↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/21

20.結:試練は越えるためにある



ラビィ「……ハッ!」


目を開けるラビィ。周りを見渡し、近くにいた二人に息があることに気づき安堵。


ラビィ「……二人とも、よかった…!」


二人に覆い被さるように抱きしめる。その後二人も目覚ます。


レミリ「……ん、んぅ…ラビィ?…無事、だったのね?……アリスちゃんも…」


アリス「うん、アリス、平気だよ?」


ラビィとレミリはダメージを肩代わりした衣服がボロボロになっているが、アリスは土埃程度。


ラビィ「ポーションを使いましょう、レミリ」


レミリ「うん…。アリスちゃんは、運がよかったわね。…それとも女神様の加護かしら?」


ラビィ(アリスが女神から託された私の眷属、普段は忘れがちですが、私が無事な限り、アリスは平気のようですね。…高い検証費用になりました)


数本のポーションを身体に振りかける二人。服が修復していく。

そして、立てるまでに回復した二人。


レミリ「……そう言えば、私達が落ちてきた穴がないわね?…いや、まって、出入り口もない…?」


ラビィ「これは『転移』に近いみたいです。なんせ、落ちたはずなのに『試練の迷宮』を登っていたみたいですから…。最後の部屋まで」


レミリ「じゃあ、ここは…」


ラビィ「迷宮最奥、次の層に繋がる最終試練の場所です」

 

ラビィ(ボス部屋と言った方が、私にとっては、分かりやすいですけど…)


荘厳な部屋。部屋の最奥には巨大な扉があり、その前には騎士甲冑のような意匠のゴーレムが鎮座している。


【ガーディアンゴーレム

  第一階層『春微しゅんび』、試練の迷宮守護者。ボスモンスター。

  挑む者に試練を与える者。五つのコアを持ち、それを連動させ冒険者達と戦う。その両腕は弱きを砕く】



ラビィ「どうやら、向こうにとっても、これはイレギュラー。

 ダメージを与えない……挑まない限り、襲ってこないのでしょう。

 ただし、この部屋を突破しないかがり移動不可な所は残念ながら、そのまま…と考えます」


ラビィ(『ゲーム』のグリッチのようなものでしょうか。あるいは、『ゲーム』ではフレーバーに過ぎなかった『挑む者に試練を与える者』という性質が…?)


レミリ「…出れないの、ね。……アタシが…行くって言わなかったら…」


ラビィ「違いますレミリ。全員で決めました。

 私も、自身の迂闊な行動を謝りたいのですが、今は止めておきます。

 この後の祝勝会で、存分に弄ってください」


アリス「レミリちゃん、みんな一緒だよ?だから大丈夫だよね?」


俯くレミリの肩に手を置くラビィと、二人に近づくアリス。


レミリ「ごめん。弱音が出た。でも、もう大丈夫。

 ラビィ、作戦あるんでしょう?」


二人の手を握るレミリ。頷きを返すラビィ。にっこり笑うアリス。


ラビィ「えぇ、今度こそお任せあれ。

 私が案内するのは、不思議な国ではなく、次の階層になるでしょう。

 そのために力を合わせましょう、二人とも」


レミリ「えぇ!」


アリス「うんっ!」


笑顔の三人。そして、顔を寄せ合う。


ラビィ「―――という作戦です」


無言で頷く二人。そして、ガーディアンゴーレムに向き直る三人。


ラビィ「待っていただき、ありがとうございました。

 我ら新進気鋭の美少女冒険者パーティ『ワンダーシーカー』試練に挑みます」


優雅な一礼をするラビィ。顔を上げると、杵を構える。後ろの二人も同様。


【『ワンダーシーカー』

  エイプリルの町にて結成一週間の冒険者パーティ。

  何かと規格外な余所者、ラビィを筆頭としたお騒がせパーティ。

  その実力もまた、規格外。

 メンバー(登録時LV→現在LV)

  ラビィ・バニッシュ LV:15→20

  レミリ・アンヴィル LV:10→20】


起動するガーディアンゴーレム。

立ち上がると、異常に大きな両手に燐光を纏わせて、ラビィ達に迫る。


ラビィ(今まで、散々『ゲーム』にない仕様に困らせました。

 なので、レミリの盾ももう一段階強化して、レベルもあと5つ程あげて挑むつもりでした。

 しかし、まさか、推奨レベルで挑むことになろうとは…!)


ラビィ「これは突進ではありません!直前に止まって、『ビックコアゴーレム』同じタイミングのパンチ!」


レミリ「分かったわ!」


前列を入れ替わり、レミリが前へ。ガーディアンゴーレムが予言通りにパンチ。


レミリ「アリスちゃん!」


アリス「『レミリちゃんやっつけて!』」


【レミリ、攻撃上昇】


レミリ「『パリィ』!」


大きく体勢を崩すゴーレム。瞬間、ラビィも前へ。


ラビィ「同時に行きます!」


レミリ「分かったわ!」


ゴーレムのコア2つにラビィとレミリの一撃が同時に加わる。5つの内、2つが砕かれる。

倒れる事無く、両腕を打ち合わせるゴーレム。衝撃音が一帯に広がる。


ラビィ「攻撃が上がりました!無理な『パリィ』より回避優先で!」


レミリ「あと3回決めれば勝てるんでしょ!?こっちは絶好調よ!」


とは言いつつも、腰を落とし、ゴーレムを真っ直ぐ見据えるレミリ。


ラビィ(…一瞬、『パリィ』ハイになってるかと思いました。

 中毒性ありますからね、『パリィ』)


一瞬、レミリに視線を移したが、すぐにゴーレムに戻すラビィ。


ラビィ(『ガーディアンゴーレム』はゲーム時代の師匠でもありました。

 大振りなれど、低耐久ならほぼ一撃なパワーの緊張感。そして、コアという分かりやすい回数の提示。彼は『パリィ』の習得練習のパートナーとも言えるでしょう。

 ……第一段階は)


その後も、ラビィによる指令、レミリの『パリィ』、アリスの支援により、3つめのコアを砕かれた。

4つ目のコアも砕かれた時、ガーディアンゴーレムの目が赤く染まる。

辺り一帯の床に拳を振り下ろす。


ラビィ「第二段階!レミリはアリスの前へ!」


レミリ「了解!万が一の時は任せて!」


アリス「『お姉ちゃん負けないで!』」


【レミリ、敏捷上昇】


ラビィ「さぁ、追いかけっこですよ?」


ラビィ、暴れ終わったゴーレムに一撃。

ゴーレムは身じろぎはするが、すぐさま反撃開始。拳を構えるが、途中でなぎ払いへ変化。

ラビィはバックステップで回避。


ラビィ(第二段階、バーサーク。通称、『先生ご乱心』。

 この状態の対応に求められるのは、決まった動作ではなく、アドリブ力。

 今の私なら、一撃食らってもミリ残りは出来ます。すでにそのように『ステータスを割り振った』ので。

 火力を盛ることより、一旦耐久を伸ばして正解でした)


【ラビィ固有スキル①『ステータス割り振り』

  成長する項目を選べる。通常この世界に暮らす人々は、己の成長するステータスを選べない】


ラビィ(アリスの支援。食らっても、残りありったけのポーションを預けたレミリの『アイテムパサー』で回復もある…)


ラビィ「…だから、死ぬかもとか考えるなよ、私!」


【『ゲーム中の死』:ゲームオーバー。直前に祈りを捧げた女神像の前へ戻る。

 『この世界の死』:????】



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。