その16 盗賊退治10
やっぱり闘いの部分は難しい
2人の剣がぶつかる。その接点には剣によるものか2人によるものなのか火花が走る。
「チッ!」
しなる自身のレイピアに折れる危険性を感じたのかグランドはバスターを蹴り、その反動で後ろへと飛んだ。
「フンっ!」
着地をするとグランドは間髪いれずに前に飛び出し、その剣でバスターに向けて真っ直ぐ突きを放つ。
「オァァァ!」
バスターは自分の眉間に飛んでくる一筋の針を持っているソード斧の剣の部分の刃で受け流す。
グランドは受け流されたレイピアと共にバスターを通り越して着地した。壁に配置されている数多の松明の灯りがグランドの影を地面に写しだす。
しかし次の瞬間、彼の影を背後の別の影が覆い出した。
「 !! 」
グランドが振り返ると空中でソード斧を両手で振りかぶったバスターの姿が飛びかかろうとしている。
「ウオォォ!!」
バスターがグランドに向けた斧の部分の刃を振り下ろす直前に後ろへと飛んで回避、斧は地面へ叩きつけられ砕けた岩の細かい破片が舞った。
「くそっ、やっぱこの武器バランス悪いな」
バスターはソード斧を持ち上げる。
「まともに扱えていないようだな、スキルを使ってみたらどうだ?」
グランドは立ち上がる。
「言っただろ、実践練習だって」
「余裕だな、それともただのバカか・・・!」
言い切る前にグランドは再度地面を蹴り、前へと飛び出して突きを繰り出す。
「ハァァァ!」
バスターはまたしても避ける。しかし今度は避けた刀身を片手で掴んだ。側面に刃のないレイピアはしっかりと握られ、グランドの飛び出した勢いをその場で止めた。
「何っ!?」
グランドが体制を立て直す間もなくバスターはもう片方の手に持っているソード斧を思い切り振り下ろした。
斧はレイピアの刀身に叩きつけられ、金属音と共に根元から折れた。咄嗟にグランドはバスターを蹴りとばした。飛ばされたバスターは足でブレーキをかける。
「なるほど、その名に恥じぬ強さだ」
グランドは折れて柄だけとなった剣を捨てた。そして近くで倒れているゴブリンの中で最も大きなやつの手にある大きい棍棒を手にとった。
「何だよ、俺が渡した剣は使ってくれないのか?」
バスターは悲しみを感じさせない表情で言う。
「俺は用心深いんでね・・・ 何か罠が仕掛けられているかもしれない武器は使わない」
「俺よりそいつらの方が信用できるのかよ?」
バスターは倒れているゴブリンを見て言う。
「・・・お前にはこいつらが何に見える? 俺は何に見える?」
グランドもゴブリンたちを見つめる。
「・・・?」
バスターは今度はグランドを見る。
「ハァァァァッ!!」
突然の雄叫びと共にグランドはその体に力を入れ始めるとその体も大きくなり始める。
「なんだ・・・?」
驚くバスターを尻目にグランドの体はどんどん大きくなり、その見た目は倒れているゴブリンのように皮膚は赤く変化していく。
「クハハハッ・・・」
グランドの変身が終わる頃にはその体はバスターの一回り以上でかくなり、顔などの原型はとどめているものの見た目はゴブリンとそっくりとなっていた。
「俺は何に見える? 俺たちはなんだ!?」
獣のような声でグランドは問いかける。
バスターはソード斧を構えた。
「悪いやつ」
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