第五十三話 〜『アイツ』〜
おはようございます!!
両親は隊長・副隊長として、長老から協力要請を受けます。
未来も改めて陰陽師として協力と勉強・修行を兼ねて請け負うことを決意します。
またさらに物語も進んでいきます!
お楽しみください!!
長老は、お願いと同時に深々と頭を下げた。
「長老……。水臭いですよ。協力するに決まっているじゃないですか!」
お父さんは長老のお願いに即答した。
「ええ。長老自らがここまで言っているんですもの、断る理由もないですよ。それに、未来の修行にもなるんじゃないかな?」
お母さんがそういうと私の方に目配せしてきた。私のことも片隅に入れてくれていた。
「長老。お母さんの言う通りですよ。私ももっと強くならなくちゃいけないです。この地でやりたいこともあります。それに、空亡のやりたいことって今回の問題と繋がっていると思うんです。だから、協力しますよ!!」
私も長老のお願いにはこちらからお願いしたいくらい賛成である。
「……ありがとう!!それでこそ俺が認めたもの達だ!」
長老は目をキラキラさせながらお礼をいった。その光景を見ていた恵慈さんは、
「やっぱり師匠は変わってないですね。そう言うところに憧れてます。」
「照れるぞ、恭弥……。」
お父さんは真っ赤になっている。相変わらず恵慈さんはストレートだ。なんで雪さんに伝わらないんだろう。
「それで、来週から拠点を移すって話ですけど、準備とかどうするんですか?来週ともなると忙しすぎません?」
早急な対応が必要だとは思うが、いくらなんでも早急すぎやしないだろうか?
「ああ、こんな時のために、一応東京拠点については何ヶ所かすでに整備済みのところがあるんだ。半数はそこに移動するだけだ。群馬支部も場所は大きいからキャパ的には問題ないだろう。あとは移動なんだが…まあ、『アイツ』に頼むしかないかな。」
「あー、『アイツ』ですか。まあ、そうですね。これだけ大がかりなので。」
アイツって誰だろう。
――ピンポーン――
「おお!お寿司きたんじゃないか!?」
「いいねー!楽しみだなー!」
インターフォンで出前がきたのではと長老がいい、お父さんがそれに呼応するようにはしゃぎ出す。
え!?『アイツ』ってだれ!?すごい気になる!?でも、お寿司が来た!そっちも気になる!どうしたらいいんだー!?
みんなで食べても充分お腹いっぱいになるくらいの大きさのお寿司が届いた。特上でこの量だ、お父さんどれだけ奮発したのだろう。恵慈さんの無事が確認できたお祝いも兼ねているから仕方がないとも思うが、結構規格外だ。でも、そのおかげでこんなに美味しそうなお寿司を食べることができる!
お父さんお母さんは恵慈さんと久しぶりの談笑だから嬉しそうな顔をしている。長老も話の輪に入り最近の恵慈さんについて話したりしている。なんで長老から恵慈さんの話をしなかったのだろうか。
疑問に思ったことはすぐ解決した。
「それで、長老!なんで恵慈が働いていること言ってくれなかったんですか!?めちゃくちゃ心配してたんですよ!?」
お父さんは長老にテンション高めにどうしても気になっていたことを質問した。
「ガッハッハ!悪い悪い!流石に恵慈から直接連絡受けてると思ってたからなー!」
「僕としては長老から連絡しているかなと思ってましたけど、普通に僕から連絡したものだと勘違いしていましたね。していなかったんですね。」
「恭弥……、お前、それは抜けすぎだろう!?」
恵慈さんは時々すごい抜けているところがある。色々完璧に見えるけど、どこかしら抜けてるところがあって親しみやすさもある。けど、10年近く連絡がないとなると困りもんだ。
それでも、無事とわかってホッとしている2人は終始笑顔であった。
「みんな楽しそうだねー。」
私は空亡とソラに話をふった。空亡は球状、ソラはキツネの姿になっている。ソラは私の膝の上で丸まっており、その毛並みを堪能するように撫でている。
『そうだな。今も昔も再会が嬉しいのは変わらんな。平安の世でも、このような再会はあった。』
「そっかー。そうだよね。久しぶりに会って無事を知れるのっていいよね!」
ここらでずっと気になっていたことを聞いてみようかなと思う。
「ねぇ、お父さん。『アイツ』って誰なの??」
わいわいしていた場に私の質問が響いた。全員、少しうなだれ気味になってしまったが、お父さんが返答してくれた。
「……うん、まあ、いつかは話さなきゃいけないことだしな。…前に妖怪と契約できている人が5人いると話したことは覚えているか?」
急に前に教えてもらった話の確認から入った。
「え?うん、覚えてるよ。」
「契約者は今、陰陽省に3人いるんだ。長老と恭弥ともう1人だな。このもう1人は長老以外は会ったことないか…。まあ、今回言っている『アイツ』と言うのは、陰陽省に所属していない残り2人のうちの1人の陰陽師のことだ。一応、陰陽省に妖怪の登録とかはしてくれているが、基本的に世界を歩き回っている奔放な奴だ。名前は『賀茂忠志』。賀茂家の直系だ。家系的に才能は十分、実際能力もすごいし、契約もできている。ただ…性格に難ありなんだ……。」
「性格に難あり……?」
ポテンシャルは高そうだけど、それを押し除けるほど性格が悪いのだろうか?それでも、ちゃんと登録とかしてくれるあたり真面目そうな印象はあるけど。どんな人物なのだろう。物事を頼めるあたりも性格に難ありとは思えない。考えれば考えるほど、不思議だ。しかも世界を歩き回っているって言うのも気になるところだ。
「そう、ぶっちゃけ、お父さんはそんなに会いたくないなー。多分、長老も会いたくはないんじゃないかな?」
「うむ!そうだな!会わなくていいなら会いたくない!!」
そんな中、恵慈さんだけは違って涼しい顔をしている。
「忠志が悲しみますよ?僕には被害ないので問題ないですし。意外と話すと面白いやつですよ?」
「いや、話そうとは思ったことあるけど、話にならねーんだって!恵慈だから大丈夫なんだよ。」
???
恵慈さんなら大丈夫?お父さん、長老は苦手?正直どんな人なのか想像もできない。恵慈さんは人当たりがいいし仲良くなれたのかな?そうであれば、私も仲良くなれる可能性もあるのかな?
そんなことを考えていた。
「……で?結局、どんな性格なの?今の話じゃ全然検討つかないよ!?」
「うーん、なんと言ったらいいのかな?賀茂忠志は強烈なバトルジャンキーなんだよ……。」
バトルジャンキー……??
ここまで読んでいただきありがとうございます!!
新しいキャラクターが登場します。
とりあえずは名前だけですが、これから出てきます。もうちょっと先になりますが…。
その前にまた違う人達も登場します!
色々出てきます!!
楽しいです!
次回は9/27朝にアップします!!




