9.起:はじまりの町、エイプリル。常識人から見たバニーガール
【第1層 始まりの町 エイプリル】
町の門を抜けるラビィとアリス。
ラビィ「ついに到着ですよ。アリス」
アリス「わーい!」
ラビィ(脳内フォルダが充実しますね。撮影機能が使えないことだけが残念です)
残念な事を考えながら手を繋ぐラビィ。アリスはにっこり。
ラビィ(始まりの町、エイプリル。最初の拠点にして、各設備の利用や、クエストの受注が出来る場所。それから…)
レミリ「……な、何してんの、キミ! そんな格好で大通り歩いてたら、変な奴らに絡まれちゃうよ!」
焦った様子のレミリに手を引かれ、路地裏に引き込まれるラビィ。釣られてアリスも一緒に路地裏へ。
レミリ「いきなり、腕引っ張ってゴメン!大丈夫!?」
ラビィの肩に手を置く、茶髪の少女。
ラビィ「……いえ、特に怪我などありませんが?」
アリス「だーれ?」
揃って首を傾げる二人。二人とも警戒心はない。
レミリ「え…?アタシはレミリ…キミ達は?」
ラビィ「これはご丁寧にありがとうございます。私はラビィ。こちらには来たばかりですが、アリスの保護者をしています」
アリス「アリスはアリス!お姉ちゃんと一緒!」
ラビィ(アリスは私の保護者だった…?)
ラビィ「それより、何かありました?」
レミリ「いや、それはこっちの台詞だよ!どうしたの?その恰好、もしかして…」
心配そうなレミリを安心させるために、笑顔でうさ耳ポーズのラビィ。
ラビィ「ご心配なく。誰かに強制されたわけではありませんよ。…まぁ、他に服がない、というのは事実ですが…」
ラビィ(アリスの装備は付けておきたいですし)
レミリ「…そうなの?…もしかして、『迷い人』?」
ラビィ「ええ、その通りです」
【迷い人(この世界に迷い込んだ者を指す言葉。世界に呼ばれた者、とも言い伝えられる。『ゲームの主人公』もその一人)】
レミリ「そうなんだ。だったら…」
ラビィ(その後、レミリさんは私達に町の各施設の場所を丁寧に教えてくれました。特に服屋は念入りに)
レミリ「じゃ、大変だと思うけど頑張ってね!ラビィ!」
ラビィ「ええ、レミリさん。あなたも」
アリス「またねー」
笑顔で別れる2人と1人。
ラビィ(まさか、ここで彼女に会おうとは…。最初の仲間、レミリ・アンヴィル。最強の盾職にして鍛冶師)
ラビィ「お待たせしましたね、アリス」
アリス「ううん!レミリちゃんの言ってたお店、全部覚えたよ!」
ラビィ「まぁ、それは凄いですね。では、まずは服屋に行って何か羽織る物を買いに行きましょうか」
アリス「うん!案内は任せて!」
ラビィ「ええ、お任せしますね」
ラビィ(その後は、緊急クエストですね。ゲームなら、まだ時間に余裕があるはずですが、念のため…)
レミリの背を見つめる眼が、うっすらと赤くなる。




