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第八十二話 〜極姫〜

おはようございます!!

前回、未来の首が斬り落とされたところで終わりました。

今回はどうなるのでしょうか!?

お楽しみください!!

………

……


ガッ!!


 前方で鋭い音がしたのに気がつき、ふと我に返ると、私の目の前には女性ではなく、女性が振りかざした刀を真剣白刃取りが如く受け止めて私を守っている空亡の背中があった。

 

『未来!?大丈夫か!?』

「え!?あ、ごめん!ありがとう!大丈夫!」

 

 私は何が起こったのか分からずに大丈夫と答えたが、確かにどこもなんともなっていない。さっき垣間見た景色はなんだったのだろうか?絶対首を斬り落とされたと思ったけど、幻覚だったのか…?


「へぇ、いきなり嬢ちゃん狙ってくるとは意外と見込みがあるじゃねぇか!?」


 賀茂さんがバトルジャンキー発動と言わんばかりに、舌をなめずり、嬉々として発言した。その発言と同時に、また違った感情で冷ややかに発言した人が1人……。

  

「私の大事な妹に手を出そうとし……た??」


 キョトンとした顔の雪さんの目がどす黒くなっているのを感じる。私のためにここまで怒ってくれるなんて!でも、今私が死んだら、絶対にダメだ!!いろんな意味で世界が終わる!?


 そんな中、1人微動だにせずにその女性を凝視している者がいた。


『おぬし……、もしやとは思うが……、極姫(きょくひめ)……か!?』


 空亡が間違いを恐れるかのように恐る恐る聞いた。


「!?ご、ご……。」


 空亡の言葉に驚いた女性は何かを言いたげだ。


『ご……?』


 空亡もその言葉に反復するしかなかった。

 すると、女性から、溜まった水が決壊するかのように、怒涛のように言葉が発せられた。


「ご、ご主人んんんん!!!……ご主人!うわぁぁぁああぁあ!!!!ご主人なら気づいてくれると思ってましたよぉぉおおおお!!!!!!もーー!!遅いですよお!!!なんなんですか!?どれだけ待たせるんですか!?1000年ですよ!?1000年!?!?アホかってくらい待ったんですからね!?わかります!?ねぇ!?わかりますか!?ご主人も1000年何かしらして待ってたと思うけど、じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっとしての1000年ですからね!?信じられます!?ねぇ!信じられますか!?そしたら、なんですか!?やっと私を求めて来たのかと思ったら、何やら人間の小娘といい感じにしてるじゃないですか!?馬鹿にしてるんですか!?ええ!?馬鹿にしてますよね!?だから、その小娘なんて一目散に殺しちゃえ♡と思ったんですよ!!そしたらそしたで、ご主人が庇うじゃないですか!?もうそれ見て、あ!?なんだ!?マジのやつかよ!?って思うじゃないですか!?私はこれだけ待ってたのに、ご主人は私のことなんて忘れて、人間なんかといちゃいちゃしくさってからに!?そしたら、私もプッチーンしてきちゃうじゃないですか!?でもでも、ご主人、当時はただの刀だった私が人化しているのに気付いてくれて、あ、なんだ、ご主人まだ私のこと忘れてなかったんだ!?…愛してる♡」


 その女性は空亡が探していた刀そのもののようであった。怒涛のように喋り散らかして、今は空亡に抱きついて、スリスリしている。

 私も賀茂さんもお姉ちゃんも先ほどまで感じていた感情は消え去り、呆気に取られている。


「え?ねぇ、空な…

 

「黙れ!小娘!!」

 

 …き。……ええー!?」


 私は空亡に話しかけようとしたところを、空亡にすり寄っている女性に強く拒絶された。彼女は猫のように威嚇してこちらを見ている。


『…極姫…。未来は極姫同様、居なくてはならない存在なのだ。気を許してやれないか?』


 唯一言うことを聞いてくれそうな空亡が極姫の肩を掴み嘆願の言葉を並べた。


「ご、ご主人……!今なんと!?」


 極は空亡の言葉に震えながら反復を求めた。


『未来に気を許してくれないか…だか?』

「いいえ!!もう少し前です!!」

『未来は極姫同様居なくてはならない存在なのだ…か?』

「ンハァッ!!」


 空亡の言葉を反芻し、身悶える極。


『おい、どうした?』


()()()()()()()()()()()!!」


 身をくねくねしながら更に悶える極。その場の全員が、少し引いていた。


「つ・ま・り!!愛しているってことですね!?ご主人!!!!……ぅーん、わかりました!!そう言うことなら考えましょう!!ええ!前向きに考えますとも!!…、さぁ、お名前は??」


 もはや、ギャグとしか思えないその状況に圧倒されつつも、命を狙われることはないかと思い、ホッとした。


「えっと、土御門未来です……。」


 極に言われたように恐る恐る自己紹介をした。


「ふむふむ、なるほどなるほど!そう言うことですか!?確かにご主人が必要というのも理解できました!そうですかそうですか!では、仲良くやりましょう!」

 

 そう言うと握手を求めてきた。

 ぶっちゃけた話、今の今までの所業を見てきて、素直に握手するのも気が引けるくらいだが、空亡の方をちらっと見ると頷いている。大丈夫と言うサインだろう。

 極の顔はどこか清々しいくらいの満面の笑みである。逆に怖い。

 だが、ここで断るわけにもいかない。ゆっくり手を差し出すと、


 ガッ!


 と、手を掴まれ、グッと引き寄せられ、ハグをする形になった。

 すると耳元で、

 

「ご主人は渡しませんよ!」ボソッ

 

 と、告げて離れたかと思ったらまだ満面の笑みで、

 

「よろしくね!みーくちゃんっ!」

 

 と、言って手を離してくれた。

 恋に溺れた者は本当に恐ろしいと感じた。

 だが、本当に悪い者ではないと感じられるので、とりあえずは危険は無くなったと安堵することができた。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

未来が見たのは現実の光景ではなかったようです!

それにしても、極姫は見てもらった通りの性格です。

騒がしいですね。

これからの物語でどんな活躍をしてくれるのでしょうか!?

次回は10/26朝アップします!!

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