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第七十二話 〜再始動〜

おはようございます!!

恵慈さんロスがみんなの中にあります。

ですが、陰陽省は秘密組織であるが故に、その存在を公にはできません。

意外と世知辛いですね。

今回もお楽しみください!!

私たち家族は恵慈さんの親族ということとして、葬儀を行なった。

 通夜の最中、まだ、どこかにいるであろう、本当の恵慈さんの家族に対して嫌悪感を覚えた。

 ……こんな時にも、恵慈さんの本当の親族は参列もしないのか……。

 まあ、完全に連絡を遮断していたらしいし、亡くなったということすら知らない可能性もある。今は、そんなことは考えないことにしよう。


 そして、通夜が終わり、翌日の葬儀も滞りなく終了した。

 人が一人死んだ。そこから灰になるまではなんともあっという間の出来事だった。

 私は忌引きということで、今週1週間は仕事を休み、両親と一緒に恵慈さんの身辺整理を行うこととなった。働き始めてまだほとんど働いていないのにこんなことになり、職場のみんなには迷惑をかけて申し訳ない。正直まだ、気持ちの整理もついていないけれど、仕事に打ち込むことで、気分を晴らすこともできるかもしれないと、少しの期待も込めている。

 恵慈さんのアパートを整理している時、恵慈さんのノートを見つけた。そこには私の訓練メニューについて細かく書かれていた。私はそのメニューをこなせるように、ノートをもらい、訓練をしようと思う。強くなって、「厄」を倒す。これが恵慈さんに報いる唯一の方法だ。

 それから、次の出勤までは怒涛の忙しさで過ぎていった。

 

 ―翌月曜日―


 今日から久しぶりの出勤となる。前来た時は恵慈さんと一緒に出勤だったことを思い出して、少し暗くなる。

 群馬支部の駐車場まで来て、隅にある訓練場の扉にはキープアウトの黄色いテープが貼られて、侵入禁止となっていた。まあ、あんなことがあったのだ。と頷ける。

 まだまだ、苦い思い出がフラッシュバックしてくる。オフィスの方への扉の方へ移動し、扉の前で立ち止まっていると、後ろから声をかけられた。


「早くしないと、就業時間になりますよ。」


 振り返ると、そこにはキョンちゃんが立っていた。


「え……?キョンちゃん?」

「ええ。何を驚いているのですか?」


私はキョンちゃんがここにいることに驚いた。大臣秘書だから東京にいると思っていた。


「え!?だって大臣秘書だよね!?」

「あぁ。理解しました。一度、中に入ってからお話ししましょうか。」


 そう言って、キョンちゃんと共に中へ入って行った。

 オフィスへ入ると中はガラッと変わっていた。

 群馬支部の人と東京本部の人達が入り乱れた編成となっていた。私が休んでいた1週間で無事に引っ越しが完了していたようだ。


「こちらへ。」


 キョンちゃんに促されながら支部長室の方へ向かう。少し気持ちが落ちるが、キョンちゃんはどんどん進む。


「どうぞ。」


 最低限の言葉で私を支部長室に入るように促した。前まではこの扉の先に恵慈さんがいた。そのことを思うと、まだ悲しみが込み上げてくる。キョンちゃんを見ると目を伏せて微動だにしない。完全に入室待ちだ。私は一つ深呼吸をして、勇気を振り絞ってノックをする。


「失礼します。」


 ドアを開けると、支部長室のデスクには長老が座っていた。


「……長老??」


長老がいつもの顔で私を待っていた。


「よく戻って来たな。ありがとう。未来ちゃんの気持ちを完全に理解することはできないが、ここの扉を開けるのは相当な勇気が必要だったろう。」


 長老の言葉についに涙が溢れてしまった。この1週間、泣かない日はなかった。それでも、忙しさで気を紛らわせ、夜な夜な涙する毎日だった。長老はそんな私を気にかけて、理解を示してくれた。確かにこの気持ちは私だけのものだけど、理解しようとしてくれたことに感謝の念が込み上げてきた。


「うぅ……、ありがとうございます……。」


 泣きながらその場に立っていると、後ろからキョンちゃんが抱きしめてくれた。……温かい……。キョンちゃんはキョンシーで死体であるため、体温はないが心が温かくなるのを確かに感じた。少し落ち着いてきた。


「キョンちゃん、ありがと…。もう、大丈夫だよ。」


私は心の底から嬉しくなった。


「いいえ。友達…ですから。」


 キョンちゃんも私のことを心配してくれていたみたいだ。少し間を置き、私が落ち着いたところを見計らって、長老が話を始めた。


「こんなにすぐに復帰してもらって申し訳ないとは思う。とりあえず、最近の情報共有から始めよう。」


 長老の話からすると、まず、恵慈さんの葬儀の後、すぐに引っ越しが行われたらしい。賀茂さんの能力を使って、1日で全ての荷物の移動を済ませ、次の日に場所の整理を行なった。賀茂さんはあんなことがあったからなのか、真面目に従順に指示に従っているらしい。長老的には地球が滅ぶんじゃないかと冗談を言っていた。「厄」の話からそれは冗談では済まないのではとも思ったが、黙っておこう。

 次に、支部長不在の群馬支部に関して。支部長であった恵慈さんの死去により、そのポストが空いた。この役割を務められる人材はいない。しかし、もともと、群馬支部を本部として扱う予定だったこともあり、長老自らが大臣兼支部長をかってでてくれた。

 つまり、このタイミングで、事実上群馬支部が本部となった。それに合わせて、大臣秘書のキョンちゃんもここで働くことになったらしい。

 最後に他のメンツとして、真琴と雪さんも群馬支部への異動が決まり、すでに働いているとの事だった。

 

「……とまあ、こんな感じでいろいろ、変化があったが、なんとかやり始めたってところだな。

 …未来ちゃんにはこんな時に申し訳ないが、いち早く戦力になってもらいたい。正直なところ、半年後に百鬼夜行を抑えられるメンツもそんなに多くはない……。未来ちゃんにも参加してもらいたい。」


 長老は頼み込んできたが、そんなもの答えは決まっている。


「いやいや、もちろん戦いますよ!私だって奴らに好き勝手やられるのは嫌ですし、仇も取りたいです……。もう、こんな思いはしたくないし、絶対に誰も死なせたくないです!!」

「…ありがとう。」

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

未来は恵慈さんのような犠牲をさらに出したくないという決意を固めて、「厄」打倒に力を入れていきます。

今後はより戦闘などが増えていきます!

今後の展開をお楽しみください!!

次回は10/16朝アップします

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