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プロローグ

いつも読んでいただき、ありがとうございます。

この物語は生と死テーマに描いたラブストーリーになっています。

エテル殿下に振り回される、ディアナが見どころになります…笑

千年以上生きる人間が当たり前のこの世界で、私の寿命は最長二十二歳。


……うん、短っっっ!!


いや、笑えないんですけど!?

ここは生の神アウレリアの加護を受けし、長寿至上主義国家・ヴィタ王国。この国において『聖女』と呼ばれる存在は、癒しの奇跡で病や怪我を取り除き、人々を救う誉れ高き職だ。

その代表格が、あの『オーレリアン・フロレンツィア・カサンドラ』様。二つ名は『エターナル・リリィ(不朽の白百合)』。神々しいほど美しくて、現在の寿命は、なんと一〇一二年!!


羨ましいにも程があるでしょ!! 私なんてあと四年で人生のシャッター閉まるんだよ!?

癒しの力を使えば使うほど自分の寿命が削れる私とは、まさに正反対の存在だ。まあ、困ってる人を放っておけない性分だから助けちゃうんだけどさ。


でもね? あと四年で「はい、終了ですー」とか、正直めっちゃ不安なんですよ! もっと美味しいもの食べたいし、亡くなったお母様の分まで生きていたい。

それなのに、現実は非情である。


「ディアナ様! この子の熱を……どうか!」


「っ、はい! 今すぐ診ます!」


はい、今日も命、削りまーす!!(号泣)


……ちなみに。私には、墓場まで持っていかなきゃいけない秘密がもう一つある。

触れた相手の寿命を奪って、自分の命に変えられる禁忌の《死神の力》。


そうですよ、バグ能力二刀流ですよ! 『癒し』と『死神』って、どんな相反スキル!? 属性の大渋滞にもほどがある。


お母様が遺した家訓『何があっても、人の命を奪うべからず』。


うん、守ってる。必死に守ってるよ。でもねお母様、このままだとマジで二十二歳で強制ゲームオーバーなんだよ!?

神様、これ絶対キャラメイクの段階で調整ミスってるよね!?

そんな絶望的な生存戦略を練り直していた、ある日のこと。


「……あの。君が、聖女候補のディアナ様で合ってるかな?」


不意に声をかけてきたのは、陽光をそのまま結晶化させたような金髪に、完璧な微笑みを浮かべた青年だった。


うわ、顔面国宝……!

いや、待って。この人、見覚えがある。というか、見覚えしかない。国中でその名を知らぬ者はいない、第一王子にして王太子エテル殿下じゃないの!?

え、なんでそんなVIPがこんな路地裏に。護衛も侍女も連れてないの!? なにこのお忍びプライベート感!?


「え、あ、は、はい! そうですけど……っ」


戸惑い、一歩下がる私。けれど彼は、逃がさないとばかりに一歩近づいてきて


キラッ☆


幻聴で効果音が聞こえそうなほどの完璧なロイヤル・スマイル。

そして彼は、甘く蕩けるような声で、とんでもないことを言い放った。


「やっと出会えたね。ずっと探してたよ『死神ちゃん』♪」


「…………はい?」


……え? 今、なんて?


死神……ちゃん?


いやいやいや待って、それ、絶対にバレちゃダメなやつ!! よりによって王太子殿下に「死神」呼ばわりされるって、どういう状況!?


あ、やばい。顔に出てる。私の動揺、全部顔に出てるよ。


殿下の笑顔、破壊力えぐすぎない……?

そのときの私はまだ知らなかった。


彼が本当に求めているものが、「死神の力」そのものだということを。

そして彼の口から次に飛び出す言葉が、私の人生をさらにとんでもない方向へ引きずり込むことになるということを。


……いや、待て。


ここから始まるんですよ。私の人生で一番面倒くさくて、一番騒がしい『命がけの恋』が。


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