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024.爺、意味分からんわえ!?

それからジェロウとか名乗った若造教員に魔術教科に対する適性検査とやらを受けたわけなんじゃがのぅ。

今、キャサリン嬢と共に儂の前で頭を抱えておるわえ。


「ありえない、ありえないわよぉ…なんなの、アナタ…」

「まったくですね。

 こんなことは聞いたこともありませんよ。

 全教科に対して適性があるなんて…化け物ですか?


 しかも、対極属性の適性など稀少すぎて歴史上でも伝説クラスとしてしか聞かないのですが…

 なんで全属性に対して適性ありなんです?

 しかもマナ変換質もマナ変換率も高いとは…宮廷魔術師候補として報告が必要なレベルなんですがねぇ」


「いや、ちょっとねぇ…

 魔術陣に対する適合性も高いわよ、この子ったら…

 魔術研究所に知られたら大騒ぎレベルなのだけれど…


 魔術研究者の端くれである私からしたら放置できないレベルなのだけれど…ふぅ、晶石に対する適合も高いからねぇ。

 はぁぁぁっ」


いや、溜息を吐かれてものぅ。

行う検査の全てに対して高レベルにて適合性がのぅ。

いや異常じゃと説明されぬとも分るのじゃがの、どうしてこうなったのじゃ?

プレイヤーであるならば、そうなるのであれば過去にも同様のことが起こっておる筈じゃて。


なのに2人の様子を鑑みるにのぅ、今まで同じようなことは起こってはおらぬようじゃてのぅ。

これは一体、どうなっておるのじゃ?

首を傾げるしかないわけじゃが…


「とにかく、魔術教練所としては他の教練に対しては諦めていただけるとありがたいのですがねぇ」


そうジェロウ教員が懇願するようにのぅ。

そうは言ってものぅ、他の教練所に対しても興味はあるわえ。

まぁ、事務教練所はどちらでも良いとも言えるわえ。

なにもファンタジー的なことが行える世界で事務職なんぞに就いてものぅ…


じゃがの、武術教練所と生産教練所には興味がのぅ。

西洋風な武具よりは日本刀のような代物に対する憧れはあるでな。


そうなるとじゃ、己が武具を鍛え造り出す鍛冶仕事にものぅ。

その思いを告げるとじゃ。


「ううむぅ…魔術師は近接戦が弱点ではありますしねぇ。

 そう考えると、近接戦に対する心得を得ておくのは良いのかもしれませんねぇ」


そう告げ考え込むジェロウ教員。

そんな教員にキャサリン嬢が続けて告げるわえ。


「そうねぇ、鍛冶師は別としても晶石を扱うならば魔導具や魔導機に対してもあるていど学んだ方がよいかもしれないわ。

 そう考えると生産教練所へ通うもは悪い話ではなさそうねぇ」


「そうですねぇ。

 それに彼は難民として、ここ皇都へと来ているそうです。

 なれば糧を得るために働かねばならない筈ですね。


 そう言う意味では実地で学んでいただくことを考え、色々とですねぇ」


「ああ、それは良いかも」


などと2人で盛り上がり始めてしもうとるわけなのじゃが…勝手に話を進めんで貰えぬかのぅ。


「いやいや、何をさせるつもりかは知らぬがのぅ、素人が行えることなのかえ?」っと、つい突っ込んだわえ。


「それは大丈夫よ。

 何も1人で行えなんて言わないから。

 現地で教えつつ動いて貰おうと思っているだけなの。


 その方が早く色々と身に付くでしょ」


極端なスパルタじゃのっ!ほんに大丈夫かえっ!

不安になってきてしもうたわえ。


「ふぅ、ま、とにかく!こちらでの検査は完了しましたから武術教練所へ向かっていただけますか?

 あちらへは、こちらから連絡を入れておきますから」

そうジェロウ教員に促される始末じゃて。


そして彼に連れられ検査室を出て魔術教練所を後にのぅ。

次は武術教練所なわけじゃが…さて、どうなるのじゃろうかのぅ、ふぅ。

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