなどのウイルスには効果があるのだろうか?
もし様々な用途に効果があるなら、この薬だけあれば済むわけだ。
そして研究結果を学会に発表すれば、わしは一躍時の人になる。
「あっ! 過去にあったな。薬いらずのなんとか細胞の研究をしていたら、製薬会社の圧力で学会を追われ、完全に抹殺された研究者がいたな。」
「しかし、ポーションは薬なんだから、むしろこれだけあればよいわけだよな?」
「いやいや、まてよ。ここは慎重にやらなければならないな。」
などとドクターの頭の中では様々な考えと憶測が先走っていた。
かけるだけで腕が生えてくる、理解不能の魔法のポーションだが、現代の高性能なアナライザーでも分析不能だった。
「高性能なアナライザーが分析不能なのに、わしは果たして研究できるのか?」
ドクターはいろいろと思考を巡らせた。 そしてたどり着いた考えがまとまった。
「研究しても無理じゃねぇ?」
分析不能なんだから解析できるはずはなかった。 いや、作り方や材料、この世界の仕組みなど、もっと調べれば解明の糸口くらいは分かるはずだ。
しかし、探査船クルー達は、このファンタジー世界にやって来て、さらに不思議な体験をする。
一体この世界はどうなっているのか? 船内の空気が異様なものへと変貌していった………。
◆
翌日、ジャイアントマンティスを退治して、冒険者ギルドへ報告に行った。
「流石スレインさんですね。」
「あの程度なら問題はないな。」
冒険者ギルドの受付嬢はスレインを見て頬を染めた。
「あの程度なら問題はないな。」
「それではもっと強い魔物討伐もやってみますか?」
「うむ。俺に任せろ!」
スレインは少し慢心していた。 現代の武器装備ならば、魔物など簡単に瞬殺することができたからだ。
レーザー砲や小型ミサイル、レーザーソードなどは反則な気がするが、実際に魔物狩りしてなかなか楽しいとキャプテン・スレインは思った。
しかし流石のキャプテン・スレインも地竜に遭遇したときは焦ったのだった。
「このビームガンでイワトカゲくらいは圧倒的な威力だ。」
「はっはっはっ。」
「キャプテン! 地竜がこっちへやって来ます。」
「何!」
「バシュッ! バシュッ!」
スレインがビームガンで地竜を撃ったが、堅い鱗であまり効果がなかった。 地竜はスレイン達に近づくと炎のブレスを吐いた。
「ゴォォォォォォォー!」
リフレクトシールドをはったが、地竜のブレスの威力があまりにも強かったため、エネルギー消費が激しかった。
「このままではエネルギーがもたない。」
しかしアンドロイドガンマが内火艇でやって来て、ミサイルやビーム砲をぶっ放した。 地竜は手傷を負って逃げ去って行った。
リフレクトシールドのエネルギーが尽きかけたから助かった。
スレインは全身から汗が噴き出していた。
「地竜には普通の装備では歯が立たないな。」
「地竜に対抗するには地上探査車やパワードスーツが必要だ!」
現代科学でも、地竜相手では今の装備では不十分だったようだ。
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今年の3月に書いた、12話ほどのコンテスト用作品です。
忘れていたんですが、最近見つけました。
勿体ないので修正して投稿しました。




