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第七十三話 〜百鬼夜行対策チーム〜

おはようございます!!

新たな決意を胸に恵慈さんの敵討を成し遂げると決めた。

それと共に、陰陽省も新たな風が吹き始めます。

今後の話もお楽しみください!!

長老からの要請を受け、私は「百鬼夜行対策チーム」なるものに所属することになった。

 陰陽師達は特に何かするわけではないが、基本的には各自力をつけてください。ということらしい。このチームの陰陽師以外の人材は現在の妖怪達の状況や各地方から寄せられる情報を基にして、何か解決の糸口がないかを探したり、陰陽師達のバックアップを主にやることとなっている。

 私はというと、そのチームに所属はしたものの、戦力として修行をするのが専らの仕事となる。

 まずは、恵慈さんが残してくれた練習メニューを確実に、着実に進めていくことが先決だろう。


「おい!嬢ちゃん!」


 支部長室から出てきた私はあまり聞きなれない声でぶっきらぼうに呼び止められた。振り返り、その姿を見て、ハッとした。

 賀茂さんだ……!


「あ!?賀茂さん!?どうしたんですか!?」

「どうしたもこうしたもねぇよ!おめぇ、こんなとこ来て大丈夫なのかよぉ!?」


 ……意外だった。賀茂さんは私の心配をしてくれていた。しかも1番に話しかけてくれた。支部長室に入る私を見て、出てくるのを待っていてくれたのだろうか。意外と可愛い面もあるんだな。恵慈さんの言う通り、面白い人なのかも……。


「ありがとうございます。大丈夫かと聞かれたら正直大丈夫ではないです……。今でも辛いです。でも、恵慈さんの為にできることはもうはっきりしています!私はもっともっと強くなって、「厄」をぶっ倒します!!」


私は正直な気持ちをぶちまけた。


「……キヒ!いいねぇ!いいねぇ!!嬢ちゃん!とりあえず、嬢ちゃんと一戦交えるのは「厄」とらやをぶっ飛ばした後でのお楽しみにとっておこう!!」

「え!?交えるんですか!?」


 バトルジャンキーは健在か。どうやら私もターゲットされてしまったようです。


「もちろんだ!!嬢ちゃんみたいな強い目をした奴との試合が1番たぎるぜぇ!!」


 いやぁ!!もう完全に楽しみにされている!?…いや、でも「厄」を倒せるくらいになれば賀茂さんも倒せるのでは!?…っと変なことは考えないようにしよう。


「…それはそうと。嬢ちゃんに話を持ちかけたのはこれが本題じゃない。今、時間いいか?」


 あれ?これが本題じゃない?どう言うことだろう。私と賀茂さんには何かを共有するような間柄ではないと思っていたが。だが、この真剣な面持ちに首を横に振るわけにはいかないな……。


「はい、大丈夫ですよ。」

「わりぃな。じゃあ、あの部屋でちょっと話そう。」


 私達は会議室で話をすることとした。

 

「あの……、それで、本題の話とは??」

「おう。まず、俺が陰陽省に所属していないことは知っているか??」


聞いている。所属はしていないが、妖怪登録だけして世界を放浪しているらしい。


「あ、はい、一応。所属してはいないけど、妖怪の登録だけはしていると。」

「おぉ、あってるあってる!俺は、日々を修行に費やしたくて陰陽省のクソつまんねぇ仕事なんかやりたくなくて話は蹴ったんだけどよぉ。今回の件で、正式に陰陽省の一員として働くことにした。」


賀茂さんは思うところがあったのか、陰陽省に所属することになったようだ。


「あ!そうなんですね!?おお!じゃあ、私も先日入社したので同僚ですね!」

「アホ!格がちげぇよ!先輩として敬え!」


むしろ、私が先輩なのに!?まあ、陰陽師としては大先輩か。調子にのってしまった。


「うう…、すみません。」

「まあ、それはいい。次の「百鬼夜行」に対抗するには連携が必須だ。俺も戦いに参加するにあたり、対策チームに所属して、情報共有はしなくちゃならねぇと感じたからだ。」

「なるほど。」


 みんな馬鹿だとかいうけど、色々しっかり考えている人なんじゃないか!?


「まあ、1番の理由は「百鬼夜行」なんていう戦いの場をいち早くいちばん長く感じていたいからだけどな!」


 いや、前言撤回……。馬鹿だった。


「だが、多分「百鬼夜行」を1人で相手取るには流石の俺でも骨が折れる。と言うか、無理だろう。」


 流石にそれは無理だよね。


「そこで、他の陰陽師に戦いのなんたるかを教えてやって、生存率を上げよう!という仕事をもらったわけよ!これが条件で登用してもらった。」


 なるほどー。通常業務はもう度外視だね。まあ、これからの陰陽師はその他業務はないようなものだしな。


「……、それで本題の話って……もしかして…?」

「もちろん、俺と修行しねぇか?強くしてやる。」


 そういうことか。だがそれは願っていもいないことだ。一人での修行には限界がある。


「そういうことならよろこん

    『ダメだ』

 で……、て、あれ??」


 空亡が私の返答に被せるように否定の言葉を入れてきた。


「なんだと!?」


 賀茂さんは空亡の言葉に憤慨したように語気を強めた。


『ダメだ、と言ったのだ。』

「え?どうして?普通にいい条件だと思うけど?修行のエキスパートだよ?」


空亡が断るなんてちょっと信じがたい事実がつきつかられている。


「俺じゃ役不足だとでも言いてぇのか!?」


 賀茂さんは顔を真っ赤にして今にも飛びかかりそうな勢いで怒鳴った。


『悪い悪い。そういうわけではない。正直小僧の戦闘におけるセンスは目を見張るものがある。小僧が未来を見てくれるのになんの不満もない。…だが、未来には最優先にやって欲しいことがあるのだ。よって、小僧の修行が出来ないという訳だ。…いや、出来ないとは言わない。それが終わるまでは待っていて欲しい。』

「最優先にやって欲しいこと?」


 空亡がそんなことを言うなんて珍しい。


「あぁ!?修行以上にやらなきゃなんねぇことなんてねぇだろうが!?」


 賀茂さんは気に入らないのか、まだつったかっている。空亡は気にしていない様子で、私の質問に返答した。

 

『我の得物…武器である刀をとりに行きたいのだ。』

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

賀茂さんは世界各地を旅してきた陰陽師です。

いろいろな知識と共に指導もしっかりできるのではないかと思います!

ですが、ちゃんと教えられるのか心配ですね!

空亡の刀というのも気になりますね!

次回は10/17朝アップします!!

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