067.爺、魔女の薬?意外と科学的なのかえ?
村にも調薬師はおったが、流石に作業部屋を間借りする広さはなかったようじゃてのぅ。
ゆえに調薬修行は中止かと言えば、そうはならなんだわぇ。
なにせ調薬設備を小箱収納して持ち運んでおることをゼルダ婆様は知っておるゆえな。
お婆様にバレたことを知ったのは旅を始めて間も無くのことじゃったのぅ。
「ユウよ、おぬし…調薬を行う設備を持ち運んでおると言うのは本当かえ?」っと尋ねられたのじゃ。
そのことをお婆様が知っておったことに大層驚いたことを覚えておるぞぇ。
何故にお婆様が知っておったかと言うとじゃな、キャサリン嬢から聞き及んだとのことじゃった。
お婆様も女性ゆえにな、女子の集まりにて色々と話されておってのぅ、その時に知ったそうな。
キャサリン嬢にも困ったことじゃて、ふぅ。
ゆえに設備があることはお婆様にはバレてしもうておるでな、村の広場へ調薬小屋をのぅ。
そこにてお婆様より調薬に対して色々と学ぶこととなったのじゃよ。
さて薬材なのじゃがな、様々な品が存在するのじゃ。
薬草と称される品も様々なのじゃが、木の実や野草、木の葉どころか木の皮なんぞも品によってはな。
植物だけではないぞぇ、獣や魚介より得られる薬材なんぞもあるゆえにのぅ。
鉱石系から得られる薬材の話を聞いた時には驚いたぞい。
この話をGM須藤殿と話しておるとな、リアルの薬でも鉱石由来の品が存在するのじゃとか…
いや、儂は毒にしかならぬと思っておったのじゃが、まさか薬にのぅ…
教練所にて薬草を擂り鉢にて砕き擂り潰して水にて溶かし煮るなんぞと思い告げたら失笑されたのは苦い思い出じゃて。
いや、昔に読んでおったファンタジー小説なんぞでは定番じゃったのじゃがのぅ。
大体じゃ、そのような大雑把な作り方をしたペースト状の品は患部に塗るか湿布のようにして使う物なのじゃと。
飲んで傷が癒えるなんぞ、どんな御伽噺かと呆れられたものじゃて。
大体じゃ、葉物にて薬効がある品も数あるうえにのぅ、それらに対する処置も様々なのじゃぞい。
生のまま扱う、乾燥させて扱う、炒ってから、湯がいてから、蒸してか…etc.
しかも葉脈より葉だけを取り除いて葉を使用したり、逆に葉脈を使用したりの。
さらに、それらから成分だけを抽出したりもじゃ。
それだけでも手間なのに、複数混ぜてから始めて効能が現れる品も多いでな。
数ミリグラム単位にて分類し、正しい手順にて混ぜ合わせねば、正しい調薬が行えぬのじゃ。
量や手順を誤ると別の薬になったりのぅ、下手をすれば毒薬と化すでな、気が抜けぬ作業じゃてな。
っとは言ってものぅ、今では錬金術と魔導機にて手順が簡略化されておるゆえ、昔ほどではないのじゃよ。
お婆様は儂らと同行するようになって魔導機の使用方法を知ったそうな。
いままで錬金術で行っておった作業が魔導機にて簡略化できると知って大層驚いておられたわえ。
つまりはじゃ、以前は魔導機を使用せずに全て手作業と錬金術にて調薬を…マジかえっ!
儂は御免蒙るぞえっ!
まぁ、流石にお婆様ものぅ、そがいな無茶は言いなさらんだわえ。
じゃが、数多の調薬レシピを教えてくださるわけなのじゃが、どのレシピ本に載っておるかを把握するだけでも大変なのじゃ。
それを空間拡張した袋から探し出されてから調薬じゃったのじゃがな、今ではお婆様専用の本箱へと本を納めたゆえに以前のような煩わしさはないのぅ。
この空間拡張袋をセルフィス様より譲り受けたさいに儂の話を詳しく聞き、儂の旅へ同行する気になったのじゃとか。
儂へと色々と教えるつもりでな、持っておられる蔵書を手当たりしだいに袋へ入れて来られておったゆえ、最初は必要な書物を見付けるのも一苦労じゃったわえ。
今も教えてくださっておる調薬レシピ本を元に薬を調薬しておるぞい。
それも森林地帯にて珍しき薬材などが手に入ったゆえにな。
物によっては調薬してしまうと劣化を早める品もあるのじゃよ。
そのような薬以外で長期保存に耐えうる品を色々とのぅ。
しかし…水疱瘡の薬なんぞ、すぐには使わぬと思うのじゃが…どうなのじゃ?




