046.爺、いや、儂もかえ?
さて、昨日と同様に馬車の中では読書の時間となっておるぞい。
森林地帯を貫く街道は、馬車3台が併走しても大丈夫な道幅が確保されておってな、意外と整備も行き届いておるようじゃて。
旅慣れたダリル様の話ではのぅ、森などの中に設けられた道などの整備は、なかなか行き届かぬことが多いらしいわえ。
倒木などで塞がれたり、大きな陥没などができておったりのぅ。
酷い時にはの、新たにできた川に道が分断されておったこともあるそうじゃよ。
ダリル様は馬にて旅をされることが多かったそうでな、そんなことに遭遇してもなんとか乗り切っておられたのじゃとか。
馬車では立ち往生じゃろうのぅ。
まぁ、この道は皇国が晶石産地へ向かう公道として管理しておる道じゃ。
さらには森林地帯の村であるイトラへ向かう者も多いゆえ、整備も欠かさぬらしいからの。
現に、儂らが通った時にも道を整備しとる工夫達と何度か擦れ違ったそうな。
っと言ってもの、昼食時の昼休みにて雑談しておる時に知ったのじゃが…
なにせ周囲を隔てられた箱馬車の中で読書しつつの移動じゃて、外の様子などのぅ。
馬車内は振動は別としてのぅ、内部の空調なんぞは儂が持ち込んだ空気清浄機にて整えられておるのじゃ。
むろん温度なども、馬車へ搭乗しておる個々それぞれにて適温化させる優れ物じゃぞい。
卒業試験の話が出る数日前に造り上げた最新作でな、初お披露目の自信作じゃて。
流石に、馬車内にて使用するとは思うてなかったがのぅ…
食事自体は街道端に馬車を停車させて馬車内にて摂ることにのぅ。
流石に街道へ全員が降りて行動する程には街道は広くはないでな。
ゆえに、宿にて用意された弁当を車内へと広げて食べておると言うわけじゃ。
儂らは馬車内じゃが、御者は御者台にて、護衛騎士達は各々の愛馬より降り、その側でのぅ。
なにせ馬にも餌を与えたり休ませたりせねばならぬからの。
儂らの場合、水は同行した術師が魔術にて生み出しておるゆえに、ふんだん使えるのじゃ。
その水を惜しげもなく馬へ与えておるな。
餌の飼葉などは森林地帯玄関口の村にて大量に購入したばかりじゃ。
儂が内部を空間拡張した予備の荷物袋を提供したでのぅ、飼葉の心配なく旅ができると御者と護衛騎士達に喜ばれたわえ。
ただのぅ、袋は内部空間を拡張し軽量化しただけなのじゃよ。
良くあるゲームでのインベントリーのように時が止まるわけでのぅ。
つまりは劣化すると言うわけでな、そこが少し気に入らぬところじゃてな。
悪足掻きに氷魔庫のように物品が劣化し難い温度へと保たれるように袋内部を調整してはおる。
じゃがの、劣化が止まっておるわけではないでな。
いつかは完全に劣化防止が行える袋を造りたいものじゃて…
そして食休みを終えた後で儂らは再び街道を移動する。
儂らが食事をしている間にも何組かが街道先から現れ、元来た方へとの。
逆に儂らを追い越して先へと進んで行った者達も。
大概は馬車1台を数騎の馬へと騎乗した護衛が守り移動しておる。
じゃが中には徒歩の者も何組かはおったのぅ。
流石に単独行動しておる者はおらなんだが。
なにせ街道とはいえ森林の中を通る道じゃての、護衛なしで通るには危険過ぎるわえ。
現にのぅ、食休みを終えて進むと魔獣に襲撃されておる者達がな。
護衛者達が迎撃しておったが、空かさず騎士達が助太刀して討伐しておったぞい。
っかのぅ、嬉々として行かれるダリル様には困ったものじゃが…
何故に儂を連れ出すかのぅ。
いや、ゲームでの初戦闘が魔獣って…ハードルが高くないかえ?
十数匹いた魔獣の内の1頭を強制的に割り振られたゆえ、まずは魔導銃で眉間を打ち抜いたら叱られてしもうた。
何故に?え、銃は禁止?そう聞き槍刀にて別魔獣の首を跳ね飛ばしたら槍刀も禁ぜられたわえ。
どうやら教えた刀術にて戦わぬのがご不満のご様子。
仕方ないゆえ、刀縛りにてのぅ。
2刀流にて素早く魔獣へと近寄り、擦れ違いざまに首を刎ねて次へとな。
止まれば他の魔獣に狙われるでな、移動しつつ次々と…えっ?身体強化は駄目?
また縛りですかいのぅっ!?
じゃがの、魔獣と戦っておるのは儂だけではない。
襲撃されておった馬車の護衛者や、儂らの護衛である騎士達もじゃ。
そんな者達も遊んでおるわけではのうて、シッカリと仕事をしておるわけで…既に魔獣はのぅ。
いや、魔獣の数が少ないってアータ…ダリル様が一番屠ってなすったのじゃが、そのアンタが言うのけぇ、それを?




