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夜明けの陰陽師〜安倍晴明の子孫と伝説の妖怪がタッグを組んだら〜  作者: 太星
第二章〜新たな決意と共に〜
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第五十六話 〜フローラ〜

おはようございます!!

今回から未来が本来働く群馬支部での話になります!

恵慈さんが支部長のここではどんな人や妖怪達が働いているのでしょうか!?

早速1人出てきます!

是非お楽しみください!!

恵慈さんの運転する車に揺られ、陰陽省群馬支部に到着した。

みた感じそこは群馬県県庁であった。内閣というだけあって県庁のような政府との連携が取りやすい場所が都合がいいのだろうか?と思って車に乗っていると駐車場の入り口から入り立体駐車場のように回って地下へ進んでいき、地下2階で停車した。私はある1ヶ所妙な気配がする壁があるのに気がついた。そして恵慈さんはその壁に向かって車を走らせる。


「未来さん。あそこの壁に入り口がある。最初は怖いかもしれないから目を(つむ)ってていいよ。」


そこにはやはり何らやあるようだ。


「あ、やっぱりそこにあるんですね。東京駅と同じような気配がしたのでなんとなくわかりました。」


「……え?」


 私は気づいたことを話したが、進む車は止まらない。恵慈さんはキョトンとした表情で疑問符を抱いていたが、束の間に壁をすり抜けていた。壁をすり抜けた先は広い駐車場が続き、その一角に車を停めた。


「…未来さん、あれの気配がわかるの?」

「え?いや、まあ、なんとなくですけど、もや〜って感じがありますよ?」


東京の本部にもあった変に現世から隔離された様な気配が感じられる。


「なるほど。未来さんは妖力や特殊な力に対する感受性が高いって話はしたけど、僕が思っていた以上なのかもしれないね。」

「そうなんですか!?」


恵慈さんは私の感受性について自身の見解の間違いを正した。


「あの壁の気配を察知できるのは今のところ僕くらいだと思っているよ。僕でも、百目の力を借りてやっと見えるって感じだよ?それを感覚的に感じられるのはおそらく未来さんだけじゃないかな?」


恵慈さんしか感知できないのか!?


「そうなんですか!?今までも両親を驚かせたことがあったんですけど、それに由来しているんですかね?」

「力を感じることとか、理解することに関して驚かれたのであればそうだろうね。」


私は少し感受性について覚えがある。お父さんと初めて修行した時や、お母さんに初めて回復術式をかけてもらった時だ。


『うむ、確かに未来の感受性は高いと思うぞ。まず、我と出会った時も、結界の外から我の存在に気づいていたしな。』


空亡も私の感受性に関しては覚えがあると話してくれた。


「ああ、そう言えば、ぱんぱん音がするなーって思って施術室入ったら思った以上に激しかったっけ?あれ結界の外だったんだ。」


 あの時は気が動転していたから正直そんなことを気にしていられなかったけど、よくよく思い返してみればおかしいことがいっぱいだ。


『普通であれば、結界の外には影響がほとんどないはずなのに、それに気づいたということはそれだけ感受性が豊かなのだろう。だが、それのおかげで我は救われたがな。』


 私が割って入ったからややこしくなった可能性もあるけど、とりあえず、黙っておこう。


「そうなんですね。僕が少し見誤っていたようだね。今日の予定がひと段落したら未来さんのことを少しみさせてもらっていいかな?今後のトレーニングとか、強化プランを改めて考えてみようと思うから。」


恵慈さんからそんな提案があった。是非ともお願いしたい!


「え!?本当ですか!?やった!是非是非!お願いします!」

『よかったな。これで少しは近道になるかもしれんな。』


 私は今後のプランをどう進めていいか迷っていたから、ある程度の指標を示してくれるのはとてもありがたい。後は突き進むだけだ。

 恵慈さんは入口の結界なんかのセキュリティに関する術式や生活が豊かになるような術式を中心に作っているという話をした。そして、エレベーターで向かった先には受付があり奥にはオフィスが広がった広いワンフロアの職場だった。

 今日はまだ早いから誰もいないが1人だけ受付で待っている人がいた。


「よーこそ!いらっしゃいましたー!みく様!待ってましたよー!」


 ちょっと小さい声が聴き取りづらかったけど、それ以前にその風貌に驚いた。大きさとしたら23センチくらいの羽根の生えた小さな女性が机の上から話しかけていた。


「紹介するね。うちの受付と僕の手伝いをしてくれている、妖精のフローラだよ。」

 

―妖精―

 

 妖怪や幽霊達が住まう場所である常世。妖精も大きな(くく)りでいくと常世の存在である。常世は現世に物体として存在し得ない者や物達の住まうところである。妖精は物語などで語られている妖精界に住んでいると思われているが、妖精界は常世の中に存在している。妖精も基本的には実体を持たない妖怪と同じで、精神と魂のみで存在している。そう言った者達は基本的に常世に存在している。

 フローラはそんな妖精の一体であるようだ。

 身長は23センチくらい、服装は普通にスーツのようだ。背中から半透明の4枚の羽根が生えている。顔立ちは綺麗というよりは可愛い感じで、髪は金髪の肩くらいまでのセミロングでウェーブがかった髪型をしている。


「みく様ー!大丈夫ー!?」

「…は!?大丈夫!大丈夫!可愛くて見惚れちゃってた…。」


フローラちゃん?さん?すごい可愛い!?え!?妖精!?本当にいるんだ!?


