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045.爺、不味い、もう要らぬぅっ!

さて、何時もよりも遅い目覚めとなったがのぅ、何時もの散歩としようかえ。

それでもの、日が昇り始めたばかりの時間ゆえ、十分に早いと言えるのじゃがな。


部屋から()でて宿の外へとのぅ。

ゆるり、ゆるりと呼吸を整えつつ村の中を散策するぞぇ。

その際には呼気を意識し氣と魔力を練りつつ、さらに歩法を意識しつつな。


森に近き故か魔素と精氣が強く漂っておるわい。

魔那(マナ)は全なる元となるエネルギーと位置付けられておるのだとか。

分子や原子の構成元素となっていると、このシミュレーターでは定義されておるそうな。


そして魔素はマナを動植物などの生命体が取り込み体内生成して放出したエネルギーなんじゃとさ。

ゆえにの、森など木々が生い茂っている場所などでは魔素が濃いのじゃよ。


精氣は霊氣とも言われておってな、生命エネルギーの根源らしいのう。

こちらも生命エネルギーの根元と呼ばれるだけにのぅ。


そう言うわけで、森林地帯の入口と呼ばれるここは皇都に比べ遥かに魔素と精氣が満ち溢れておるわえ。

それを呼気にて体内へと導き練る。

うむ、朝から血が清められ力が満ちて来る心持じゃてのぅ。


そんな散策を行いつつ、昨日ダリル様に扱かれた広場へと…

あや、これはシモウタやもしれぬわえ。

いやの、広場には既にダリル様が居られてな、自己鍛錬の最中であったわえ。


ここは気付かなんだことにして、早々に立ち去るが吉であろうのぅ。

そう考え、さり気無く広場から遠ざかろうと…


「ほぉう、朝早くから感心でござるな。

 ふむ、早くも歩法を己が物としておるか…矢張り面白き者である。

 どこまでの高みへ…」

ニヤッと笑った顔は、獲物を見定めた猛獣が如しじゃっ!

ヤバイ御仁に見込まれたのやもしれぬのぅ。


幸い、散策に時間を掛けたゆえにな、軽く型稽古をする程度の猶予しか時間がなかったわえ。

それを終えて、早々に宿へとのぅ。


宿へ戻るとじゃ、既に朝食が用意されており、それを早速しょくしたのじゃが…

「イッ~ヒッヒヒ、ほれほれ、これを飲んでおくのじゃ」っとゼルダ婆様がのぅ。

なにやら、えげつない色をした液体を注いだ湯飲みをな。


「こ、これは…なんですかいのぅ?」っと反射的に尋ねてしもうたのはしかたあるまいてのぅ。


「疲労回復、体内機能調整などの様々な効能のあるババ特製薬湯じゃて。

 ほれ、遠慮せずにグイっと飲むが良いぞぇ」


にこやかに進められた薬湯とやらは凄まじい香りをのぅ…いや、臭気とハッキリと告げるべきか…

ババの目が恐いゆえ、イヤイヤながら飲んだわけじゃがの。

うぐぇ、す、凄まじく不味いわえ、ドロリとした喉越しが口内と喉へとへばり付く感じが…ががっ!


気付いたら馬車の中での、既に森林地帯を馬車は進んでおったわえ。

オババ様ぁっ!一体儂に、何を飲ませたのじぁっ!

っと、んっ?いや、そのな…昨日修練の疲れが消え去り活力が漲っておる儂がおるぞい。


ひょっ!あの薬湯の効能かえ!?

あの澱のような疲れ…体の芯に蔓延るような痺れが綺麗に消え去っておるのぅ。

確かに凄まじい効能と言えるのじゃろうが…凄まじい臭気と不味さに不快な喉越し…あれは勘弁じゃっ!

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