第三話 サルでも分かる魔法の全て
起きたら昨日の事は全部夢で、今日が見極めの水晶の儀式の日なんだ
そう思い魔法学校に行ったがそんな事は無く、昨日は現実だったと思い知らされた
先生は明言こそしなかったがやんわりと他の道はある、遅くは無いから考え直したらどうか?と魔法学校から去るよう提案してきた
魔法の才能が無いヤツが魔法学校に居る意味はない、至極当然のことである
だがはいそうですかと簡単に受け入れれるほど俺は強くない
上の空で授業を受け、いつの間にか下校時間になっていた
家に帰ると机の上の本が目に入った
昨日は帰宅したらそのまま寝てしまったのでこの本の事はすっかり忘れていた
飴以下とはいえ金を払った以上は元を取るかという思いで本を開いてみる
『〜サルでも分かる魔法の全て〜、これであなたも成功者に!! 第一章 魔法ができるまで』
サルという言葉の意味は分からないが胡散臭さ満点なタイトルが書かれていた
だが不思議とページを捲りたくなる衝動に駆られる、今は藁にも縋りたい
読み進めると興味深い内容が書いてあった
本によると魔法は大きく次の工程に分解されるそうだ
まずは魔法を使うのに魔力を固める
次にその魔力に属性を付与する
そしてその魔法をどう動かすのかを指示する
この3つの工程だ
そしてその2つ目の工程が俺に絶望を突き付ける
やっぱり見極めの水晶で属性が見えなかった俺には魔法の才能が無い
こんな胡散臭い本にトドメを刺され意気消沈する、惨めだ
だがページを捲る手は止まらない、むしろ続きが読みたくて仕方がない
次の章のタイトルがまた目を引く
『第二章 魔法の才能、属性の才能、魔力の才能』
これらは一緒にされがちですが実際には異なります、魔法の才能とは魔法を行使する才能で属性の才能と魔力の才能は個々を操る才能でしかありません
つまり属性の才能と魔力の才能を合わせたものが魔法の才能と言えます、なので属性の才能が無いから魔法の才能も無いとはならないのです
衝撃だった、この事が事実ならまだ自分には魔力の才能があれば魔法が使えるのでは無いか?
そんな考えが頭をもたげてくる
気が付けば胡散臭いと感じていたこの本に夢中だった。疑問に思った事はすぐ次のページに答えが書いてあり、抱えた時の重さからは想像できない量のページ数で捲っても捲っても終わりが見えない
一晩中本を読み耽り、自分の進むべき道が分かった気がした




