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夜明けの陰陽師〜安倍晴明の子孫と伝説の妖怪がタッグを組んだら〜  作者: 太星
第二章〜新たな決意と共に〜
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第四十八話 〜白川雪〜

おはようございます!!

前回は何者かに襲われた恵慈さんを誰かが助けてくれました。

彼女は今回のタイトルの通りです。

彼女も今後の物語に関わってきます!

好きになってもらえると嬉しいです!

今回もお楽しみください!!

恵慈さんは陰陽師ではなく、裏方の仕事を生業としている。そんな人であるが、前線に(おもむ)いてその観察力を活かした戦術は一目置かれている。しかし、基本的には非力な人間であるため、前線へ(おもむ)くのは危険である。なので、ある程度の力量を持った妖怪とバディを組んで戦っていたらしい。今は支部長にもなり、戦場へ(おもむ)くことはほとんどなくなったみたいだが、こういったいざこざがあると率先して首を突っ込む性格らしい。


「恵慈ぃ。どうしてお前はそうなんだ……。」


 ここに呆れきった雪女が1人。


「いや、だって君がいるのわかってたから。」


 恵慈さんはこの雪女の女性がいるのがわかったからと言った。信頼をおいているのだろう。


「わかってたからって毎回助けてやれるとはかぎらねぇからな!」

「でも、助けてくれたじゃない。」

「……んんん。はぁー……まあ、いいや、お前の相手してると疲れる。」


 彼女は諦めたように壁にもたれかかった。そして、私の方を見て、


「いきなり悪かったな。アタシは(ゆき)、ここでは白川雪(しらかわゆき)って名乗ってる。こんな澄んだ名前はアタシには似合わないって思ってるだろ?安心しろ、私も似合ってないと思ってる。」


 そう言った雪さんは、セミロングのストレートの髪で前髪はアシンメトリー。白い髪に黒いインナーカラー。タイトなスカートのスーツの上に革ジャンを羽織っている。お昼から帰ってきたところだろうか。身長は170センチくらいだろうか。かっこいいモデルみたいな体型をしている。


「あ!いえいえ!そんなこと思っていませんよ!?」


私は慌てて否定した。


「まあ、それはどうでもいいわ。あんたが隊長と副隊長の娘か。元気そうだけど、あんまり鍛えてはいなそうだな。」


雪さんは私のことをジロジロ見ながら品定めするようだった。その時話していた言葉に引っかかった。


「隊長、副隊長って…、両親の知り合いなんですか!?」


そう、私の両親のことだ。


「ああ、よく一緒に遠征に出てたんだよ。2人は強くて美しくてアタシの目標さ。その遠征でよく恵慈とはバディ組まされたのよ。」


 お父さんお母さんすごい活躍してたんだな。完全に隠してたみたいだけど、隠蔽(いんぺい)能力すごいな。全然気が付かなかった。


「まあまあ、話したい気持ちもわかるけど、まずは、この子をどうにかしないとね。」


 恵慈さんが話に入ってきて、今の状況をどうにかしようと提案してきた。確かにここに氷漬けににされている方をまずはどうにかしないといけないなとは思う。一瞬でこんなに氷漬けにできるなんて、雪女ってすごいな。


「じゃあ、まずは長老に報告からだね。」


 恵慈さんはそういうと、スマホを取り出して連絡を始めた。

 

 ――報告中――


 恵慈さんの報告が終わり、長老が現場にきた。


「ふむ、やっぱりなんか怪しい感じがしたんだよなー。恵慈呼んでおいてよかった。」


長老はこの状況を見るなり、やっぱりと言った。予想していた結果なのかな?


「そうですね。多分、僕でもないと気づけないくらいの認識阻害でしたよ。」


恵慈さんと長老の言葉でふと気づいた。


「え!?長老は何か勘づいていて恵慈さんを呼んでいたんですか!?」


恵慈さんは定期報告で来たんじゃなかったっけ??


「ん?ああ、そうだな。俺が頼んでおいた。みんなに言うわけにもいかないから、定期報告っていう名目で来てもらっていたんだ。やっぱりあいつはクロだったか。防御網をどうにかしないといけないな。」


長老はその先の話を考えているようだ。


「まあ、ここまでの奴はなかなかいないとは思いますけどね。用心するに越したことはないでしょう。」


恵慈さんの見立てだと、余程のことがない限りここへの侵入は困難らしい。


「こんなに厳重なのにまだ必要なんですね。実際にどうやって潜入したんですかね?」


 ここのセキュリティはすごい厳重ではあると思うのだけど、それでも侵入を許してしまうのはなんでだろう。と気になったので聞いてみた。


「こいつの意識阻害能力はずば抜けている。意識阻害っていうのは、そこにいるのにいないと思わせることね。そして、意識阻害ができると言うことは意識を操ることも可能であると考えるべきかな。おそらく、ここの職員の誰かの意識を操作して一緒に入ってきた可能性が高いな。もちろん、その職員も何にも覚えてないでしょう。」


「俺かもしれないな!」


 長老は冗談めかしくガッハッハと笑っている。結構大事だと思うけど、笑って済ませられるあたり大物だな。


「はぁ……、笑い事じゃないですよ。各拠点の入り口に悪意を感知するようなゲートを考えてみますかね。」

「おお!それいーねー!!採用!!」

「いや、まだ構想段階ですから。悪意って結構難しいんですけど、なんとかやってみます。」


 とんとん拍子にことが進んでいく。恵慈さん、本当にできる人!!その後も長老と話を続けている。


「恵慈さん、すごいですね。」


 私はふと隣にいた雪さんに話しかけた。


「……。あ!?あぁ。こう言う事はすごいと思うよ。」


 最初沈黙していたけど、恵慈さんのことを優しい顔で見ていた。その姿を焼き付けようと集中しているみたいに反応が遅れていた。…もしかして、恵慈さんのこと好きなんじゃないだろうか。


「雪さん、もしかしてえ……。」


 恵慈さんのこと好きなんじゃ。と言おうとしたのを感じたのか。


「いやいや!それはねぇーよ!あんな優男!いつもいつもアタシを頼りにしやがって。少しは鍛えやがれってんだ!まあ、頭はいいし、頼りになる時もあったりはするんだが……。いやいや!でもやっぱりアタシなんかむしろガサツすぎて似合わないと思うし。いつも大雑把でなぁ……。」


 そんな感じで、真っ白だった顔を真っ赤にして焦ったり、真っ白に戻して落ち込んだりしていた。多分、私よりもわかりやすい人なんじゃないかな。そうだな。絶対に恵慈さんが好きだな、こりゃ。それでも、自分が釣り合わないと思って落ち込んだりしている。すごい可愛い人なんだと思った。


「あ、わかりました。もう何も言いません!落ち着いてください!」

「……ん?あ、ああ!すまないな、取り乱して。アタシは仕事に戻る!」


 そういうとデスクの方にそそくさと帰って行った。

 いやー、仲良くなりたいな!恵慈さん群馬支部だから普段はあんまり会えないんだもんなー。まあ、あまり深追いはしないでおこう。 

ここまで読んでいただきありがとうございます!!

今回紹介の雪さんです!

彼女はパンク系の格好が似合うツンデレ女子って感じです。結構王道のキャラですが、しっかりこれからどう関係を持っていくのか楽しみです!

次回は9/22朝にアップします!!

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