083.爺、目的地なのじゃが…
鍛冶仕事を終えて宿へと戻り、部屋でシャワーを浴びて汗を流した儂は厨房へとのぅ。
宿の厨房での仕込みなんぞは済んでおるようじゃてな。
少々鍛冶仕事に熱が入り過ぎたわえ。
戦争状態の厨房にて、早速調理へと参戦じゃわえ。
ラセヨツラ様と交代して儂が調理を行うて行くわけじゃがのぅ、徐々に儂の調理担当分が増えておらぬかえ?
そうは思ってもの、調理に忙殺されて確認なんぞ行えはせぬがな。
次々と料理を作り仕上げては、次の品へと取り掛かっておるぞい。
ラセヨツラ様のチェックや指摘を受けつつも、別課題の料理も同時進行にてな。
目が回る忙しさとは、このことじゃてのぅ。
そんな何時もの調理を終えてから賄いを平らげて部屋へとな。
部屋で再びシャワーを浴び、ベッドの縁へと腰掛ける。
この宿には温泉や浴槽付き大浴場なんぞは存在せぬでのぅ。
次に温泉へ入れるのは何時になるのじゃろうか…
ま、そんなことよりもじゃ、今日の定時連絡としてGMコールをのぅ。
繋がったGMは、今日も新たな別担当であったのじゃがのぅ、いやぁ、話が弾むわえ。
少々寝るのが遅くはなったのじゃがな、グッスリと眠れたで良しとするかのぅ。
そして朝じゃ。
何時もの日課は、何時もの通りじゃての。
馬車にて移動も同じじゃて。
代わり映えせぬ日常と化してしもうたルーチンは告げる必要もないでのぅ。
じゃから、数日経った今を話すぞい。
日常のルーチンと違うこと…そう、晶石産地へと辿り着いたのじゃよ。
皇国の晶石産地へと存在する晶石は地晶石でのぅ、一番ありふれた晶石と言えようぞ。
そうは言ってものぅ、そのありふれた晶石を見付け出すのも困難なんじゃとか。
それを儂が探し出せるかを調べるのも、こたびの目的なのじゃよ。
ただのぅ、晶石産地にて地晶石探索を行うのは明日からとなったでな。
半日も猶予がない状態にて探索を行うても効率が悪いとなったのじゃよ。
でな、今日は誰が指導するかで揉めてなさるわえ。
いやいや、修練を行うのは決定なのかえ?
儂が困っておるとの、シスター・アンジェリンの元に怪我人の治療助成依頼がのぅ。
「これは神がユウ様にて怪我人を治せとの試練でしょう」などと言い始めてな。
これはにダリル様方々も文句を言えずに押し黙ったわえ。
そして儂はシスター・アンジェリンに伴われて教会へとのぅ。
いやいや、教会内へと運び込まれた者達は酷い有様であったわえ。
いったい、何があったというのじゃ?
まぁ、そんなことを追求しておる暇はなさそうじゃ。
儂は魔術と神術を併用しつつ次々と患者を癒していくのじゃった。