「きゃはは!ありがとー!でも、これでも立派な成体なんだよー!」


 フローラはきゃっきゃと話をした。


「僕が修行中にたまたま現世に迷い込んでしまったフローラを保護したんだ。妖精は意外と抜けているからね、ひょんな事で現世に迷い込んでしまうことがあるんだ。」


妖精という種族の種族特性を教えてもらった。妖精っていう種族で抜けているんだ!?


「そーなんですよー!恭弥様には助けられたよー!妖精って恩をきっちり返さないと気が済まないからねー!今も恭弥様のお手伝いをして恩返し中なんだよー!」

「へぇ!そうなんですね!こんなに可愛い助手さんがいるなんていいですねー!雪さんに嫉妬されちゃうんじゃないですか??」


 私は冗談半分で恵慈さんをからかってみた。


「おー!雪様ー!?最近なかなか会えてないから久々に会いたいねー!」

「え!?知り合いなんですか?」


思った反応と違った!?


「まあ、僕とフローラの出会いは雪より先だしね。雪と出会った時にはフローラも一緒だったよ。師匠達も顔見知りだよ。」

「あ!なるほど!」

「そうそうー!聞いてるよー!未来様はおししょー様の娘様なんだってねー!おししょー様達にも会いたいですねー!」


 昔、お父さん達と仕事をしていた頃は一緒にまわっていたのだろう。とても懐かしむような顔をしている。


「いいですね!今度うちに遊びにきてください!」

「みく様ー!敬語じゃなくてもいいよー!妖怪とか妖精には敬語みたいなしがらみはないからあんまり気にしなくてもいいよー!」


新事実発覚!?妖怪達はみんな敬語はいいよーとかいうけど、妖怪界隈では敬語という文化がそもそもないのだそうだ!


「ほんとー!?え!?じゃあフローラって呼んでもいい??」

「いいよー!いいよー!」

「うわ!ありがとう、フローラ!可愛いー!!」


 私の中でマスコット決定しました!正直ソラと張る勢いで可愛い!


 ―……負けないようにしないとですね……。―


 ソラがボソッと何かを言ったが聞こえなかった。


「さてさて。せっかく早くきたからやる事やってみんなを待とうか!」


 恵慈さんが私たちの話を中断して、今日早くきた目的を果たすように促した。フローラには昨日のうちに連絡をしてあったみたいで早く出勤してくれたようである。恵慈さんの助手とはそういう者なのだろうか。


「そう言えば、特に何も聞かずにいましたけど、今日早くきてやる事ってなんですか?」


 私はふと聞いていなかったことを思い出して聞いてみることにした。


「ああ!言ってなかったね。ごめんごめん。新人が入ってくる時は僕がその適性とかを観察するんだけど、僕の力量じゃ長く持たないからみんなの力を借りるんだよね。まあ、言っちゃえば儀式みたいなものなんだけど、その会場作りをいつも僕とフローラでやっているんだ。ちなみに今日の新人は未来さんね。」

 「あ、私の為だったんですね!?すみません。ありがとうございます!なら、私も手伝いますよ!」

「ふふ、まあ、そう言ってくれることを期待していたけどね。」


 優しい笑顔で冗談をいう。


「みく様はきっと手伝ってくれると思ってたよー!がんばろー!」

「それから、今日は長老もくるからその準備もしちゃおうかな!長老の話を聞いた後はバタバタすると思うし。」

「あー……、そうですね。」


 長老からの説明もあるんだった。というか、それが今日のメインになるんじゃないだろうか。私の存在は薄れそうだな。スッと溶け込めるから好都合かな?あんまり目立つのは好きじゃないし。


「よし!じゃあちゃちゃっと始めちゃおうか!」


 恵慈さんの声掛けに応えるように動き出した。正直この場所について何も知らないから何ができるかなと思ったけど、観察するための部屋と長老が話をするホールの準備をするようだ。

 まず、部屋の準備から。フローラは羽根で飛び回って色々な道具を運んだりしている。この作業を私に手伝って欲しいようだ。確かにフローラの体じゃ大変だろうしな。


「いつもは僕が手伝っているんだけど、結構時間かかるしね。フローラの手伝いしてくれる人がいると助かるよ。」


 と言って、恵慈さんは自分の作業に没頭している。そんな恵慈さんは術式の媒介となる陣を施している。自身では行使できない術式をここまで描けるなんて本当にすごい人なんだな。私には何もわからない。

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

ちっちゃな妖精フローラの登場です!!

フローラの身長は20〜30センチと思っていましたが、1番しっくりくるのが23センチでした!ちょっとこだわった身長です!笑

今後もちっちゃい体で一生懸命働きますので応援してください!

次回は9/30朝アップします!!

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