最終話 宇宙探査船は帰還する
第12話 宇宙探査船は帰還する
魔晶石ミサイルを搭載した内火艇4機は魔晶石龍脈洞窟に向かっていた。
前回ドラゴン討伐に失敗したが、今度の魔晶石ミサイルは果たして成功するのであろうか?
「魔晶石ミサイルは各内火艇に一発ずつしかない。」
「しかもテストもやっていない、ぶっつけ本番だ。」
「かつて何処かの偉大なスポーツ選手が言った。」
「このプレッシャーを楽しめと。」
「全機ミサイル発射準備! 射程まで急速接近し、ロックオンしたら、一斉魔晶石ミサイル発射だ!」
「了解!」
「なぁに、失敗したら俺が魔晶石を全部働いて買ってやるから、気楽にいこうぜ!」
「はははっ。何十年かかることやら。」
「言ったな! セドリック。」
「もし倒せなかったら、お前も働けよ。」
「働くなら全員でやりましょう。キャプテンが疲労して倒れてるのは見たくありませんし。」
「はははっ。じゃあ、倒せなかったらギルバートに一杯奢らせましょう。」
「わっはははっ。」
クルー達は緊張を忘れるため全員で笑いあった。
「それじゃ突っ込むぞ!」
全機洞窟へ潜入した。
「いたいた、ドラゴンのヤロー寝てますぜ!」
ドラゴンとて、生き物だ。昨日の攻撃で鱗は剥がれ、多少はダメージを負っていた。
「全機ロックオン!」
「魔晶石ミサイル一斉発射だ!」
「バシュバシュバシュバシュ!」
「シューーーー!」
「後退!」
全機、出口へと後退した。
「ドンドドドンドンドンドッ!!」
「副長どうだ?」
「視界、煙でまったく見えません。」
「魔晶石ミサイルの大爆発で、洞窟が半壊しているかもしれません。」
「熱源反応は?」
「熱源反応は……。」
「ありません! ドラゴンは撃退した模様。」
「やったーーーっ!」
こうして探査船クルー達は、膨大な魔晶石を手に入れることに成功するのだった。
「おい、これだけの魔晶石があるなら、この惑星で全員一生遊んで暮らせるんじゃないか?」
「かもな。」
「お土産に持ち帰るにも、探査船のペイロードでは収まりきらないな。」
「フフフ。違いないな。」
◆
探査船に戻り魔晶石を溶かし、宇宙船の魔晶石エネルギーは満タンになった。
「皆、帰還の準備は出来たか?」
「燃料満タンです。」
「食料、水あります。」
「惑星ミザリーのサンプル回収してます。」
「魔晶石、魔道具、ポーションなどお土産もたっぷりあります。」
「うむ。けっこう。」
「では、これより帰還する!」
エンジンを直し、魔晶石燃料を積んだ宇宙探査船は大気圏を飛び出し、宇宙空間へと旅立って行った。
クルーは、このふざけたファンタジー世界から生還をはたすのであった………。
おわり
ではなかった。
「俺さ、よくよく考えてみたらさ、あっちでカードの賭けでかなりの借金あったんだよな。」
キャプテン・スレインは呟いた。
「俺もこんなやばい仕事しているから、普段から豪遊して借金地獄だ。」
「俺も俺も。」
「わしは違法遺伝子組み換えで訴えられそうだったわい。」
「僕は研究費用で首が回らないな。」
クルー達はモニターに映る遠ざかる惑星ミザリーを見続けた。
「そういえば、わし錬金術修行中だった!」
「俺は鍛冶屋修行がまだだ!」
「俺らは魔法修行だったな。」
「俺は賢者になろうとしてたな。」
「僕は魔道具のマジックバッグを作りたいな。あの仕組みが是非知りたい。」
「私は魔法使いになりたい。」
アストリアは魔法使いになって、キャプテンを魅了して、結ばれたかった。
「やっぱりやめて、惑星ミザリーに残した魔晶石を山分けして、好きなことやって暮らさないか?」
「賛成!」
その様子を万能サポートロボット・ムゴンは無言でブリッジの片隅で見ていた………。
宇宙探査フリーダムフォレスト号のクルー全員は、あのエルドラールの人々と同じく脳を焼かれて惑星ミザリーに帰還するのだった。
宇宙探査船ファンタジー惑星にて帰還せず!
完
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